数々の有力選手を指導する長光歌子先生が
フィギュアスケート界を楽しく語ります!

歌子の部屋

vol.27

平昌オリンピック、世界ジュニア選手権について

歌子先生に平昌オリンピック、世界ジュニア選手権について伺ってきました。

平昌オリンピックについて

■女子シングル日本代表について―

長光歌子先生

 宮原(知子)選手は、先日関西大学での練習を見たのですが、また日に日に良くなっているという印象を受けました。四大陸選手権では、全日本選手権後の休養からピークを持っていくことが出来ませんでしたが、あくまで目標はオリンピックだと思います。四大陸選手権の3位もそうですが、彼女は昨シーズン後半からすごくたくさんの悔しい思いをしてきたと思います。そういったところもオリンピックへ全部ぶつけて行って欲しいですね。
 坂本(花織)選手は今ノリノリですよね。さらにジャッジの方々にとっても目新しく、フレッシュなので高い評価につながるような好条件を併せ持っていると思います。
 また彼女の場合、先ほども言いました「良い意味での鈍感力」というのを持っているのではないかなと思います。緊張の度合いが他の選手より余裕があるというか、大きな舞台でも力を発揮できるマインドを持っている気がしますね。とっても可愛らしい性格が好ましいです。
宮原選手、坂本選手にとって初めてのオリンピックで、とてもプレッシャーがかかると思います。けれどまずは団体戦でオリンピックの空気を感じ、その経験を生かして個人戦では2人共気負わず、全ての力を出し尽くしてほしいです。

■海外勢で注目している女子選手は―

 海外勢ですとやはりロシア(今大会はOARとして出場)の、(エフゲニア・)メドベージェワ選手と(アリーナ・)ザギトワ選手に注目が集まると思います。欧州選手権では、ザギトワ選手が優勝、メドベージェワ選手が2位。メドベージェワ選手はこれが怪我からの復帰戦でしたが、本当にレベルの高い戦いを見せましたよね。
 個人的にはソチの銅メダリスト、カロリーナ・コストナー選手に注目しています。本当に美しいスケートをしますよね。それと彼女の場合は構成も含めた演技全体の完成度ですよね。その素晴らしさを是非皆さんにも注目して見てほしいですね。
 そして、カナダのケイトリン・オズモンド選手にも注目しています。男子もそうですが女子もオリンピックの神様が誰に微笑むかはやってみるまではわからないので、本当に皆さんに頑張って欲しいと思います。
 また今回女子は団体戦との間に時間があるので、団体戦が良くても悪くてもそれをシングルに生かせるのではないかと思います。

■カップル競技について―

 アイスダンスの村元哉中選手とクリス・リード選手ですが、四大陸選手権では3位表彰台。本当に良かったですね。先日名古屋で行われた代表合宿で2人の演技を見たのですが、「日本のアイスダンサーがラテンをあんなにかっこよく踊れるなんて!」と思いました。ユニゾンもそうですが、村元選手のスケーティングは、昔からアイスダンスの選手だったのではないかと思うくらい、本当に目を奪われました。
 ペアの須﨑海羽選手と木原龍一選手は、代表合宿で見た時、昨年のザ・アイスの時に比べて別次元に上手くなっているなと思いました。スケーティングもジャンプもユニゾンも本当に綺麗になっていました。合宿に来ていた佐藤有香コーチに「良くなりましたね!」と言ったら「そうなんです!やっと最近ね!」と言っていました。時間がかかると思いますが、これからが楽しみですので頑張って欲しいと思います。

長光歌子(ながみつ うたこ)
長光歌子(ながみつ うたこ)