12月19日 港区立芝浦小学校で出前授業『あなせん』を実施
[2018年1月30日更新分]
フジテレビ 笠井信輔アナウンサーのリポート
12月19日 港区の芝浦小学校で久しぶりの『あなせん』授業を行いました。在校生が1,000人を超すマンモス校で、今回は国語の「音読」の授業。懐かしいですね。
小学生のお子さんをお持ちの方は、現在進行形の宿題ですね。
授業を受けるのは、元気な小学3年生全員、
総勢191人!!(ワオ)
フジテレビから見えるいくつものタワーマンション。
ここにたくさんの小学生が住んでいて、在校生は増加中なんだそうです。
5時間目と6時間目の2コマをいただいて、体育館で、さぁ授業スタートです。
まずは、スライドを使った自己紹介。学校の近くに住んでいる子が多いらしく、学校前に少し見るんでしょう。
かなりの子が『とくダネ!』を知ってました。
テーマソングをかけると、さすがに湧きましたね。
毎日2時半に起きて(この日も!)番組に出ている話をすると、目を丸くして聞いていました。
「アナウンサーの仕事、知ってる人?」
次々に手があがります。
「ニュース」、「天気予報」、「クイズの司会」…
しかし、まだ、重要な仕事が出てこない。
実況を披露する近藤雄介アナウンサー そこで、アナウンサーOBの大先輩、近藤雄介さん登場!
いきなり、プロ野球の架空実況をその場で始めました。
「ピッチャー第1球なげました!・・・・・」
子どもたちは大喜びで聞いていました。
スポーツ実況も重要な仕事なんです。
さあ、音読授業の始まりです。
まずは全員に立ってもらって、実際に大声をだしてもらいます。
子どもは、みんな怒鳴るんですよ(笑)。
そこで、音読の際の姿勢や、声の大きさを教えました。
ここで、テキストを使って発声練習。
プロのやり方と同じ練習をします。
クラスごとに練習をしてもらって、テキストに載っている早口言葉風の発声練習をやってもらうと、子どもたちは、大喜びで挑戦していました。
音読で大切な基本的なことを教えて、ここで休み時間。
さあ、6時間目になりました。
ニュース原稿を使って、音読の練習です。
「パンダのシャンシャンのニュース」が読めるとあって、みんな声を出して一生懸命に各自練習。
100人以上が一斉に各々のペースでニュース読みをやるので、にぎやかにぎやか。
そこで、「前でやりたい人!」と聞くと、手があがりました。
「うまい!」
ひとりやると、もう大変「はいはいはい!」
選ばれなかった子は本当に悲しそうな顔するんです。ごめんね。
ただ、お友だちが前に立つと、それまでザワついていた子どもたちはシーンとなって、
パンダのニュース読みを聞き入っていました。このメリハリ。
普段から、先生方の指導が行き届いてる学年なんだなとの印象をもちました。
クラスから2人くらい、10人ほどに読んでもらいました。
さて、ここからがさらなる本番。
1学期に国語の授業で習った「もうすぐ雨に」をみんなの前で読んでもらいます。
最初の1ページはいろんなテクニックが必要なので、この1ページを5人で読みわけてもらうことにしました。
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練習に使った「もうすぐ雨に」 | スタッフ4人と先生1人でお手本を見せました! |
1人3行ほどですが、たくさんのお子さんたちにみんなの前で読むということを体験してもらいたいので、スタッフと考えたやり方です。
「やりたい人!」
もう何回か手をあげることをしているので、積極的な子から手をあげていきます。
しかし、このあたりまで来ると、おとなしい子も手をあげるんです。
そうしたらしめたもの、そんな子も私が指名して、前に出てもらいます。
そうすると、元気な子が
「え~!やりたかったのに~」
「ごめんね。みんなにやってもらいたいからね。」
たった3行をリレー方式で読んでもらいますが、みんな緊張して一生懸命。
私は「国語の授業でやるような、“教科書読み”はやらないでね」と悪い見本をみんなに見せます。
「お芝居をしてる感じ、自分が声優になった気持ちでやってみて」
そう言ってはじめると、その言葉に響いて、ものすごくうまく読める子が出てくるんです。
こうなると、指導しやすくなります。
「うまい!!みんなもこんな風に読めるといいね」
わずか3行で何がわかるの?と思うかもしれませんが、私たちはこれでもプロなので、3行読んでもらえれば、おおかたその子の読みの長所・短所をつかむことができます。
そこをほめたり、基本的な部分ができていない子は、そこを励ましたり。
たくさんのお子さんをみなければならないので、アドバイスは短い時間ですが、
みんな、しっかりと、受けとめてくれているようでした。
特に、引っ込み思案なお子さんは、はげますようにしています。
手をあげただけでも、素晴らしいことですから・・・
こうして90分の授業はおわりました。
ほんとに芝浦小3年生は良い子ばかりでした。
学校を出る際、我々の帰りと、子どもたちの帰りが一緒になりました。どちらに行くか迷っていると、みんなが「送って行ってあげるよ」とタクシー乗り場まで、私を見送ってくれました。
歩きながら、
「『とくダネ!』いつもお母さんがみてるよ!」
「僕は学校行く前に見てる!」
「俺はあのマンションの15階に住んでるんだ」
そんな会話をしながら歩いたのも楽しい思い出です。
みんな授業にどんな感想をもったでしょうか?
小学3年生のみんなが、今回の『あなせん』で、少しでも朗読が好きになってくれたらうれしいですね。
文:笠井信輔(フジテレビ アナウンサー)