☆第一章:お台場海浜公園
[海の香りと彼女のスニーカー]
休日になると人で賑やかに溢れかえる東京湾を望める唯一無二の浜辺。何隻もの大型客船や、海上バスがレインボーブリッジの下をくぐり優雅に横切る。都会のものとは違う太陽の日差しと海の匂い。今回はここお台場の3つ公園を舞台に一つの素敵な物語をお送りします。
台場駅でA子と待ち合わせた僕は、まずはお約束の自由の女神へ。
「この“自由の女神”って、平成10年の4月から1年間ほど『日本におけるフランス年』を記念して、フランスから運ばれてきたものだって。“自由の女神”を背景にした東京湾景が最高なのさ」
なんて覚え立てのウンチクをトークに絡ませつつ、アクアシティへ足を向けた途端にA子がつぶやいた。
「もっと近くで海が見たいな」
!!!
せっかくのプランが水の泡〜!
ウインドーショッピングをして、食事をしてから海辺で…って、この1週間プランを練っていたのに〜。
まあ、ゆっくり歩きながら語り合うにはいい季節だし。A子と一緒ならどこまででも歩いて行けそうだ。
いつもはパンプスの彼女が、今日に限ってスニーカーを履いてきたのは、最初からこのつもりだったのかも…。
仕方なくお台場の海へと向かう事になった。
実際に降り立ってみたそのビーチは、想像していたよりずっと広く感じる砂浜だ。
僕たちの頬をなでていく風には、確かに海の香りがする。
華麗にウインドサーフィンを楽しんでいる人の姿もある。波が穏やかで交通の便もいいとあって、週末にはサーファーでにぎわうらしい。
僕が抱いていたお台場のイメージとは明らかに違う風景がそこにはあり、平日にもかかわらずカップルが意外と多いのもうなずける。
こんな気持ちのいいお台場を今まで知らなかったなんて!
A子の気紛れのおかげで、これはまったくの新しい発見だ。
◎自由の女神
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