数々の有力選手を指導する長光歌子先生が
フィギュアスケート界を楽しく語ります!
歌子の部屋
vol.15
全日本ジュニア選手権・全日本選手権について
歌子先生に全日本ジュニア選手権と全日本選手権について伺ってきました。
■全日本ジュニア選手権、男子シングルはいかがでしたか―

友野一希選手は念願の優勝ですね。フリーではトリプルアクセルを2本決めましたし、昨シーズンよりもスケーティングがすごくうまくなった印象があります。昨シーズンの世界ジュニア選手権では山本草太選手の代役で出場して、エキシビションにも選ばれてすごく自信になったんじゃないかと思います。
2位の島田高志郎選手ですが、昨シーズンから精神的にすごく成長したという印象があります。今回は、トリプルアクセルや4回転などのジャンプはなかったですが丁寧に演技をやっていた印象がありますし、人柄が見える感じがしました。
3位の須本光希選手ですが、彼はミスをしない選手ですね。あとは、3回転からのコンビネーションジャンプをくっつけるのが上手だなと思って観ていました。先日のJr.GPドイツ大会でも3位に入りましたし。今後難易度の高いジャンプの習得はもちろんですが、何か個性を感じるものを身につけていけば、さらに光ってくれると思います。
■三宅星南選手ですが、歌子先生の所で教えることになったのですか―
そうですね。長沢琴枝先生とは何回も時間をかけて話をしました。長沢先生は長い間岡山に単身赴任されていたんですけれど、来年の3月に実家のある滋賀に戻られることになったんです。お母様をお呼びして一緒に暮らすことになり、だから拠点も滋賀に移すそうです。今ご指導されている島田高志郎選手は滋賀についていくそうなんですが、三宅選手の場合は岡山に残らなければいけない事情もあり、彼が常々(髙橋)大輔が憧れの選手だと言ってくれていましたので、長沢先生からの依頼をお引き受けする決断をしました。
三宅選手のような将来性のある大型の選手を急に預かることになって、私も本田武史先生も、今年一番の衝撃でした!
■三宅選手は初の全日本選手権の切符を手にしましたね―
全日本選手権に出場できることは本当に良かったです。三宅選手は、すごいポテンシャルの持ち主だと思います。スケーティングの腰やひざの粘りは、教えられるものではないんですけど、素晴らしいものを持っています。本人の能力ももちろんですが、長沢先生の適切なコーチングに感服しています。
- 長光歌子(ながみつ うたこ)