不毛地帯
喰うか喰われるか
壹岐正(唐沢寿明)は、社長の大門一三(原田芳雄)に同行して、自由党幹事長・田淵(江守徹)の邸宅を訪れる。その席で田淵は、千代田自動車と米・フォーク社の提携話を持ち出した。田淵がこの提携話に一枚噛んでおきたいという思惑で大門を呼び出したと悟った壹岐は、交渉を詰めた上で改めて助言を仰ぎたい、と答える。一方、出張から戻った副社長の里井達也(岸部一徳)は、田淵の一件を知って壹岐に怒りをぶつける。電話1本で大門が田淵のもとに駆けつけるなど不見識極まる、というのだ。壹岐は、そんな里井に、フォーク調査団のひとりが東京商事の鮫島辰三(遠藤憲一)と行動をともにしていたことを伝える。しかし里井は、その話に耳を貸さないばかりか、壹岐を提携プロジェクトから外してしまう。里井は、すぐさま渡米し、フォーク社との交渉を詰めようとした。ところがフォーク社側は、そんな里井に対し、千代田自動車との間で新たに設立する合弁会社の出資比率をフォーク51%、千代田49%に変更してほしい、という新たな条件を提示する。帰国した里井は、大門とともに千代田自動車側と会談した。するとそこに、毎朝新聞の夕刊を手にした角田保(篠井英介)が飛び込んできた。その一面には、フォーク社が東和自動車と提携する意向を東京商事に正式に伝えた、というスクープ記事が掲載されていた。ショックを受けた里井は、その場で胸をかきむしるようにして倒れ…。