数々の有力選手を指導する長光歌子先生が
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歌子の部屋

番外編

髙木菜那選手インタビュー

スピードスケートで2度のオリンピック代表に選ばれ、平昌オリンピックではチームパシュート&マススタートで金メダルを獲得、姉妹でスピードスケートをけん引する髙木姉妹の姉、髙木菜那選手(日本電産サンキョー所属)にインタビューしました。
(インタビュー日:2020年5月22日)

2020.5.29

髙木菜那選手 サイン

■髙木菜那選手/直筆応援サイン。次ページ以降もご本人提供の写真を掲載しています。

はじめに

 今まで当たり前にできていたことが当たり前にできないことがたくさんあります。色々な不安、ストレス等が溜まってきていることだと思いますが、今は皆で力を合わせて頑張る時だと私は思います。
 私たちの命を守るために頑張ってくださっている方々へ心から感謝したいと思います。

スピードスケートに関してのインタビュー

■好成績を残された昨シーズンですが、振り返っていかがでしたか―

 チームパシュートのレーシングウェアがISU(国際スケート連盟)ルールで窮屈なものに変わって、タイムが出にくくなったことを考えると、世界距離別選手権でのチームパシュートの世界記録樹立は本当に良かったです。自分が夏からやってきたことが結果に繋がって、ようやく自分で考えていることを形で示せるようになってきました。
 また世界選手権のオールラウンド部門1500mでは、目標としていた8位入賞ができました。個人種目で自分が作った目標に少しずつ近づいているので、さらに頑張りたいです。

■平昌五輪のあと、どのようにモチベーションを維持していましたか―

 今振り返ると正直あまり維持できていなかったと思います。次の目標に向かうまでに時間がかかってしまったと思います。個人種目で結果が残せていなかったので、自分がどこまで速くなれるか追及し挑戦したいと思ってから少しずつモチベーションが戻ってきました。

■普段シーズン中はどのようなスケジュールで生活していますか―

 普段のスケジュールは、起きる、ごはん、練習、ごはん、寝る(昼寝)、練習、ごはん、ストレッチ、寝るって感じです。(笑)
 トレーニング内容は夏には自転車トレーニング、ウェイトトレーニング、ダッシュ、インラインローラースケート、スライドボード等のイミテーショントレーニングを中心に行っています。自転車トレーニングが多いです。

■食事について気をつけていることはありますか―

 バランスよく食べることを意識していますが、個人的に管理栄養士をつけているので、食事の写真を送ってアドバイスを受けています。体重管理はしっかりやってます。

■スピードスケート競技の「ここが難しい」を思いつく限り教えてください―

 スピードスケートのコツは、一言でいえば効率よくスケート靴を滑らせて体を運べるようにする事なのですが、その為に必要なことが沢山あって、特に難しいと感じる技術はコーナーテクニック、低い姿勢で滑ること、なめらかに滑らせること等です。そして本当に難しいのは、競技会でそれらを出来るようにすることですね。

■スケートのブレードは皆さんいつも自分で研いでいるんですか―、また研ぐ事でどのような違いが出ますか―

 はい、自分で研ぎます。長い時には2時間もかけて研いでいます。研ぐことでブレードは、氷に力を加える時にしっかりと噛む(食い込む)ようになります。研いだ後ブレードにはバリと呼ばれる余分な部分ができるのですが、選手によっては縦にバリが少し残った方がより噛むと言っています。今、私はしっかりバリを落として滑っていますが、研いだ後に縦のバリが残った状態のブレードも今後は試していきたいと思っています。

長光歌子(ながみつ うたこ)
長光歌子(ながみつ うたこ)