数々の有力選手を指導する長光歌子先生が
フィギュアスケート界を楽しく語ります!
歌子の部屋
vol.37
世界フィギュアスケート選手権2019
歌子先生に5年ぶりに日本で開催された世界フィギュアスケート選手権2019について伺ってきました。
2019.4.16

大会について―
■5年ぶり日本開催の世界フィギュアを見て―
5年前は現地ではなくテレビ観戦でした。
今回、各カテゴリー毎に、沢山のお客さんで埋まった会場を見て胸が熱くなりました。会場に関してはブルーを基調にした、いつも通りの世界選手権の会場とは一味違うゴージャスな色使いが新鮮でした。
日本人選手について―
■男子シングルについて―
羽生結弦選手はフリーではほぼノーミス、やはり強いですね。実力をしっかり出し切ったのではないでしょうか。
対照的に宇野昌磨選手は、うまく歯車がかみ合わなかったように感じます。表彰台を逃しましたが、まだまだこれから沢山の時間があります。がっかりしないで一番高い所を目指して更に奮起してもらいたいです。
■田中刑事選手について―
ショートプログラムの4回転サルコウの失敗が痛かったですね。練習では今季一番身体のキレも良く、ジャンプの軸のぶれも少なかったので、「やってくれるのでは?」と思っていたのですが。でも日本開催の圧倒的な日の丸の下での大きなプレッシャーの中で演技できたのは、最高の経験です。フリーでは順位を上げ来シーズンへの期待が膨らみました。
■女子シングルについて―
こちらも凄まじい戦いでした。その中で日本の3選手共、素晴らしい戦いを見せてくれました。特に宮原知子選手以外の2名、坂本花織選手、紀平梨花選手は世界選手権初出場、しかも自国開催の圧倒されるような数の日の丸の旗の下で戦い抜き、それぞれ素晴らしい演技でした。こんなに緊張感のある試合には、なかなか出会えないでしょう。凄い経験をしましたね!本当にお疲れ様でした。
■全体として―
4カテゴリーを通して表彰台に乗れたのは羽生選手のみでしたが、男女シングルは両方とも来年の世界選手権の3人枠を確保してくれました。これは日本のすべての選手たちの来期の大きな目標になり、発奮材料になるでしょう。
出場した選手の皆さん、本当にお疲れ様、そして日本の全ての選手やファンの皆さんに夢や希望を与えてくださり、有難うございました。
- 長光歌子(ながみつ うたこ)