不毛地帯
妻と娘の涙
防衛庁の第2次防FX(=次期主力戦闘機)受注をめぐり、激しい戦いを繰り広げていた壹岐正(唐沢寿明)は、東京商事航空機部の鮫島辰三(遠藤憲一)が総理に流していたわいろ『G資金』のルートを解明するとともに、防衛庁から極秘文書であるグラント社の『スーパードラゴンF11』の価格見積表を入手する。これによって、ラッキード社の『ラッキードF104』を推す壹岐たち近畿商事が勝利するものと思われたが、その矢先、アメリカの空軍基地でテスト・フライト中だった『ラッキードF104』が墜落事故を起こすという事態が発生した。近畿商事社長の大門一三(原田芳雄)は、一刻も早く墜落の原因などの詳しい情報を集めて対策を練るよう、東京支社長の里井達也(岸部一徳)に命じた。同じころ、鮫島は、防衛庁官房長の貝塚道生(段田安則)に、『ラッキードF104』の欠陥データと墜落現場の写真を入手したことを報告していた。すでにそれらは、毎朝新聞記者の田原秀雄(阿部サダヲ)の手に渡っているという。それを知った壹岐は、田原が握っているデータを把握するために、自ら彼に接触。田原は、『ラッキードF104』には致命的な欠陥がある、と壹岐に告げ、明日の朝刊を楽しみにしていてほしい、と言い残して去っていく。その夜、壹岐は、旧知の仲である経済企画庁長官・久松清蔵(伊東四朗)を訪ね、毎朝新聞の記事を何とか抑える策はないか、と久松に頼みこむが…。