<第10回> <第11回> <第12回>


<第10回>
 徹(沢村一樹)と別れた真理子(羽田美智子)と権(木梨憲武)との夫婦仲はいい方向へと傾くが、まだ、ベッドを共にしていない。
珠子(榎本加奈子)は二人の甘い雰囲気にため息をつく。
 学校では、理事長の黒田(石丸謙二郎)が、職員の指導能力を重視する方針を固め、秘書に、熱血教師、鬼頭(吹越満)の対極にいる権を調査するように命じている。
 真理子は、権の髪型をいじったのを手始めに、次第に権をもっと身だしなみを整えるように教育し始める。その権のスタイルの変化は職員や生徒たちの間で評判になる。退院してきた妙子(水川あさみ)は、権に対して権には珠子が似合うと言い、珠子も権に「徹のかわりでは?」と言う。
 だが、権は、決意を固めたかのように、珠子からの申し入れの妙子の快気祝やサーカス見学を断り、真理子の買い物に付き合う。
 一方、真理子に「別れる」と言った徹は真理子のことを忘れかねている。
 真理子の学生時代の友人たちとのパーティーに出席した権は、その中でも人気者になるが、遅れてやってきた徹の真理子に対する酔態を止めようとして殴り合い、救急車が出動する騒ぎになってしまう。
 深夜、真理子は、権に対して聞く。「どうして一緒に寝ないの?」と・・。

<第11回>
 同僚の教師らが英語教師の鬼頭(吹越満)にはポリシーがあると語っているのを聞いた権(木梨憲武)は、「ポリシーか」と考え込む。しかも理事長の黒田(石丸謙二郎)からも「ポリシーがないと聞いた」と言われ、「認めてもらえる立派な教師に」と答える。
 3年G組では、恒例の秋の”天地祭”に向けての話がはずんでいる。授業に現れた権は、思わず「席に着け」と怒鳴る。通りかかった鬼頭が驚いたほど。その鬼頭に「自分のポリシーを貫けば生徒もついてくる」と励まされた権はがぜんやる気を出す。
 一方、外科医の徹(沢村一樹)は、仕事に生彩がない。夜、デンタルクリニックを訪れた徹に対して真理子(羽田美智子)は、権がパーティーで乱暴したことを詫びる。その真理子に向かって徹は、「もう一度やり直したい」と言うが、権に愛情を抱いている真理子にその気はない。
 翌朝、3年G組のホームルームの時間に権は、「この時間に10分くらいのテストをしたい」と言い、テストを始める。全国模擬試験のトップを目指すねらいだった。その結果、3年G組がトップを占める。報告を受けた黒田は新設の教務主任に権を抜擢する。
 教材関係者に料亭へ招待され、チヤホヤされて舞い上がった権は、翌日の職員会議の席上、生徒たちの志望校の見直しを迫り、鬼頭と対立する。鬼頭に同調する生物の竹内(長谷川朝晴)らも、黒田が権に同調するのを知って賛成派に回る。
 権の指導で聡司(井澤健)も志望の芸術大学を諦める。そんな権の豹変した教育方針に珠子(榎本加奈子)は複雑な表情。
 病院では、院長が、医療ミスをおかしてしまった徹に「患者の家族と君をここに置けない」と言う。
 翌日、真理子は、徹がクビになったことを知る。
 権は雑誌の取材なども受けて「大物」になっていくが、学校では生徒たちが楽しみにしている”天地祭”を中止して人気をおとしてしまう。
 そんな権を見かねた珠子は「本当の先生はどこへ行ったの?」と問い質すのだが・・。

<第12回>
 天地高校”天地祭”の中止を打ち出した権(木梨憲武)は、次に3年G組に対して校内での携帯電話の使用を禁止する。
 職員室では、理事長、黒田(石丸謙二郎)の考え方に反対する鬼頭(吹越満)をみんながいさめている。
 理事長室に呼ばれた権は、黒田から再来年度に開校する学校の教頭を兼任するように依頼される。もちろん、権はやる気満々だ。紺野家の夕食の席でも真理子(羽田美智子)が話して両親(すまけい、市毛良枝)も喜ぶ。
 翌日、権の横暴ぶりに怒った3年G組の生徒たちは、ホームルームの時間をボイコット。生徒たちに同情する鬼頭は、3年G組の生徒たちに登校するように説得するが、黒田は鬼頭をやめさせたがっており、権もそれに同調してしまう。
 生徒たちは、翌日から登校し、権に“天地祭”の中止を再考するように頼むが、権は決定事項だとしてうなずかず、鬼頭も学校をやめることとなる。
 その夜、なじみのクラブで泥酔した権は、踊る彫像のところでうとうととしている間に現れた珠子が、「最初に先生とであったのはここ、あの時の先生は好きだった」と言うのを聞く。現実のものか、夢の世界なのかは分からない。
 その珠子の「あのころの先生が好き」という言葉が、権の脳裏で繰り返され、3年G組が、中止になるはずの”天地祭”の準備をこっそり進めているのを見てさえも黙っている。
 連絡してきた徹(沢村一樹)に会った権は、彼が東京を離れることを知らされる。徹は特権意識を持っていた自分を変えてくれたのは権だと言い、お礼を言いながらさわやかに帰っていく。
 翌朝、黒田から3年G組の生徒たちが“天地祭”の準備をしていることを告げられ、「一週間の停学が妥当」と命じられる。それを生徒たちに告げる権の胸は痛む。と同時に、珠子と最初に出会ったころのことを思い出していた。
 アメリカ行きの荷造りを終えた翌日、黒田をたずねた珠子は、天地祭の復活と停学処分の取り消しを求めるが、黒田に言い負かされそうになる。そこに現れた現れた権は・・。


戻る


[第1-3回] [第4-6回] [第7-9回] [第10-12回]