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2015年度 社会のためにトピックス

6月19日 茨城県古河市立古河第一小学校で出前授業『あなせん』を実施

[2015年7月22日更新分]

【2015年6月19日】【今回の先生:松尾紀子アナウンサー】【茨城県古河市立古河第一小学校】【5年生2クラス スピーチ講座】

あなせん日記

フジテレビ 松尾紀子アナウンサーのリポート

私にとって最後の『あなせん』


シトシトと梅雨の雨が降る中、東京から湘南新宿ライン宇都宮線にゆられて1時間余り、茨城県古河市立古河第一小学校に『あなせん』の授業に出かけました。江戸時代には城下町として栄えた古河市は、今でも小学校の隣に歴史博物館があるなど落ち着いた雰囲気に包まれています。新しく立て替えられた古河第一小学校の校舎も、街の景観に溶け込むように歴史を感じさせるデザインになっています。


今回の『あなせん』の授業は、5年生54人の子どもたちへの「スピーチ講座」。32年間勤めたフジテレビを間もなく退社する私にとっては、文字通り最後の『あなせん』になります。


軽く緊張しながら子どもたちの待つ特別教室に入ると、私と同じようにちょっと緊張した面持ちの子どもたちが、好奇心一杯の目を私に向けています。そのかわいらしさに思わず笑顔になりながら、「みなさん、こんにちは!」と私があいさつすると、「こんにちは!」と元気な声が返ってきて、その瞬間に私の『あなせん』スイッチがオン!
約90分間のスピーチ講座がスタートしました。

今日のスピーチのテーマは「私の得意な事、好きな事」。
授業の流れは次の通り。
「アナウンサーのお仕事とは」
「基礎発声と滑舌練習」
「スピーチ作りのインタビュー実践」
「スピーチ原稿の作成」
「発表」


私が進行役、そしてフジテレビCSR推進室のメンバーが、パワーポイントやホワイトボードを操作したり、子どもたちの脇についてサポートしながらチームで進めていきました。『あなせん』の授業で大切にしていることは、子どもたちが楽しく学べること。「アナウンサーの仕事について」はクイズ形式で、また「基礎発声」では独自に作ったテキストや早口言葉を取り入れて子どもたちの興味を刺激するように工夫しました。その結果、最初は固かった子どもたちも、授業の中ごろから次々に手を挙げて発言するようになり、教室全体の熱が増したように感じられました。


いよいよ発表の時間。予想を越える数の子どもたちの手が挙がりました。どの子どもも前に出てくるときの歩みは、ドキドキしながらもやる気にあふれています。そして、習いたてのスピーチのポイントを確認しながら、一人一人が自分らしい「私の得意な事、好きな事」を語ってくれました。さらに、5年生の女の子による心のこもった私への「お礼のスピーチ」で、私にとっての最後の『あなせん』の授業は幕をおろしました。

当日きていた「新・週刊フジテレビ批評」の
取材スタッフも子どもに大人気
先生方によると、普段は控えめで、授業中手を挙げる事が少ない子どもも、この日は積極的に発表してくれたとのこと。これこそが『あなせん』が目指していることでもあり、『あなせん』冥利に尽きる瞬間でもあります。


『あなせん』初回授業 2005年 東京都港区
今から10年前の2005年、私を中心にフジテレビアナウンサーが言葉の出前授業『あなせん』を立ち上げたのは、子どもたちに、自分の思いを言葉にして相手に伝える「勇気」を持ってもらいたいという願いがあったからです。喋りのちょっとしたコツを知る事で、子どもたちが自分の気持ちを言葉で表現しようという意欲が湧くのなら、私たちアナウンサーの喋りの技術を伝えたい、そんな思いでこの10年、地道に『あなせん』の授業をやってきました。


その間、携帯電話やパソコンが更に広まり、子どもたちのコミュニケーションは、変化し続けています。自分が今どこで何をやっているのか、何を食べているのかなどを短い言葉で友達に伝えるという形のコミュニケーションは非常に得意な子どもたちです。でも、心の奥に抱えている喜びや苦しみなどを、言葉で相手に伝え理解し合うという体験はどれだけ出来ているのでしょうか?人は、お互いが分かり合うことで幸せを感じるものならば、今の子どもたちはどれだけ幸せを感じているのでしょうか?
この先、社会がどのように変化していっても、『あなせん』は、心を通わせる本質的なコミュニケーションの力を子どもたちに伝え続ける存在でありたいと心から願っています。

文:松尾紀子(フジテレビ アナウンサー)

『あなせん』プロジェクトは第5回経済産業省キャリア教育アワード・奨励賞に選ばれました!

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