ファイアーボーイズ ~め組の大吾~

第10回 2004年3月9日(火)放送 あらすじ

#10 レスキューへの道

 めだかヶ丘出張所で、資源再処理研究センターの火災で殉職した植木(モロ師岡)の消防葬が行われた。葬儀には、所長の五味(鹿賀丈史)以下、め組の隊員たちはもちろん、植木の元同僚たちも駆けつけ、最後の別れを惜しんだ。同じころ、大吾(山田孝之)は、病院のベッドの上にいた。大吾も爆発事故に巻き込まれて、負傷していたのだ。ケガは順調に回復していたが、事故のことや植木の最後の笑顔を思い出す度に、激しい嘔吐に見舞われ、もがき苦しむ大吾。まひる(内山理名)、純(ミムラ)、甘粕(塚本高史)の3人は、そんな大吾のことを心配して見舞いに訪れた。しかし大吾は、誰とも会いたくないという。そんな大吾の態度に業を煮やした甘粕は、大吾のいる病室に飛びこみ、辛いのはみんな同じだ、と怒りをぶつけた。さらに甘粕は、応援してくれた植木のためにもレスキュー試験を受ける、と大吾に宣言する。が、まるで抜け殻のような状態の大吾には、そんな彼の思いは届いていないようだった。

 その夜、病院の屋上に佇む大吾のもとに、静香(小西真奈美)がやってきた。静香は、努めて明るく大吾を励まそうとした。すると、「オレが残れば良かった…」とぽつりと言う大吾。こみ上げてくる思いを抑えきれず、嗚咽する大吾の姿に、静香も言葉が見つからなかった。

 数日後、退院した大吾は、植木の眠っている墓を訪れた。大吾は、五味(鹿賀丈史)からもらったドッグタグをポケットから取り出すと、静かに墓に置いた。そこにやってきた純は、大吾が消防士を辞めようと思っていることに気づく。自分のふがいなさに苛立つように弱音を吐く大吾。すると純は、そんな大吾の頬をひっぱたき、「信じてるから…絶対に戻ってくるって」と言うと、ドッグタグを拾ってその場を立ち去る…。
 純からその話を聞かされた平(石黒賢)たちは、さすがにショックを隠せないでいた。しかし甘粕だけは、辞めたいやつは辞めればいい、とそっけない。
 その夜、大吾の家に博士(温水洋一)がやってきた。町を見下ろす丘で、植木との思い出を語る博士。さらに博士は、あの事故の時、植木を残してはしご車のレバーを引いた判断は間違っていなかった、と大吾に告げた。
 大吾が家に戻ると、家の中には平が上がりこんでいた。平は、大吾の母・都子(大島蓉子)や、祖母のハツ(花原照子)に土産を渡し、大吾を市営グラウンドに連れ出した。そこには、レスキュー試験に向けて、必死にトレーニングを続ける甘粕の姿があった。平は、め組のみんなも、どうすれば悲しみを乗り越えられるのか、消防士としてどうすればいいのか、その答えが見つからない中で闘っていることを大吾に伝えたかったのだ。大吾は、そんな平の言葉を聞きながら、甘粕の姿を見つめ続け…。

キャスト

朝比奈大吾 … 山田孝之

園田まひる … 内山理名
近藤 純 … ミムラ
甘粕士郎 … 塚本高史
赤星みつる … 葛山信吾
植木彦助 … モロ師岡
万丈博士 … 温水洋一
高山俊介 … 江畑浩規

朝比奈ミキ … 小出早織
朝比奈都子 … 大島蓉子
朝比奈ハツ … 花原照子
  ○
落合静香 … 小西真奈美
  ○
神田 勲 … 的場浩司
  ○
平 茂 … 石黒 賢
  ○
五味 一 … 鹿賀丈史

スタッフ

■原作
曽田正人
(小学館 少年サンデーコミックス「め組の大吾」)

■脚本
吉田智子

■演出
宮本理江子
七高 剛
成田 岳

■プロデュース
現王園佳正

■音楽
佐藤直紀

■制作
フジテレビ制作1部

バックナンバー