あらすじ
<第1回> <第2回> <第3回>

<第1回> 「緊急ヘリ到着!帰ってきた天才外科医」
 港北医大の救命センター。本日もあわただしく、一刻を争う急患が運びこまれてきた。待ち受けたナースの桜井ゆき(須藤理彩)は、指示された点滴剤が何か忘れてしまう二人の研修医、矢部淳平(伊藤英明)と太田川奈津(田畑智子)、に注意を与えながら足早に初療室へと向かった。
 初療室ではすでに神林千春(小日向文世)、馬場武蔵(宮迫博之)、城島俊(谷原章介)ら三人の医師が集まっており、そこに医局長の小田切薫(渡辺いっけい)も加わって、迅速にして最良の処置が行われようとしている。
 とそこへ、またも急患の受入れを要請するホットラインのコールが響いた。空港での作業中、8Mの高さから転落した空港作業員がヘリコプターで搬送されてくるという。頭部強打に大量出血、切迫した症状が予想されるのに症状が伝わってこない。
 そんな苛立ちと不安を抱えながら小田切たちは運ばれてきた患者を迎えた。小田切は、患者に施されていた応急処置を見て驚きの表情を浮かべた。非常用マスクを利用しての気道確保!? 一方ゆきは、患者に続いてヘリから降りてきた一人の男性を見て驚き目を丸くしていた。「口腔に血液が詰まっていたので窒息状だったので・・・」。
 シャツを血に染め、そう明確に状況を伝えた人は、なんと進藤一生(江口洋介)だったのだ。かつて、同じ救命病院で働き、名医といわれていたその人との思いがけない再会に驚くゆき。
 「私の研究はどうなるのっ!」港北医大・外科第一の研究室で、香坂たまき(松雪泰子)は同僚であり恋人でもある医師・北村圭二(宇崎慧)にむかって思わず声をあらげていた。第一外科から救命センターへの異動を言い渡されたのは数分前、上司の神宮教授(津嘉山正種)からだった。発表した研究論文は教授にも評価されていたはずだ。今後の活躍が期待されているはずではなかったのか?・・・そして、彼女自身が救命センターの存在を知ったのは、つい昨日のことではなかったか・・・そんな所へなぜ、私が!?
 昼夜を問わず一日切れ間の無い生活。オフィスに寝起きし、ジャンクなものばかり食するような毎日。たまきは今までの医者の世界と大違いな救命センターの現場に愕然とする。
 そんな時急患が運ばれてくる。たまきにも、早速初療室に入るよう指示が出された。交通事故で胸痛を訴える女性の処置だ。しかし、たまきはあまりに咄嗟のことでか適格な処置ができない。不安になるセンターの一同。その時ゆきは、廊下からこの様子を見つめる進藤の姿を見つけて、「力を貸して下さい!」と頼んだ。進藤は、一旦はここの人間でないことを理由に力を貸すことを拒んだ。だが急患の夫であろう男性から必死に訴えられ、たまきの処置の仕方を見るに見かねて初療室に飛び込む。そしてその適格な指示により、急患は一命を取り止めたのだった。
 この件以来、進藤の存在は救命センターの誰もが知るところとなった。そして進藤に誰よりも興味を抱いたのが、救命センター医局長である小田切だった。このセンターが形だけのものと知っている小田切は、何とか軌道に乗せたいと考えていた。唯一進藤のことを知るゆきと共に進藤に会いに行く。小田切は進藤に「力を貸して欲しい、是非センターに来て欲しい」と頼む。しかし進藤は今は医師を辞めているというのだった・・・・。

<第2回> 「明日を忘れた男」
 港北医大・救命救急センターに進藤(江口洋介)がやってきて数日が経過した。だが、進藤とたまき(松雪泰子)の対立はあいかわらずで、そんな雰囲気の中にいる馬場(宮迫博之)、城島(谷原章介)らも不満を漏らす。小田切(渡辺いっけい)も躊躇するほどにセンター内の不協和音は深く重く続いている。だが、そんな時にも待ったなしで患者は運ばれてくる。
 ストレッチャーに乗せられた中年男性の患者は全身ずぶ濡れで顔面を血に染め、意識不明の重体。しかし男の身元を明かすものは何も残されていなかった。すると進藤はスーツの胸を開き、そこに『田中』の名字を確認した。翌日、目を覚ました『田中』(井上順)がおかしなことを言い出した。自分のことが何ひとつわからないというのだ。「記憶喪失!?」困惑するゆき(須藤理彩)。頭部のレントゲン写真を見て、異常はないと思う進藤。
 何気なくその胸部写真に目をやったたまきの表情が変わった。たまきは、田中の心臓に修正大血管転位症を発見したのだ。それは、神宮教授(津嘉山正種)か研究をすすめるダブルスイッチ手術を施すことができる症状。たまきは、早速神宮にこれを伝える。心臓外科に戻りたいたまきは真剣だ。
 数日後、田中の妻がセンターにやってきた。進藤の指示で電話帳を見て、片っ端から「田中」に電話をかけていた矢部(伊藤英明)、太田川(田畑智子)らの努力が実ったのだ。だが、妻・恭子(キムラ緑子)の姿を見た田中はあいからわず記憶喪失。どうやら二週間前に田中は月光証券を突然リストラされたらしい。「現実を逃避しているのよ!」と絶叫する恭子。進藤はそれを聞いて、田中が自ら命を断とうとしていたことを悟った。そしてその上で、「ゆっくり休んで、もうバカなことを考えちゃいけない」と生きることを促すのだった。
 その直後、救命センターはコンビニ強盗に刺された瀕死の患者の処置に追われることになった。医師、ナース、警官、関係者たちでごった返すセンター。だが、そこにたまきの姿はない。実はたまきは、田中をそっと車椅子に乗せ第一外科に連れ出していたのだ。

<第3回> 「小さな命大きな命」
「やめる方に一万円」「僕も」「じゃ僕も」「みんな同じだったら賭けになりませんよ」。その日、医局に集まっていた馬場(宮迫博之)、城島(谷原章介)らは賭けで盛り上がっていた。それは研修医・矢部(伊藤英明)が続くか辞めるかというもの。しかし、指導医が進藤(江口洋介)とあっては矢部が続くはずもないと皆が思っていた。神林(小日向文世)だけは、大穴狙いで"矢部辞めない"に賭けるのだった。
 当然そんな医師たちの中には加わることもなく、たまき(松雪泰子)は転んで怪我をしたという女性の診断にあたっていた。しかし、激しく乱れた服装の様子から見てレイプされたのは一目瞭然。、とその時、手当てを受けていた女性の表情がみるみる変わった。視線の先には頭をタオルで押さえ治療を求めやってきたアフロヘアーの男。たまきは、その男がレイプ犯と確信。小田切(渡辺いっけい)のもとへ直行。小田切は担当の神林に連絡を入れ事情を伝えると、警察がくるまで男をそれと気付かせずつなぎ止めておくよう指示を出した。その後進藤、たまきらの臨機応変な対応で見事レイプ犯を警察に引き渡すことに成功。
 同じ頃、矢部と奈津(田畑智子)は、はじめて自分の担当患者をもつことになった。矢部は志願して鈴木美咲(佐藤夏帆)という五歳の少女を、そして奈津(田畑智子)は、癌で余命いくばくもない和泉喜代(大森暁美)という六十五歳の女性を。
 美咲は、残された治療方法は生体肝移植でドナー待ち状態。今後の治療をどうしていいか悩む矢部に進藤がアドバイス。一方、喜代の癌はすでに手が施しようもなく、家族からも見捨てられているような状態。そんな状況で心を開かない喜代に奈津は対処できない。二人の研修医は、医師としての無力さを感じ壁にぶつかってしまうのだった。


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