あらすじ
<第4回> <第5回> <第6回>

<第4回> 「おまえはひとりじゃない!」
 救命センターに、土砂崩れで下敷きになった負傷者二名を乗せたストレッチャーが入ってきた。一人は、6時間土砂の下敷きになっていた男、森田。そしてもう一人は、救助にあたったレスキュー隊員・佐野巧一(根岸大介)。両者ともに意識混濁、ひじょうに危ない状態。初療室では、さっそく二手に別れての治療が開始された。
 進藤(江口洋介)、小田切(渡辺いっけい)、矢部(伊藤英明)らは佐野を、神林(小日向文世)は城島(谷原章介)、奈津(田畑智子)と組んで森田を。だが、そこにたまき(松雪泰子)の姿はない。
 衛生エリアでは同僚の様子を心配そうに見つめる合田(木下政治)、喜多見(池田稔)、二人のレスキュー隊員の姿がある。
 と、その時だった、森田の傍らに居たゆき(須藤理彩)が、「この人、確か何かの薬に強いアレルギーがあるはずですっ!」と、森田が以前にもここに来たことがあり、薬の投与には最新の注意が必要な患者だ。
 一方、大動脈損傷が判明した佐野に対しての処置法が進藤から矢部、奈津に出されていた。だが、咄嗟のことに焦ってしまい手袋さえ上手くはめることができない。進藤はそんな二人の様子を見て言った。 「ひとりで焦るな、俺たちは五人いるんだ」。
 結果、佐野は一命を取り止めることができた。だが、森田は必死の治療も及ばなかった・・・。
 その後、たまきのことが小田切やナースたちの間で話題に上がった。「仕事する気になれない」で現場を拒否されてはたまらないと思う小田切。進藤は本当の理由をたまきに問い正すと、以前治療にあたった男性患者からクリミアコンゴ出血熱が感染した疑いがあること、現在血液検査の結果を待っていることを認めた。結果がでるまでは治療にあたることはできないのは当然。
 そして、小田切とも相談の上、事情と病状を漏らさないため臨床検査科・VIP用個室にたまきは隔離されることになった。
 その直後、医局に新たな問題が持ち上がった。
 森田の義理の兄で弁護士だという倉沢(倉持一裕)が、森田の死は治療の遅れによる医療ミスではないかと言い出し、カルテ提出を要求したきたのだ。レスキュー隊員による進言か?
 確かに、一命を取り止めた佐野は隊長の難波(小木茂光)に、自分だけ生き残った無念を口にしてた。難波も進藤に「あんたたちは患者を死なせたって心が痛むだけだが、俺たちレスキューは、救助のために自分の身を危険にさらしているんだぞ!」と不信感を募らせていた。
 医師とレスキュー・・・進藤は、難波との間に命や相手を思う気持ちに隔たりがあることも感じながらも、自信を持ってカルテを見て判断してほしいと倉沢に言った。
 数日後、化学工場で火災が発生。要請により現場に赴くことになった進藤は、そこで二次災害の恐れがある中、部下を救うため現場に自ら飛び込み負傷した難波の姿をみとめた。「医者のことは信用してない」そう言っていた難波だが・・・・・。

<第5回> 「最後の授業」
 医局長の小田切(渡辺いっけい)は家族と過ごす時間がないことを悩んでいた。今週末こそ家族サービスをしたい。しかし、数日医局に泊まり込み状態は救命の宿命みたいなもの、他の医師たちもぼやきながらも、頑張っている。
 そんな時、小田切の元に老人介護センターの医療部長として、引き抜きの話しが持ち込まれた。完全週休二日、倍の給料という好条件。急患の対応だけではなく、カルテ処理、部下の始末書を書くなど、ひっきりなしに舞い込む仕事に心身を削っていた小田切にとって、それはなんとも魅力的な話しではあった。
 そんな中、救命センターに激しい胸痛を訴えショック状態で危険な状態の急患が運ばれてきた。「心筋梗塞か?」急ぎストレッチャーのった患者かけよる進藤(江口洋介)。だが、進藤はその患者の顔を見てハッとなった。その様子に「どうかした?」と、すかさず問うたまき(松雪泰子)。
 しかし、進藤は「いや、なんでもない」と平静を取り戻し治療にあたろうとした。だが、患者が意外なことばを発したのだ、「・・・無駄なことはよせ・・・自分は末期癌だ・・・」。
 柴田茂文(谷啓)というその患者は、その後ICU室に移された。そんな柴田に、治療と検査の必要を話す進藤。だが、それは一切無駄な事だと柴田は拒否する。一体何が柴田をそこまでかたくなにするのか?進藤は諦めることができない。
 病院の面子を優先する神宮(津嘉山正種)は末期癌の患者は転院させろと言う。進藤は一刻も早くオペをすべきだと小田切に強く進言する。
 珍しく感情的になる進藤を見て、たまきは進藤に柴田と個人的な関係があるのだろうと尋ねた。だが、進藤は「ただ後悔したくないだけだ」と答える。
 そんな中、柴田が再び苦しみ出す。柴田に向かって「癌を取らなければあなたに明日はない、私に執刀させてください」とうったえる進藤。ようやく柴田の了解を得てオペ室に向かう進藤だった。そんな姿を見詰める小田切は・・・・。

<第6回> 「キミは友だち」
 その日、ICUのベッドにはそれぞれに事情を抱えた三人の患者が並んだ。10歳の永尾萌(井上結菜)は、重い喘息を抱えており学校にも満足に行くことができない。心配そうに付き添う両親は、娘のためビーズを飾りつけたベッドの傍らで、担当医の神林(小日向文世)に、来週からアメリカで行われる喘息治療のためのキャンプに萌を参加させるのだと話した。友達とも遊ぶこともできない少女のことを思い、神林は「先生のトコの子供もね、好きなんだよビーズ」と優しい嘘をついた。
 「今回倒れられたとなると、ご主人は肝臓の移植を受けることを考えられたほうがいいと思います」。昏睡している夫・桂川耕作(櫻庭博道)を見つめる耕作の妻・奈々子(小西美帆)は、たまき(松雪泰子)の説明に表情を強張らせた。三等親内には血液型合う親族がいない桂川には妻しかいない。しかし奈々子は「ドナーになるのは私だけなんですね・・・・・・イヤです!」ときっぱりと言い放ったのだ。先月結婚したばかりの新婚生活は理想とは違ったようだ。たまき、城島(谷原章介)による必死の説得がはじまった。
 進藤も、チンピラとの喧嘩で太腿を刺され全治二週間。見るからに血の気が多く、ナースからも評判の悪いプロボクサー坂崎元(青木伸輔)に悩まされていた。
 いつ復帰できるかもわからぬ状態の坂崎は、まじめに治療に専念しようとしない。しかも、あろうことか坂崎は、隣りのベッドの萌に、神崎がついた嘘をばらしてしまう。せっかく心を開き始めた萌は、ショックで神林にも心を閉ざし、快方にむかっていた病状も悪化してしまう。
 一方、たまきは再度、耕作の妻、奈々子の説得をこころみようとしていた。あくまでも一医師として「冷静に、冷静に」のつもりだったのだが、つい声を荒げてしまう。
 翌日、進藤は、坂崎の脳血管に異常を発見。このままボクサーを続けることはできないという診断をジムの会長とトレーナーに伝えていた。


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