第18回 2004年2月26日(木)放送 あらすじ

#18 師動く

 手術中の患者に庸平(田山涼成)の顔を見た財前(唐沢寿明)は手元を狂わし、大量出血に陥る。さらに手術用具を取り落としたり、血管縫合の糸が切れたりと、散々な手術は6時間を大きく超え、やっとのことで終了した。財前に何かが起きている、と、佃(片岡孝太郎)も金井(奥田達士)も柳原(伊藤英明)も感じた。
 一方、東(石坂浩二)は関口(上川隆也)を自宅に呼び、鑑定医に東都大の正木教授を紹介した。佐枝子(矢田亜希子)は突然の父親の心変わりを不審に思い、理由を尋ねる。「里見君(江口洋介)に会い、財前君の落ち度を確信した」との東の答えに佐枝子は驚く。
 手術を失敗した財前はケイ子(黒木瞳)のもとへ出向き酒を煽る。ケイ子は財前をあしらいながらも、どこかこれまでと違う様子に不安を覚える。
 翌日、関口が正木を訪ねると、正木は快く鑑定を引き受けてくれた。それを国平(及川光博)から聞いた財前は、正木の陰に東があることを見抜いた。国平もそれを認めたうえで、正木に鑑定から手を引かせると言う。と、財前が口を開いた。「どうせなら、東先生にもお引取り願いましょう」。その冷酷な空気は国平にすら寒気を覚えさせるのだった。
 よし江(かたせ梨乃)や庸一(中村俊太)らが関口の事務所で、ほのかに差した光明を喜んでいると、正木からの電話が鳴った。関口が出て、声を上げた。「どういうことでしょうか!? 突然そんな!」……正木が鑑定を断ってきたのだった。
 失意の関口は東の家に報告に行った。東も驚く。怒りに震える東は、振り出しに戻ってしまった関口に対し、今度は看護婦の君子(西田尚美)を紹介した。関口に一縷の望みが現れた。
 そこへ玄関のベルが鳴った。インターフォンに出た政子(高畑淳子)は絶句した。外にいたのは財前であった。財前の相手に佐枝子が出た。東に直接会わせろと言う財前を突っぱねる佐枝子。「では、あなたにお願いしよう」と財前は切り出す。「教え子を足蹴にする真似はやめていただきたい」と言うと、関口も応対に出て「私がお願いした」と受けた。財前はさらに続け「近畿労共病院での立場も危うくなるのではと心配である」と脅迫めいた台詞を残し財前は東宅を辞した。
 数日後、関口は君子を病院に訪ねた。君子は終始うつむいたまま何も答えず…。

キャスト

財前五郎 … 唐沢寿明
(浪速大学第一外科教授)
里見脩二 … 江口洋介
(同第一内科助教授)

花森ケイ子 … 黒木 瞳
(クラブ・アラジンのママ)
東 佐枝子 … 矢田亜希子
(東の娘)
里見三知代 … 水野真紀
(里見の妻)

関口 仁 … 上川隆也
(原告側弁護士)
国平学文 … …及川光博
(財前側弁護士)
佃 友博 … 片岡孝太郎
(第一外科医局長)
鵜飼医学部長 … 伊武雅刀
(第一内科教授)

財前杏子 … 若村麻由美
(財前の妻)
亀山君子 … 西田尚美
(外科病棟ナース)
鵜飼典江 … 野川由美子
(鵜飼の妻)
黒川きぬ … 池内淳子
(財前の母)
佐々木よし江…かたせ梨乃
(裁判の原告)

柳原 弘 … 伊藤英明
(第一外科医局員)
東 貞蔵 … 石坂浩二
(第一外科元教授)
財前又一 … 西田敏行
(財前マタニティクリニック院長、財前の舅)

スタッフ

■原作
  山崎豊子
■脚本
  井上由美子
■企画
  和田 行
■プロデューサー
  高橋萬彦
  川上一夫
■演出
  村上正典
■音楽
  加古 隆
■制作
  フジテレビ
  共同テレビ

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