フジテレビジュツ博

開催レポート #3

第1回:2019年2月22日(金)・23日(土) 開催

22階の大会場から専用のエレベーターで3階に降り、大道具通路を抜けると、
音楽番組『Love music』(フジテレビ系列全国放送中・以下『Lm』に略)のセットがあるV4スタジオに到着する。
このスタジオはフジテレビ本社の中で、一番大きなスタジオ。
今回『フジテレビジュツ博』と番組が連動して実際のスタジオセットをそのまま見学コースに入れこんだ。

V4スタジオ内配置図

スタジオ内に入って行くと左右異なる2つのセットが登場。
向かって右側(上手)は室内のライブハウスをイメージし、LEDと鉄骨中心の「スパイダーセット」。主にDANCE MUSICやLED SHOWの曲に使用。一方、向かって左側(下手)には屋外テラスをイメージし、バラード曲からロックまで対応する「テラスセット」。
スタジオ内にはセットに関わる主要6社のブースを設置し、スタッフが来場者に直接説明。
このHPでも『Lm』のセットのヒミツと各社の仕事内容を詳細に解説しているので、併せてご参照を。また今回は普段番組で使用しているテレビカメラとカメラマンも来場者用にスタンバイし、レンズを通したステージ映像をモニターに映し出した。

『Love music』
『Love music』

『Lm』セットデザイン・邨山直也(フジテレビ美術制作局) 
【技術協力】カメラ担当・米山和孝(フジテレビ技術局)、照明担当・植松晃一(フジテレビ技術局)

では『Lm』セット、主要な6社ブースを紹介。

ナカムラ綜美 (アクリル装飾)

『Lm』の上手セットに敷き詰めた床の“タキロン”や厚み5ミリのアクリルを細かくレーザーカットした見本をブース内に展示し、
スタッフが説明。また『FNS歌謡祭』のセットに“タキロン”を敷く作業工程をVTRで詳しく紹介。

ナカムラ綜美 (アクリル装飾)
ナカムラ綜美 (アクリル装飾)

ブース担当・平山晃哉

東京特殊効果 (特殊効果)

東京特殊効果 (特殊効果)

この会社はロケ等で使用する火薬系の爆発装置からスタジオ内の紙吹雪の降らし、
さらには料理番組のスタジオでのガス・水道等の設備工事まで幅広く特殊な仕事を担当している。
今回の『Lm』セットでは、炭ガス(CO2)とロースモークを準備し、来場者にあわせて特効効果の仕事を紹介した。
勢いあまって、罰ゲームでおなじみの“ビリビリ椅子”体験コーナーや、伝説の“熱湯風呂”も展示。

東京特殊効果 (特殊効果)
東京特殊効果 (特殊効果)

ブース担当・福島正勝

エスケイシステム (アートフレーム)

エスケイシステム (アートフレーム)

ブース担当・長濱大作

ブース内ではアートフレームを使ったさまざまな番組をVTRで
紹介。
中でも『FNS歌謡祭』では、強度補助の為に鉄骨を入れ構造を支えたり、モーターを使ってセットを吊り上げたり、
重量があるセットには不可欠なシステムを構築。『第1夜』の会場“飛天”に建てたセットでは、およそ600本の鉄骨トラスを繋ぎ合わせ、長さの合計は1000mにも及ぶ。
『Lm』の上手にあるスパイダーセットは、鉄骨の素材の強さを強調したものとなっている。

テルミック(電飾・特殊装置)

ブース内には自社開発のS-hole(フロアービジョン)を展示。
僅か75mmの厚みの中で、マジックミラーと電飾を組み合わせ、不思議な奥行き感を創りだす。
天板は強化ガラスで、直接上に乗ることも可能(垂直方向耐荷重450kg)。また『Lm』の上手セットの背後にあるLEDビジョンは
収録によって大きさは異なるが、今回のものは間口4間(724㎝)、高さ2間(362㎝)。

テルミック(電飾・特殊装置)
テルミック(電飾・特殊装置)

ブース担当・福田隆正

サンフォニックス(楽器・PA)

バラエティ、ドラマ、報道、情報番組のPAシステム、レンタル楽器はサンフォニックスが担当している。
中でも『FNS歌謡祭』では、生放送のCM中の楽器転換やマイク、PAの生回線システムまでフロアー全てを担当。
今回の『Lm』テラスセットにある楽器について、当日質問が多かったので、楽器の詳細を記しておく。
ハモンドB-3、ヤマハドラム、LPコンガ、ティンバレス、マーシャルギターアンプ、アンペグベースアンプ、フェンダーローズ、
ミニムーグ。また、ミキサー卓はヤマハのCL5とアビットのS6、スピーカーがd&bのVSUB、V8、V10。

サンフォニックス(楽器・PA)
サンフォニックス(楽器・PA)

ブース担当・岩崎滋

京花園(生花装飾)

これまでに関わった数々の番組を150枚の写真にまとめ、VTRで紹介。
『北の国から』『めちゃ2イケてるッ!』から『めざましテレビ』『とくダネ!』『バイキング』まで、
ドラマ、バラエティ、情報番組と多岐にわたり担当。
『Lm』のセットでは生花から造花までたくさんの花々で何処にもないステージ効果を出している。

京花園(生花装飾)
京花園(生花装飾)

ブース担当・山寺由美

野沢園(植木装飾)

左側(下手)のセットの背後には照明に映えるホワイトリーフの林を配置。
右側(上手)の鉄骨、LEDのスパイダーセットとは対極の世界感を植木の装飾が効果的に演出している。
またシャンデリアは既製品ではなく、流木と星球電飾を組み合わせ横幅約3.5mのオリジナル“流木シャンデリア”を製作。
これも野沢園の仕事です。

野沢園(植木装飾)
野沢園(植木装飾)

ブース担当・野崎昌一

アンケートの中には、「セットに上がれて嬉しかった」「セットの話が直接担当者から詳しく聞けた」
「カメラを通してセットが見られてよかった」「スタジオまでの導線がリアルな裏側でドキドキした」等
たくさんの感想をいただいた。

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