数々の有力選手を指導する長光歌子さんが
フィギュアスケート界を楽しく語ります!

歌子の部屋

vol.44

対談企画 ゲスト:薄田隆哉さん

かつては自身がアイスショーで活躍をされ、今は数々のアイスショーの構成、演出を手掛ける演出家薄田隆哉さんにアイスショーについてお話を聞いてきました。

お客さんの反応が昔と変わったと感じることはありますか

長光歌子先生

日本のお客さんは、楽しんでくれているけれど真面目で、昔は観る側の表現といえば拍手だけでしたよね。最近はスタンディングオベーションとか少しずつ楽しみ方、表現の仕方が増えているなと感じています。

お客さん自体、盛り上げ方が上手になっていますよね。

今は会場全体で盛り上がっている。素晴らしい表現をされる選手が増えてきたからというのもありますよね。
特に男性はスポーツ感覚が主で、表現することが恥ずかしいという時代もありましたが、今は表情も表現も豊かになりましたね。今までの選手が積み重ねて築いてきてくれたからこそ今があるなと感じています。

アイスショーをより楽しむためのコツは

僕もどちらかというと苦手なのですが、もっと嬉しいときには大きく笑って、感動した時には大きく泣いて、非現実の時間なので自分の感情を恥ずかしがらずに豊かに出して楽しんでいただきたいと思います。子供みたいに泣いてもいいですし、もっと感じたままにショーを楽しんでほしいと思います。

試合など見ていても今や海外の選手に向けても日本人が惜しみない拍手を送っていて素敵だなと感じています。

アイスショーの魅力は

ショーを見に来た方が会場にいる時間は非現実の世界を味わえることが一番の魅力でしょうか。会場に一歩足を踏み入れた時に過去にも未来にもタイムスリップできたり、ヨーロッパの世界にいるような感覚を味わえたりもできる。そんな非現実的な世界が魅力でしょうかね。

ショーを観ているときって今自分がどこにいるのかわからなくなる瞬間ってありますからね。芸術的な世界に入り込むことができます。私も舞台やミュージカルが好きで、役者さんや素敵な演出に感動しますが、アイスショーのようにスピードと高さを使えるショーは他にはないのでもっと膨らんでいって欲しいと思います。

そうですね。伸びしろはまだまだあると思うので、私もこれからもっと色々なコラボや演出を考えていきたいと思います。

私も初めて見たアイスショーがきっかけでスケートにはまったものです。

これからのフィギュアスケートはどうなっていくと思いますか

いろいろなジャンルの世界との文化交流も増えていますね。

様々なものとコラボしていますね。

異文化交流でお互いがリスペクトし合う良い関係性が築けている。一緒にリハーサルやハードな練習を重ねるたびに戦友のような素敵な関係が生まれているなと見ていて感じます。それをきっかけに新しい音楽や新しい文化が生まれていくのを見ていきたいですね。

薄田さんの今後の夢は

昔から器械体操をやっていたこともあり、空中空間を利用したアクロバティックなものやシルクドゥソレイユのようなトータル的なショーを常設でやりたいという夢があります。

今そういう波が来ていますよね。

願わくはスタッフもスケートを好きな人、スケートで頑張ってきた人のセカンドキャリアとして関わっていけるような場を作りたいという夢もあります。

ありがとうございました。

長光歌子先生
長光歌子(ながみつ うたこ)
長光歌子(ながみつ うたこ)