あらすじ
<第10回> <第11回> <第12回>

<第10回> 「ラブラブ大ピンチ」
 その朝、ナースステーションは、ひろみ(安達祐実)が新車を購入したとの話題でひとしきり盛り上がっていた。メガネをコンタクトにしたり車を買ったりと、最近のひろみの変貌ぶりは目を見張るものがある。実はその裏には健太郎(藤木直人)への真剣な思いがあるとも知らず、今日もいずみ(観月ありさ)は、大部屋の皆から健太郎とのことを冷やかされたりしてとってもご機嫌だ。そんな中、健太郎が発熱して倒れてしまった。
 翌日も熱は引かずオペを担当するはずだった宮本(中丸新将)のことも、永島(益岡徹)に任せることになった。「この忙しい時に!」といずみの前でわざと嫌味を言う浜野(石原良純)。だが、そんな浜野に対し、いずみ以上に不満をあらわにするひろみ。翔子(松下由樹)は、そんなひろみを見ていて、「あれは結構マジだよ・・・何とかしないと」と呑気ないずみに忠告するのだった。
 その夜、いずみは健太郎からの頼みもあり、夜勤につくことになった。健太郎は担当医としてオペ後の宮本を心配し、今夜はいずみにいてほしいといってきたのだ。これを聞いたひろみは一人、健太郎の看病のため自宅へ向かった。突然のことに驚きながらも健太郎は、食事を作るというひろみを迎え入れた。だが、そのまま寝入ってしまったひろみは、早朝帰ってきたいずみと鉢合わせてしまうのだった。
 ひろみがいずみの居ぬ間に健太郎の看病をしていたことは、瞬く間に病棟の噂になった。でも、ひろみは一向に悪びれる様子もなく「結婚してるからってそんなに偉いんですか?」といずみに宣戦布告ともとれる発言を。もちろんこの件を巡り、いずみと健太郎の間も気まずくなり、さらに二人の仲を決定的に打ち砕く事件が起こった。昨夜容体が急変した宮本に対する処置にミスが発生、危うく命を落とすところだったのだ。立ち会ったいずみにミスはなかったか!!とつめよる健太郎に、いずみは「なかった」というが、なかなか信用してもらえない。だがこの後、今朝見たとき異常はなかったというひろみの言葉を、健太郎は意図もあっさりと信じたのだ。いずみは、健太郎に対する信頼をすっかり無くしてしまうのだった。

<第11回>「ヤキモチドクター」
 ひろみ(安達祐実)とのいざこざなどが原因で健太郎(藤木直人)と揉めて家を飛び出したいずみ(観月ありさ)は、翔子(松下由樹)のマンションに転がりこんだ。健太郎が、患者の手当てのミスを一方的に責めたことも許せず、しばらくアパートに帰るつもりはないという。
 健太郎が話をしようとして近づいてもいずみは全く無視。一方、そんな二人の様子を見てもひろみは、健太郎を世話することをやめようとしない。ナースステーションは「遂に離婚か!?」と興味津々で、三人の様子に注目する。
 そんな中、大部屋に入っていた患者の奥山武彦(宝田明)が、病院ではなく自宅療養をしたいと言い出した。芸術家である奥山は、病室では創作意欲が沸かないということを理由にしたが、どうやら妻に先立たれ一人暮らしの奥山は妻と共に過ごした家にかなりの思い入れがあるらしい。妻が大事に育てていた樹木の手入れも、自分がしなければという気持ちを強くもっていた。
 大島(伊藤かずえ)は、人手不足でとても在宅ケアには応じられないと言うが、それまで何かと奥山の看護にあたっていた翔子は、自分の休みの時間を割いてでも奥山の在宅ケアを手助けしたいと申し出る。
 翔子は、婦長の仕事に、まりあ(坂野真弥)の世話などいくつ体があっても足りないと思えたが、同居しているいずみにも手伝ってもらいながら奥山の看護にあたりたいと言う。奥山が入院している時から、二人の親しげな様子が気になっていた永島(益岡徹)は猛反対したのだが・・・。
 こうして翔子の奥山への在宅ケアは始まった。だが、そんなある日のこと、奥山の容体が急変した。翔子一人では処置しきれそうにない。と、そこへ、常々奥山と翔子の様子が気になっていた永島が現れた。応急処置を済ませた永島はそのまま奥山を病院へ運ぼうとするのだが、苦しい呼吸の中、奥山はあくまでも病院行きを拒むのだった。

<第12回>「結婚して下さい!」
 入院ではなく自宅で療養を希望する人もいる。翔子(松下由樹)は以前担当した患者の経験から訪問看護への取組みを真剣に考え始めていた。意見を求められた根本(吉行和子)も翔子の熱意を認め、時間と労力はかかるが頑張ってみてはと、訪問看護課設立の必要性を感じ後押ししてくれた。
 ナースステーションでこのことを聞いたいずみ(観月ありさ)も、公私に渡って協力することを約束する。が、この時大島(伊藤かずえ)は、“現場のことをまたこれほどやり始めては、婦長の仕事どころではないだろう・・・”と直感。大島婦長誕生もそう遠くはない!?と思い思わずニンマリするのだった。
 そんな中、葛西(森一弥)が再入院してきた。健太郎(藤木直人)は、恋患い(?)の永島(益岡徹)に代わって葛西のオペを担当することになるのだが、ひろみ(安達祐実)が健太郎のことを好きだと知らされた葛西は、恋のライバルが執刀することを気に入らないのか、健太郎のオペを承諾しようとしない。だが、実は葛西の苛立ちは、退院していったん職場に戻ったものの再度の入院で主任になるチャンスを逃してしまった無念さにあった。そうと知ったひろみは、再起のためのオペを受けてもらおうと、自分もオペに立ち会いたいと申し出るのだった。
 その頃、翔子は永島と共に看護センターを訪れたりしていた。そして二人で行動を共にすることも増えた中、永島は遂に翔子に「結婚を前提にお付き合いできれば・・・」と打ち明けていた。
 数日後、院長(神山繁)や他のドクターの前で訪問看護課設立を求める会議が行われた。自ら作成した資料を元に力説する翔子。だが、経営面のリスクがあまりに高いと即刻翔子の発案を却下してしまう院長。すべてが水の泡と思われたその時だった。永島が遅れて会議室に姿を現した。
 その頃、ナースステーションにいたひろみのもとに「葛西の様子がおかしい」とのコールが入った。葛西のオペは無事終了していたのだが、実はそのオペでひろみは大量の血を浴び、またしても発作に襲われ途中退室していたのだった。そのコールを聞いたひろみは慌てて大部屋に駆け付けたが、葛西はガラスの破片を手首に当てて身構え、一同を見据えていた。


戻る

バックナンバー
[第1-3回] [第4-6回] [第7-9回] [第10-12回] [第13回]