活動レポート

活動レポート

世界最貧国マダガスカルの今〜気候変動に翻弄される子どもたち〜(前編)

2025.10.15

アフリカ大陸の南東に位置する島国・マダガスカル。世界でも最も貧しい国の一つとされ、国民のおよそ8割が貧困層だといわれています。

近年、この国では深刻な貧困に自然災害が重なり、人々の暮らしが限界まで追い詰められています。2025年、マダガスカル南部では相次ぐサイクロンにより被害が深刻化しました。道路や住宅が壊され、生活の基盤が失われる中、その影響は子どもたちの学びの場にも及んでいます。

私たちが取材した南部の街フォートドーファンでは、地区で唯一の中学校が大きな被害を受けていました。屋根を失った教室は雨ざらしのまま残され、黒板は傷み、剥がれています。被害を受けた教室は修繕の見通しが立たず、過去のサイクロンで壊れたまま、長年放置されている教室もありました。支援が十分に行き届かない現実が、子どもたちから学ぶ機会を奪っています。

この街で暮らしていた23歳の母親、タヒアナさん。今年3月のサイクロンのあと、娘のダニエラちゃんは心に大きな傷を負い、やがてマラリアを発症しました。災害によって医療環境が悪化し、感染症が広がりやすい状況が生まれる中、十分な治療を受けることは容易ではありませんでした。サイクロンは、住まいや学校だけでなく、子どもたちの命にも影を落としています。

さらに取材班は、フォートドーファンから南西へ約100キロの農村、マロアリポティを訪れました。国民の多くが農業に従事するマダガスカルでは、サイクロンが畑を直撃し、農作物がほぼ壊滅する地域が相次いでいます。現金収入を失った家族は、わずかな食事を分け合いながら生活しています。少女が口にした「色のついたものを食べたい」という言葉は、気候変動が貧困をさらに深め、子どもたちの日常を奪っている現実を象徴していました。


世界最貧国マダガスカルの今〜気候変動に翻弄される子どもたち〜(前編)