あらすじ
<第7回> <第8回> <第9回>

<第7回> 「ラーメン大好き!」
 外来受付で順番を待っていた患者・坂井和弘(伊藤正之)の容体が急変した。連絡を受け駆け付けたいずみ(観月ありさ)とひろみ(安達祐実)は大急ぎで外科病棟に運び込み、診察を終えた坂井は、ひとまず大部屋へ入院することになった。原田(坂本ちゃん)らは、坂井が持っていた旅行鞄を見て、旅行直前に入院することになり気の毒だと言ったが、坂井は、目的は旅行ではなく、経営するラーメン屋がつぶれそうなので、友人のもとに資金繰りにいくところだったと打ち明けた。それでも坂井は「退院したら必ず店を立て直します」とも力強く言うのだった。
 だが、坂井の病名は胃癌で、永島(益岡徹)らが下した「進行はしているが、これならオペで何とかいける」という判断よりもかなり悪化しており、すでに末期症状だった。本人への告知は永島、高杉(藤木健太郎)らが少し話をしてみてということになった。だが、「自分の体のことは自分が一番わかる」と坂井はすでに自分が末期癌であることを気づいていたのだ。「肉親もいないし、気楽なものです」と坂井は明るく笑った。
 そんな坂井を見たひろみは、その日まできっちり坂井の世話をしたいからと、いずみなしで一人で坂井を担当させて欲しいと翔子(松下由樹)に申し出て、翔子のOKがでると早速、理論にもとづいた独自の看護計画で坂井の入院生活を管理しはじめた。
 だがいずみは、坂井が店のスープを完成させることを気にかけていると知り、大部屋にコンロを持ち込んだりして、少しでも坂井にラーメンと触れさせてあげようとする。しかし、これに気づいたひろみは猛烈にいずみに抗議をしてきたのだ。坂井の看護を巡って激しく対立する二人。そんな中、なんと坂井が病室から姿を消してしまった。いずみとひろみは言い争いを中断、協力して坂井を探しはじめた。

<第8回> 「ママなんか大嫌い」
 その夜、いずみ(観月ありさ)はラウンドを終え、いそいそと婦長室の翔子(松下由樹)の所にやってきた。手にはお菓子を持って仲良く一緒に食べるつもり。だが、部屋に入ろうとするいずみを翔子は、「まりあ(坂野真弥)が寝ているから」と押し戻すと、発熱してしまいお泊まり保育が断られた事情を説明した。婦長になり責任も増した、しかし子育ては決して放棄したわけではない。いずみが「シングルマザーは大変なんだー」と翔子の顔をのぞき込むと、「大変なのはあたりまえ!」と翔子は言い聞かせるように言い放つのだった。その直後、若葉会総合病院に人気デザイナー小谷千秋(夏木マリ)が入院してきた。腹部の痛みを訴えていた千秋の病名は悪性リンパ腫。浜野(石原良純)から本人に、そのことが伝えられた。
 だが、この時千秋の一人娘・美香(滝裕可里)も母の病名を知ってしまう。美香は、離婚して仕事一筋に生きてきた母を恨んでさえいるようで、病室にも寄り付こうとはしなかった。最も千秋は、病室でも近く行う自作発表のショーの準備や仮縫い、取材を受けるなどして、あくまでも仕事優先の日々を過ごしていたのだが・・・。そんな擦れ違う母娘の様子を翔子は、自分とまりあとに重ね会わせ、複雑な思いで見つめていた。
 ある夜、翔子は千秋からショーの日に外出を許可してほしいと言われた。体のことを考えれば無理という翔子に、「だったらここを出でいく」とまでいう千秋。翔子は、考えぬいた末、永島(益岡徹)に許可を願い出ていた。「患者さんが望む生き方を支えてあげるのも私たちの仕事です」と・・・。 そして、ショー当日。千秋は心血を注いで準備してきたショーの開幕の時を迎えることになった。

<第9回> 「ナースはいらない」
 若葉会総合病院外科病棟に、名医と評判の稲本(細川俊之)がやってくることになった。浜野(石原良純)が出世のためにとダメもとで依頼したもので、大部屋に入ってきた新しい患者の森岡(畠中洋)の出張オぺをすることになったのだ。
「病院の交流を活発にして医学界全体のレベルを上げていきたい」本の出版はもちろん、テレビ出演もこなす稲本は出張オペの意味を問うアナウンサーにこう答え、待ち受けるひろみ(安達祐実)らの期待は高まる。
 そして、いよいよ稲本が若葉会総合病院にやってきた。だが、全員が恭しく稲本を迎える中、またしてもいずみ(観月ありさ)は歓迎のクス玉を頭に落とす大失態を演じてしまい・・・その後も失敗を続けるいずみに対して稲本は、処分をしろと要求してきたのだ。実は元来、女性の力など評価していない稲本は、自分のオペにナースはいれないと宣言するなどナースを完璧に見下していた。しかし、そんな傲慢な姿勢が一斉にナースたちの反感を買い、いつもは反目しあってる翔子(松下由樹)と大島(伊藤かずえ)もこの時ばかりは同じ敵のもと結託。いつもいい感じの翔子と永島(益岡徹)の仲も険悪ムードとなるのだった。
 そんな中、稲本のオペの日がやってきた。だが稲本がいきなり「今日は2時間ジャストを目指す」と記録宣言したことに永島、健太郎(藤木直人)らは不安を覚えるのだった。そしてオペがスタート、とその時だった、介助の浜野が倒れたのだ。診察の結果は脊椎カリエス。外科として致命的とも言われる病気。「・・・終わったな・・・」浜野の落胆ぶりは激しかった。
 そんなある夜のこと、無事稲本のオペを終えたと思われた森岡の容体が急変した!悶絶し苦しむ森本の傍らには翔子と大島そして腰の痛みを押して駆け付けた浜野の姿があった。


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