あらすじ
<第4回> <第5回> <第6回>

<第4回> 「意外な一言」
 由加里(篠原涼子)は、真智(水野美紀)の名を使って、下の階に住む拓海(藤木直人)の部屋に押しかけた。拓海は、由加里を覚えてはいなかったが、大きく開いた胸元に目を留めるや否や、すぐに部屋に招じ入れるのだった。
 そんな朝、高梨動物病院では、胃炎で入院していた小型犬が治療の甲斐なく死んでしまった。真智は、落ち込んでしまう。
 真智が部屋に戻ると、拓海がやって来た。真智は、自分の辛さを拓海が慰めてくれると妄想を抱いて、玄関をあけるとノミが部屋で大発生したので、ルークを預かってくれと言いいだす拓海。真智は、渋々病院で預かることにする。そのためルーク抱いた拓海をのせて自転車で病院にむかう。その様子を偶然、小手島(八嶋智人)がその様子を見かける。
 病院で早速ルークについたノミを駆除するために診察にはいる。その様子を見ながら拓海は、定職についてはなく、今はボウリング場でバイトをしていると言う。しかも今夜はアルバイトの日だということを忘れていたといい加減なことを言い出す。今は夢すらないという。「楽で儲かる仕事があるんなら就職するけど」とまで言うのだった。それを聞いた真智は、心の底で「男なら働け!サイテー」と罵るのだった。
 そんな夜、真智、由加里、琴美(坂井真紀)の三人は、真智の部屋で鍋を囲むが、真智は、由加里が、ボリボリと足を掻きむしるのに気付いた。ノミの食い痕である。真智は、拓海の部屋を思い出すが、何も言わず寝たふりをする。拓海のベットに由加里がもぐりこむ妄想を抱いて・・・・・・。
 そんなある日、歩(小泉孝太郎)は敦史(オダギリジョー)と喧嘩する。原因は、美佐(畑野浩子)と付き合っていたのを話さずに、美佐とデートするように仕組んだことを知ったからだった。
 その頃、一度は真智にルークを引き取ってほしいと話した拓海もルークに情が移っているのに気が付き高梨動物病院にルークを引き取りにいく。病院には真智はおらず、たまたま真智と拓海が二人乗りをしているのを見かけた小手島が拓海のことを指しなら「真智先生の彼氏だから」と女性スタッフに説明したことから真智の知らないところで大騒ぎになっていた・・・。

<第5回> 「攻撃開始!」
 真智(水野美紀)は、迷える人間の本質をズバリと喝破した拓海(藤木直人)に恋してしまった。看ていた犬が死んでしまったことに対して助けることよりも家族に責められてしまうことで頭がいっぱいだったと自己嫌悪に陥いる真智に、「それが人間ってもんじゃん」「だから面白いじゃん」の一言で好きになってしまったのだ。
仕事をしながらも、拓海のことは頭から離れず、由加里(篠原涼子)が言い寄ってきていることや拓海がいい加減な性格であることなどで、気もそぞろになってしまうのである。と、そんな夕方、寒気がするのに気付いた。風邪である。
 そんな折、拓海はバイト先のボウリング場をクビになってしまった。時計やカメラを質屋に持って行っても二束三文。不機嫌そのものでマンションに戻ると、出勤しようと現れた真智が自転車ごと倒れてしまった。ゆっくりと近寄る拓海。
 「何やってるの?」
 「風邪みたい」
 「休めば?」
 「あたしがいないと大変なの」
 「何とかなるよ」
納得しないながらも、部屋に戻った真智に、拓海は妙に親切である。
 「何かすることない?」
 「食うもんある?」
 「薬は?」
 「ね、金貸してくんない? バイト、クビになっちゃった」
目の前が暗くなる真智。「優しいのかと思ったら、金かよ。愛していても信じないの。サイテー」。心の中で叫ぶ真智だった。
 そんな夕刻、マンションにヒールの音が響く。由加里である。拓海を篭絡せんと、自分が勤めるデパートの食品売り場でカニを手に入れ乗り込んできたのだ。もちろん、金もなく腹の減った拓海は、一も二もなく由加里を招じ入れるのだった。カニ鍋をつつきながら、風邪で寝込んでいる真智の話になる。ちょっと心配になる由加里だったが、このチャンスである。お見舞いは後回しにするほかない。
 階上では、真智の部屋に琴美(坂井真紀)が訪ねてきた。由加里が琴美に真智が寝込んでいることを伝えたのだ。そのいきさつを聞いて、愕然とする真智。それを見て、琴美も真智の気持ちを悟る。琴美が慰めるが、無力感に苛まれる真智は「あの、27歳処女って私のことなの」と白状する。
 「分かってたわよ」と琴美。と、そこへ由加里が現れた。
 「カニ雑炊持ってきたわよ」。残り物を運んできたのだ。もちろんカニの身は残っているわけはない。
しかも畳かけるように「フサちゃんって呼ばれるの嫌なんだって。拓海って呼べと言われたわ。」「真智は好きじゃないかもしれないけれど、私は好きだし信じてるから、お金がないって言う拓海にお金貸してきた。だからどっちか2千円貸して」と由加里。敗北感に落ち込む真智を見て、琴美は由加里を追い出す。
 「馬鹿には勝てないわね。フサちゃんもだめな奴」が、真智は素直にその言葉に頷けないのだった。
 翌朝、雅枝(加藤治子)に言われて、歩(小泉孝太郎)が見舞いにやってきた。そして歩は口篭もりながら「女の人って同時に人を好きになるものか?」と聞く。美佐(畑野浩子)のことを思っているのだ。真智は「どうして?」と聞き返すが、「姉ちゃんと一緒で、人生最大のピンチ」と言い残し帰って行くのだった。
 昼になって病状は悪化した。真智は病院に行きたいと、高梨動物クリニックに電話する。迎えに来たのは敦史(オダギリジョー)である。丁度そこへ拓海もやって来たので 拓海と敦史は鉢合わせしてしまうのだった・・・。

<第6回> 「もう限界!」
 風邪を引いた真智(水野美紀)を、敦史(オダギリ・ジョー)は、献身的に看護しながらも、拓海(藤木直人)とのことを詰問する。真智は怒り出した。しかし、敦史はめげず「そのギャップがいいんだ。きれいなのに、ずっと守り通して・・・・・・」と誉めちぎるのだった。
 そのころ歩(小泉孝太郎)は美佐(畑野浩子)とホテルの一室にいた。だが、服を着たまま。歩は、帰ろうとする美佐の手を取り言った。「僕とデートして下さい」「他のやつらと同じだとは思われたくない」
 翌朝、真智は、テラスにいる拓海(藤木直人)に、やっと「昨日の用事って何?」と切り出せた。ルークが具合を悪くしているという。拓海は「女は自分が好きだから、自分が何かしてもらえることばかり考えている。女よりルークの方がずっといい」。「私は猫以下か・・・・・・」と真智は悲しくなる。
 数日後、真智はやっと病院へ復帰した。病院は休みの間も問題はなかったという。「あたしから仕事を取ったら何が残るの・・・・・・」。言い知れぬ不安は増すばかりである。
 そんな夜、拓海と由加里は(篠原涼子)は、デートしていた。ねちっこく絡み付く由加里に、拓海は「ルークに餌やんないと・・・・・・」と、そそくさと帰って行く。「猫以下かよ、私・・・・・・」。
 真智が部屋に入ろうとすると、拓海が飛び込んできた。大家が家賃を滞納ししかも猫を飼っている拓海を探しているのだ。「ルークが見つかっちゃう」。真智が中に入れると、拓海はブルース・リーのポスターを見て大喜び。「俺、ガキのころ、リーのキーホルダー持ってたのよ」。真智は自分がリーが好きなのは、拓海から「伝染したもの」と確信するのだった。そして、拓海は真智のとなりで、真智編集のブルース・リー・スペシャルのビデオを見るのだった。真智は勇気をだして、拓海に告白しようとしたがやはりチャンスを逃してしまう。
 数日後、真智は由加里と中華街へ出掛けていた。「ルークに勝つ」と「拓海落し」を宣言する由加里の情熱に呆れ果てる。その時、近くのテーブルに歩と美佐が現れた。どぎまぎする真智と歩。気まずくなりそうな瞬間、琴美(坂井真紀)も登場した。遅れた理由は、妊娠の検査、「オメデタ」だったのだ。
 28歳の誕生日まであと1日。「最後の晩」が訪れた。“決行”の時。真智は口紅を引き、めかし込んで拓海の部屋のドアを叩いた。ドアから現れたのは由加里だった。「興味なかったんでしょ、会わせないわ」。由加里のライバル意識が爆発する。そんな由加里に「自分の気持ちに気がつくのが遅かっただけ」という真智。だが、部屋から出てきた拓海にはまたも何もいえない真智だった。
 部屋に戻った真智に時計が午前零時を知らせる。とうとう28歳になった真智だが・・・。


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