数々の有力選手を指導する長光歌子先生が
フィギュアスケート界を楽しく語ります!

歌子の部屋

番外編

祐輔の部屋 2019飯塚フィギュア合宿編

歌子先生の教え子でひょうご西宮アイスアリーナでコーチを務める林祐輔先生に、8月下旬に行われた2019飯塚フィギュア合宿について伺ってきました。

林先生

注目している選手ついて―

 1人ジュニアの男の子が気になっています。鍵山優真選手ですね。ジャンパーでもありますが、自分がジャンパーだと思っていないような、スケートセンスなど違う分野が長けていて上手さを感じます。お父さん譲りの努力家なんでしょうね。これからジャンプの種類が増えていくと思いますが、そこに拘ってるわけではなさそうですし、今の表現力や技術をもってジャンプもついてきたら最強だなと思います。でも他のジュニアの子たちも今はメキメキと育ってきているので、このまま皆がせめぎあって伸びていくと男子のこれからも凄いですよね。

女子のトリプルアクセル、4回転ジャンプについて―

 トリプルアクセルまでは浅田真央さん、ひいては伊藤みどりさんの時代から日本の方が早かったし、4回転も安藤美姫さんなど成功されている方や何人か取り組んでいる人もいましたが、今はとにかくロシアですよね。ロシアのジュニアの子の育成がどんどんと進化して、そこに煽られてきて、そこに勝つにはみんなやるしかないという感じですよね。正直今の状況は凄いとは思います。ただ、ジュニアのクラスの子たち、小さな子たちのジャンプがすごいのですが、これからの体型や身長の変化など、女の子に関しては2シーズン後に今のままの技術が残っているかわからないのではなかと感じます。ちょうどオリンピックを目標に2シーズン後に技術が成熟するように、今練習している子たちは良いかもしれませんが、今4回転を跳べている子たちはどうなっていくのでしょうか。でも今4回転を跳べる子たちがシニアとして今シーズンは出てくると思いますが、その子たちがこのままジャンプの技術だけを求めて、2シーズン後くらいにどんな変化を起こしているのかも見てみたいとも思います。ジャンプは能力があれば跳べてしまうのですが、スケートの良さというのは若いうちからはそう簡単には出てきません。正直僕は4回転はなくても…とも思っています。スケートはやはりシニアのスケートで、確かにそこにトリプルアクセルや4回転があるとよいですが、ないからと言ってどうでしょうか…。ただ、今の感じからいうと正直トリプルアクセルは標準になっていくのではないかと思います。男子が4回転時代に入った時と同じように、ジュニアの子たちも当たり前のようにトリプルアクセルを目の当たりにしているので、当たり前という風に意識は変わっていくかもしれませんね。

林先生

男子の高難度ジャンプについて―

 4回転半を求めている選手もいるし、僕には限界も分からないです。5回転…夢の世界じゃないのかな、現実に生まれてくるんでしょうか。現実に4回転は全種類を跳べていますし、今いかに確率よく跳ぶかですよね。ジャンプ合戦も競技としては面白いと思いますが、僕はやっぱりスケートがしっかりしている選手に目を引かれます。でもそんなに簡単にはもう4回転半とかには進まないんじゃないですか?跳べる人が出てきたらどうしましょう(笑)驚きますね。

今シーズンの流れについて―

 全日本ノービスと西日本の間にGPスケートカナダがあり、西日本の翌週がGP中国杯で挟まれているんですよね…でも被ってはいないので、2シーズン行けていなかった西日本に今年は帯同できそうです。みんな各全日本まで行きたいですね、全日本ノービスは佐藤光君が決まってますし、ジュニアも…みんな頑張ればいけますよね!多分。近畿も西日本も大津ですが滑ったことのある慣れているリンクなので、その点は安心しています。

ユースオリンピックについて―

 4人くらいしか選ばれないので、本当に狭き門です。交流会や座学も用意されているようで、オリンピックの雰囲気を経験できますし、スケートだけではない総合競技大会なので、日本選手団として競技を超えて横とつながる機会でもあります。岩野選手や三宅選手など目指せる選手はぜひ選ばれて欲しいですね。

ありがとうございました。

林先生
長光歌子(ながみつ うたこ)
長光歌子(ながみつ うたこ)