不毛地帯
嫉妬に殺される男
壹岐正(唐沢寿明)は、副社長の里井達也(岸部一徳)とともに、千代田自動車との提携を目指して米・フォーク社との交渉に臨んだ。千代田自動車側は、乗っ取りを恐れ、フォーク社の出資比率を25%以下にしたいと主張していた。それに対してフォーク社側は、重要決議に拒否権を行使できる33.4%以上でなければ交渉には応じないという姿勢を崩してはいなかった。そこで里井は、腹心である業務本部長の角田保(篠井英介)とともに新たなプランを作成する。それは、壹岐たちが進めてきた提携話を白紙に戻し、フォーク社と千代田自動車が対等の出資比率で新たな合弁会社を作るというものだった。壹岐らとともにデトロイトのフォーク社を訪れた里井は、フォーク会長(アレキサンダー・バリ)との会談を行った。その席でフォーク会長は、新たな合弁会社を作るという里井の提案に強い興味を示し、千代田自動車の経営状況を調べた上で検討する、と答える。里井は、さっそく社長の大門一三(原田芳雄)に連絡をとり、来月フォーク社が日本に覆面調査団を派遣するところまでこぎつけたことを報告する。ところがその矢先、突然、里井が狭心症の発作を起こして倒れてしまう。