第10回 2004年3月9日(火)放送 あらすじ

#10 別離

 凛(美山加恋)の親権は審判の場で争われることになった。「俺のわがままかな。たった数ヶ月、凛のことみただけなのに」。徹朗(草なぎ剛)は揺れる胸の内をゆら(小雪)に打ち明けた。そしてゆらを通じて、勝亦(大森南朋)に弁護士を紹介してもらった。凛にも正直に話した。「はい」。凛はいつものように素直に返事した。
 「やっぱり母親といた方がいいんじゃない?」。美奈子(長山藍子)は親権を可奈子(りょう)に渡してほしいと徹朗に頭を下げた。「許して。私も一人の母親なのよ」。美奈子の気持ちはわかるが、徹朗の決心は変わらなかった。「すみません」。凛を手放すわけにはいかない。
 徹朗と凛の生活ぶりを聞き取りするために、家庭裁判所から調査官がやって来た。「お父さんははずしていただけますか」「思ったとおりに答えればいいから」「はい」。凛は屈託なくうなずいたが、徹朗は落ちつかない。可奈子と一緒の時はもっと違う表情を見せるのではないか。「不安だよ」。ゆらにこぼした。
 「今夜、ウチに泊めたいんだけど」。可奈子から突然言われて、徹朗は焦った。本心は断りたいが、調査官の目を意識した。「いいよ」。楽しそうに遠ざかっていく母と娘。徹朗は気持ちをふりきって背を向けた。
 翌日ゆらは凛を連れた可奈子に出会った。「ウチの母ったら、おかしいのよ。小柳とゆら先生が親しそうだとか言っちゃって」。ゆらは何も言い返さない。「近いうちに凛は私と暮らすことになると思うので、それまでよろしく」。
 後からゆらがマンションを訪ねると、仕事に出かけた徹朗の代わりに、義朗(大杉漣)の姿があった。「弁護士さんのことで、お世話になりまして」。義朗のもとにも調査官がいくことになっていた。「でも凛のこと、何もわからなくてね」。義朗が困惑げにもらした。「きっとすぐ仲良くなれます」。ゆらに促されて義朗は子供部屋にむかった。「凛、先生がおみえになったぞ」「はい」。凛がうれしそうに出てきた。
 審判初日がきた。徹朗側の弁護士は可奈子が凛をおいて家を出たことを厳しく追及した。「私はまず離婚をしたいと思いました。小柳は子供を愛してなかったから、親権の肩書がほしいだけで、養育は私にさせてくれると思ったんです」。可奈子が一気に心情を明らかにすると、徹朗は思わず叫んでいた。「可奈子、俺、ホントに変わったんだ。凛に聞いてみてくれ」。可奈子は感情を殺して答えた。「凛は、あなたの話、何もしなかったわ」。
 可奈子側の弁護士は離婚の原因が徹朗にあることをついてきた。「たしかにあの頃の私は仕事第一で、父親として失格だったと思います」。さらにマミ(山口紗弥加)との一夜をもちだした。「3年前に浮気をしましたね」「そ、そんなたった1回です」。徹朗の発言はしっかり記録された。
 「あなたは子供を捨てたんです」。徹朗側の弁護士は追及の手をゆるめなかった。「でも後悔しているんです。もう二度としません。だから凛の母親でいさせてください。他に何もいりませんから」。可奈子は泣きくずれた。

 数日後、弁護士の事務所を訪ねた徹朗は一通の手紙を手渡された。義朗が届けてきたという。「上申書のようなものです。家庭裁判所に提出するつもりですが、読まれますか?」「はい」。徹朗は食い入るように文面を読みはじめた─。

キャスト

小柳徹朗(30) … 草なぎ 剛
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北島ゆら(29) … 小雪
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小柳可奈子(30) … りょう
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宮林功二(32) … 東 幹久
坪井マミ(25) … 山口紗弥加
岸本 肇(24) … 要 潤
石田和也(42) … 浅野和之
勝亦亮太(29) … 大森南朋
谷川亜希(29) … 田村たがめ
小柳 凛(7) … 美山加恋
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小柳義朗(59) … 大杉 漣
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大山美奈子(58) … 長山藍子

スタッフ

■脚本
  橋部敦子
■プロデューサー
  重松圭一(関西テレビ)
  岩田祐二(共同テレビジョン)
■アソシエイトプロデューサー
  石原 隆(フジテレビ)
■演出
  平間 眞(フジテレビ)
■音楽
  本間勇輔
■制作
  関西テレビ
  共同テレビ

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