海上ﾊﾞｽの待合所を少し先へ進むと、ﾏﾘﾝﾊｳｽ『ｴﾌｶｲﾋﾞｰﾁ』がある。
“砂浜のｵｱｼｽ”といった風情の店で、ﾃﾗｽ席にも複数の家族やｶｯﾌﾟﾙが会話を楽しんでいる。
さっきからゆっくり話す時間もなかったので、思い切ってA子に言う。
｢ここで少し休憩していこうか?｣
ﾅﾝﾄﾞｯｸﾞやｼﾞｬﾝﾊﾞﾗﾔといった軽食やﾄﾞﾘﾝｸ類など、なかなかの充実した品揃えの中にｿﾌﾄｸﾘｰﾑを発見。
このｿﾌﾄｸﾘｰﾑのﾌﾚｰﾊﾞｰは季節ごとに変わる。この日、僕達が出会ったのはﾁｮｺﾚｰﾄ味だ。
暑い中、何も口にしていなかった僕らには最高のﾃﾞｻﾞｰﾄ。
季節はもう秋めいているとはいえ、海辺の日差しはまだまだ強い。眺めの良いﾃﾗｽで海風に吹かれ、二人きりで食べるｱｲｽの味は格別だった。
ふと気づくと、お店の横に何やら見覚えのあるものが。海辺には不似合いな“真実の口”!
…その実体は占いｹﾞｰﾑ機だった。
映画『ﾛｰﾏの休日』で見た記憶が甦る。
ここは一つ、ｸﾞﾚｺﾞﾘｰ･ﾍﾟｯｸを気取ってﾚｯﾂﾄﾗｲ!
さっそうと左手を差し込む僕に、真実の口はなにやらわけのわからない台詞をしゃべり始めた。静かな海にそれが響き渡る。
周りの目も気になり少し恥ずかしくなってきた僕の手に、占い結果が吐き出されてきた。
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結果
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ｱﾅﾀﾊﾄｷﾄｼﾃﾎﾝﾉｳﾉﾏﾏﾆﾐｦﾏｶｾｺｳｹﾞｷﾃｷﾆﾅﾙｹｲｺｳﾉｱﾙﾋﾄﾃﾞｽ。
ｱﾅﾀﾉﾅｲﾒﾝﾆﾋｿﾑﾌｼｷﾞﾅﾁｶﾗﾆﾖｯﾃ、ｱﾅﾀｼﾞｼﾝﾉｾｲｼﾞﾂｻｦｳｼﾅｳﾎｳｺｳﾆﾑｶﾜﾚﾃｲﾙﾖｳﾃﾞｽ。
ｱﾅﾀﾊｲﾏﾏﾃﾞｱﾅﾀﾉｻｹﾗﾚﾅｲﾂﾖｲｳﾝﾒｲﾆﾖｯﾃﾚﾝｱｲﾔｱﾅﾀｼﾞｼﾝﾉｼﾞﾝｾｲﾆﾀｲｼﾃｼﾂﾎﾞｳｦｶﾝｼﾞﾃｷﾏｼﾀ。
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ｾｲｶﾂ6
ｱｲｼﾞｮｳ6
ｷﾞｬﾝﾌﾞﾙ8
ｹﾝｺｳ4
ｼｺﾞﾄ5
僕はその紙を唖然として眺めた。
｢…｣
およそﾃﾞｰﾄで盛り上がるﾈﾀにはならない最悪な結果だ。
映画の通りだったら、ここでｵｰﾄﾞﾘｰとの距離をぐっと縮められるはずだったんだけど…。
二人の中に涼しい風が入り込んでくる前に席を立つ事にした。
◎ｿﾌﾄｸﾘｰﾑ
◎真実の口
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