数々の有力選手を指導する長光歌子先生が
フィギュアスケート界を楽しく語ります!

歌子の部屋

vol.16

対談企画 ゲスト:林祐輔先生

現在コーチとして田中刑事選手などの指導を行い、歌子先生とは関大で一緒に指導に当たっている林祐輔先生にお話を伺いました。

フィギュアスケート界の現状について

林祐輔先生

最近、フィギュアスケートは難易度の高いジャンプに挑むことで、ケガで苦しむ選手も多くなってきていますよね?

全日本選手権も、村上大介選手や山本草太選手がケガで出場出来ませんでした。選手たちにとってケガはどうしてもつきものですが、できるだけケガなく続けていってほしいですね。

本当にそうですね。ジャンプが重要視さ れる中で、ケガには気を付けてほしいですよね。女子の選手たちは、全日本選手権で3回転を何回も跳んでいましたし、ショートプログラムでは、49点以上を取らないとフリーに進めない時代になりましたね。

最近3~4年で一気に点数が上がったと思います。ルールもスペシャリストもジャッジもその都度変わりますから点数だけで全て判断できませんが、昔はショートプログラムで47点台でもフリーに進めて第3グループで滑っていました。

その中で、宮原知子選手が全日本選手権3連覇。彼女は素晴らしいですね。

失敗する感じが全くないですよね。

それを追うのが全日本選手権2位の樋口新葉選手。彼女は、以前パワフルスケーターという印象でしたが、最近は滑りや音楽表現に深みが出て来ましたね。

4月に(田中)刑事の振付のためにデトロイトに行った時、彼女も一緒にいたんですけど、その時「何か変わったな」というのは印象を持ちました。

またこれからが楽しみですね。

今シーズンこれからの戦いについて

今シーズンはこれから、世界大会が続きます。まずは札幌冬季アジア大会についてですが、アジアのチャンピオンを決める大会なのでみんな頑張って欲しいですね。

冬季アジア大会は、4年に1回の大会ですし今回は特に日本で行われますから、誇りを持って戦ってほしいです。

四大陸選手権は、平昌オリンピックのプレ大会になるので、まずは会場の確認という感じになりますね。

会場の雰囲気をしっかりと味わって、イメージをつかんでほしいと思います。

選手たちにとっては、オリンピックがとても身近なものに感じると思いますね。選手たちは大きな試合が続き、移動もたくさんあって大変だと思いますが、上手くピークを合わせていってほしいですね。

(田中)刑事の場合、まずは四大陸選手権にピークを持っていかせたいと思っています。

今回田中選手は初めて世界選手権出場を決めましたが、今後平昌オリンピックに向けてどのように指導していきたいですか?

世界選手権は初めての挑戦になるので今シーズン取り組んできたことを頑張って、まずはその空気感を味わってほしいと思っています。それから周りを見て、彼自身に足りないものが見えてくると思うので、指導方針を考えていきたいと思っています。

今回の全日本選手権について、本人は満足していないようですが、いろいろな意味でとても大きかったのではないでしょうか?

そうですよね。彼はいつも落ち着いている方ですけど、今回の全日本選手権で不思議な緊張感を味わえたと思います。だから、四大陸選手権と世界選手権の方が、プレッシャーなどは苦しくないかもしれないです。全日本選手権は本当にいい経験になったと思います。先ほども言いましたが、刑事には四大陸選手権と世界選手権は挑戦者として挑んでほしいですね。

本日はありがとうございました。

長光歌子先生
長光歌子(ながみつ うたこ)
長光歌子(ながみつ うたこ)