数々の有力選手を指導する長光歌子先生が
フィギュアスケート界を楽しく語ります!

歌子の部屋

vol.45

歌子先生に2019-20シーズンを振り返っていただきました。

髙橋大輔選手のアイスダンス転向や世界選手権の今シーズンの開催中止など様々な事があった2019-20シーズンを歌子先生に振り返っていただきました。

日本男子も次の世代が見えてきたシーズンでした。これからの選手たちに求められるものがいっぱいある中で、大事なことはなんだと思いますか―

 ジュニアの鍵山優真選手、佐藤駿選手2人とも大きく成長したシーズンでしたね。ジュニアの選手らしい溌剌とした演技は、高い4回転ジャンプとともに非常に魅力がありました。
 世界ジュニア選手権では両選手とも上位に入り、来年のジュニア男子の枠を広げてくれ、ジュニアの男子選手たちは大いにモチベーションを高めている事でしょう。
 私は男子選手が最も輝くのは、技術力と表現が上手く噛み合う25歳くらいからだと思っています。ジュニアの選手たちはまだまだ道半ば。これから長く続くだろう競技生活を送る間、ずっと自分を向上させ戦い続けるモチベーションを保ち続けなくてはなりません。
 そのための練習方法や身体や心の鍛え方、オン・オフの作り方も学んでいってほしいです。

2019-20シーズンの感想を聞かせてください―

 世界的に女子は上位に入るにはトリプルアクセルや4回転ジャンプが必要であると決定付けた年になりましたね。
 これによりジャンプの回転を習得する年齢がますます下がり、怪我やモチベーションの維持の難しさで、早くに辞めていく女子選手が増えてしまうのではないかと危惧しています。
 男子はますますスポーツとしての魅力である4回転ジャンプと、曲との調和や表現力を併せ持ち、質の高いスケーティングをも重ねて持つ選手が沢山出てきて、私たちを楽しませてくれるのではないかと期待しています。

ありがとうございました。

長光歌子(ながみつ うたこ)
長光歌子(ながみつ うたこ)