夏の秘密
愛のために犯す罪
「アトリエK」に出向いた紀保は杏子の助力で、伊織の部屋に忍び込む手筈を整える。危険を冒し、犯罪まがいのことをしようとする紀保を杏子は心配する。紀保は、龍一のためならどんな罪でも背負う覚悟だという。紀保はまた、伊織の部屋の合鍵を作るために利用したセリをアトリエの専属モデルにするように杏子に託す。事情を知らぬ杏子は憮然とするが、しぶしぶ承知する。夕顔荘へ戻った紀保は、伊織の留守を狙い、合鍵を使って伊織の部屋へ忍び込もうとする。そんな紀保を捕まえ、伊織が俺に興味があるから俺のことを聞き回っているのかという。紀保の顎に手をかけ、「何なら相手してやろうか」と。その頃、拘置所では龍一が、紀保の手紙を読み、愕然としていた。杏子から渡されたその手紙には、龍一との別れを悩む紀保の想いが切々と綴られていた…。