平昌オリンピックについて

■平昌オリンピックでのフィギュアスケートチームジャパンについて―

　今回も個性的なメンバーになりましたよね。
　個人戦の前に始まる団体戦では、シングル男女とも皆オリンピック初出場の4名ですが、アイスダンスのクリス（・リード）選手、ペアの木原（龍一）選手がそれぞれオリンピック経験者ですので、初出場の皆を色んな意味で引っ張っていってくれるのではないでしょうか？
いきなり個人戦が始まるより、まずは団体戦で皆で応援し、力を合わせて戦うことでチームの雰囲気もよりよくなるでしょうし、その経験を個人戦にも生かせますよね。
　頑張れ！！チームジャパン！！

■男子シングル日本代表について―

　男子シングルはメダルをすごく期待されていますし、凄まじいプレッシャーの中での戦いになると思います。その中でぶっつけ本番となる羽生結弦選手。彼がどんな演技を見せてくれるか期待する反面、怪我の治り具合はいかがかと不安もありますよね。それは日本だけじゃなく世界中のファンたちが同じことを感じているのではないでしょうか。
　宇野昌磨選手は、いつもの攻めの姿勢を見せて欲しいですよね。宇野選手は上半身の使い方が本当に上手なんです。あれだけのステップを丁寧且つ美しく踏みながら、上半身を上手く使って、さらに高難度のジャンプを跳べる、素晴らしいと思います。不安要素としましては、ジャッジの方があの上半身の素晴らしい動きを見慣れてしまうと点数が停滞してしまう可能性があるということです。反面中国のボーヤン・ジン選手は四大陸選手権で優勝しましたが、彼の場合今まではジャンパーのイメージでしたよね。でも四大陸選手権ではスケーティングやステップばかりでなく、顔つきまでも自在に変えていてとても成長していました。得点競技ですので、そういった目新しさが点数アップに影響する可能性があります。
　それから私は本当に幸せなことに、オリンピックに4回も行かせて頂くこととなりました。大輔のときに3回（トリノ、バンクーバー、ソチ）。そして平昌オリンピックでは（田中）刑事君についていくこととなりました。
　彼は今とても良い状態だと思います。四大陸選手権では、フリー前半でミスがありましたが、後半しっかり持ち直してパーソナルベストも出しました。すごく成長していると思います。刑事君は全日本選手権の前に、これまでにないくらい相当追い込んだ練習をしました。追い込むと疲労でパフォーマンスが落ちますし、当然調子も落ちます。でもその一時的に調子が崩れた後、少し練習量を減らし身体の疲れが取れると、グンとパフォーマンスが伸びるのですよ。実際に刑事君は今回それをしっかり実感してくれたと思います。
　オリンピックでは色々なことを感じると思いますが、とにかく守らずに行って欲しいです。彼は団体戦にも出場する予定ですので、まずは団体戦でオリンピックの空気感を個人戦の前に知ることができる。それは初出場の刑事君や、もちろん宇野君にも有利に働くと思います。是非この4年に一度という大舞台に立てた事に自信を持って、オリンピックの全てを楽しんで欲しいと思います。

■海外勢で注目している男子選手は―

　アメリカ勢は面白いメンバーですよね。ベテランのアダム・リッポン選手、まだまだ若手で伸び盛りのヴィンセント・ゾウ選手。そして今大会大注目のネイサン・チェン選手ですよね。チェン選手はジャンプだけでなく、スケーティングも素晴らしいものを持っていますし、そこに日本勢がどう立ち向かっていくか。見所ですね。
　個人的にはパトリック・チャン選手の演技が楽しみですね。私は彼の世界一と言っても良いような美しいスケーティングが好きですので、オリンピックで再び見ることが出来るのは本当に楽しみです。
　もちろんハビエル・フェルナンデス選手もその技術だけでなく、愛すべきキャラクターと近年強い風格も感じられ、やはり金メダルに最も近い選手であることは間違いありません。
　少し話が変わりますが、男子といえば先日の四大陸選手権で引退となりましたケビン・レイノルズ選手は本当に素晴らしい演技を見せてくれましたね。引退試合でシーズンベストですからこんなにうれしいことはないと思います。
　私も大輔も、彼と彼のコーチのジョアン（・マクラウド）コーチにはバンクーバーオリンピックの折に本当にお世話になったので、心から拍手を送りたい気持ちでいっぱいです。
　ジョアンコーチはとても強い女性で、いつも気丈な態度でいますが、そんな彼女が泣いている姿は初めて見ました。本当に胸を打たれました。

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