数々の有力選手を指導する長光歌子先生が
フィギュアスケート界を楽しく語ります!

歌子の部屋

vol.23

対談企画 ゲスト:佐藤操先生

田中刑事選手の「千と千尋の神隠し」など個性的な振付けに定評がある振付師、佐藤操先生にお話を伺いました。

ジャンプの影響について

長光歌子先生

今のフィギュアスケートはジャンプのレベルがあがってきてますが、振付けにも影響はありますか?

そうですね。振付けには大きく影響が出ます。これは振付師の方のほぼ全員が言っていると思います。今は上位に行くためには難易度の高いジャンプを跳ばざるを得ないので、ジャンプを重要視して振付けを変えたり、教えている先生が振付けを変えることもありますね。

ジャンプの前後の振付けを大きく変更する選手もいますよね。

はい。それでも逆に「私が渡したプログラムをやり抜かないと!」って思ってくれる選手やコーチもいるんです。それは振付師としては大変嬉しいことですが、本番でミスしたときなどは、やりにくかった場所があったんじゃないかなとか、責任を感じてしまうこともあります。そういったこともあるので私は、選手やコーチの方に振付けした後も話をよく聞くようにしていますね。

振付師の方は大きく分けて2つのタイプの振付師さんがいると思います。(髙橋)大輔の時、ニコライ(・モロゾフ)はジャンプを跳びやすいように、最初の振付けからどんどん直していきました。常に大輔にジャンプへのアプローチがカンファタブルかと聞いて、少しでも大輔が首をかしげると、どんどん変えて行きました。逆にローリー(・ニコル)は絶対に振付けを変えて欲しくないタイプでしたね。ローリーにビートルズメドレーを振付けて頂いた後、ニコライとの練習でニコライがジャンプの前の振付けを変えないよう、彼にしっかりお願いしましたよ。

難しいところですよね。確かに採点競技ですので、得点を採るために必要な演技はありますが、「この選手だったらこれが似合う!」と思って作った部分を直されてしまうと、プログラムの味がどんどん薄くなってしまったりすることもあります。

フィギュアスケートは、まだこれからも進化していくと思います。振付師もまた変わっていくと思いますか?

そうですね。まだまだ未知な部分があると思いますが、日々頑張っていきたいと思います。

本日はありがとうございました。

ありがとうございました。

長光歌子先生
長光歌子(ながみつ うたこ)
長光歌子(ながみつ うたこ)