数々の有力選手を指導する長光歌子先生が
フィギュアスケート界を楽しく語ります!
歌子の部屋
番外編
髙木菜那選手インタビュー
スピードスケートで2度のオリンピック代表に選ばれ、平昌オリンピックではチームパシュート&マススタートで金メダルを獲得、姉妹でスピードスケートをけん引する髙木姉妹の姉、髙木菜那選手(日本電産サンキョー所属)にインタビューしました。

■競技では鋭い眼光ですね
スピードスケートに関してのインタビュー
■いつも氷上で練習ができるわけでは無いと思いますが、陸上ではどのようにトレーニングしているのでしょうか―
陸の上でできないことは氷上では絶対にできないと思っているので、まずは陸で感覚的な動作を掴んで自分のものにしてから、氷上トレーニングに繋げています。インラインローラースケートやスライドボード、ベルトを使用したコーナー動作の練習など、たくさんのイミテーショントレーニングで氷上のイメージをしっかり持ちながら行っています。
■時速60kmに達することもあるとの事ですが、速さにはどうやって慣れましたか―
女子では60kmは難しいですが自分の出せるスピードにはまだ慣れてないと思います。スピードが出た時のバンク(傾斜角)に耐えるには、コーナーでの1歩目がすごく重要になると思うので、コース取りやコーナー1歩目のトレーニングを繰り返してやっています。
■ここはほかの選手には負けないというストロングポイントを教えてください―
顔が小さい、以上!←これは冗談です(笑)
自分の中では、夏場のトレーニングでの自転車登坂(坂道登り)が強いと思います。
氷上トレーニングでは、他人の後ろに付くことが得意なので、チームパシュートで楽に他人の後ろに付くことができます。あとは気持ちの切り替えが早いこと、素直に何でも受け入れること、やりたいと思ったらすぐに行動に移せることだと思っています!

■自転車はスピードスケートとは切っても切り離せない関係です。
■メンタルトレーニングなどは取り入れていますか―
以前はメンタルトレーニングの指導を受けていました。それが今のメンタルの土台になっていると思います。
現在は指導を受けていませんが、自分なりに一番力が出る気持ちに持っていけるように、セルフコントロールしながら試行錯誤しています。
■海外の大会でのハプニングなどがありましたら教えてください―
最近では大会直前の飛行機がキャンセルになったことが記憶に新しいです。
あと覚えているのは、大会前日の夜中の3時に火災報知機が鳴って、20階の部屋から歩いて避難して、そんな状況で大会に臨んだことですね。
そして、何と言っても初海外遠征でのロシアの空港での出来事です。言葉もまだほとんどわからない時に、出国手続きの所で別室に連れて行かれて「このパスポートの写真はあなたではない」と言われてすごく困りました。しばらくして優しそうなお兄さんが来て「もう行っていいよ」と言ってくれて帰国できました…。あの時は大変でした。
■スピードスケートを新しく始める人にアドバイスなどはありますか―
スケートを通して出会う仲間だったり、いろんなことを学べる環境を大切に感じてほしいです。そして何よりも一番に滑ることを楽しんでほしいです。もちろんスケート以外も楽しんでください。
■2020-21シーズンの目標を教えてください―
今は自分がどこまで速くなれるのかをテーマに取り組んでいるので、1つ1つの大会ではなく、1年1年速くなっていくことを目標にトレーニングを続けていきたいです。
- 長光歌子(ながみつ うたこ)