あらすじ
<第1回> <第2回> <第3回>

<第1回> 「女神の反乱!?」
 渋谷のハローワーク。深刻な表情の中年男たちにまじって、場違いな感じの若い女性が失業保険の給付を受けていた。「あなた、何かやりたいことないの?」。窓口の職員から聞かれて、その女性、織原ちはる(中谷美紀)はニコリと笑った。「若ければみんな夢をもって生きてるなんて、誰が決めたの?」。呆気にとられる職員を残して、ちはるはバイト先の古着屋に向かった。「相変わらずその日暮らしだね」。同僚のマリ(山口紗弥加)も呆れ返った。いわれてみればちはるは25歳にして、恋人もいないし、定職もない。それでいて焦りもない。しかし自由気ままな毎日は突然断ち切られた。ちはるの父親、孝太郎(平泉成)が心不全で急死したのだ。
 祭壇の前に座らされたちはるはぼう然とするばかり。高校卒業直後に家出して以来、7年ぶりの実家だった。次々と焼香する弔問客に丁寧に頭を下げているのは叔母のすみ子(鷲尾真知子)だ。弔問客の多さは改めて孝太郎の業績を周囲に強く印象づけた。彼は館浜市長を3期10年務めてきた。まだ任期2年を残しての無念の死だった。

 弔問の列には市議会関係者にまじって国会議員の黒沼恭造(鶴田忍)の顔もあったし、地元ケーブルテレビのキャスター、近藤優子(奥菜恵)やカメラマン風間祐介(吉沢悠)らの忙しく駆け回る姿も見られた。
 焼香の終わった弔問客に、すみ子をはじめ、秘書課長の高井梓(長野里美)、同課の山田高志(正名僕蔵)、佐藤ユミ(松丘小椰)らが挨拶をしている。 「この悲しみはとても言葉では言い表せません」。涙声で優子のインタビューに答えているのは市会議員の小早川亮(高知東生)。すみ子がそっと耳打ちしてくれた。「あいつ、市長の議案にいちいち難癖をつけて反対してたのよ」。要注意人物らしい。「今のお気持ちを一言」。優子はちはるにもマイクをつきつけた。「マスコミって嫌いなの。言いたいことなんかありません」。そそくさと帰っていく優子と風間に向かって、ちはるはため息をもらした。「だから嫌いなのよ、この街は」。
 弔問客を送り出して、気がつくとちはるは、遺影の前ですみ子と差し向かいになっていた。「あんたが男の子だったらねえ」。さっきまで気丈にふるまっていたすみ子がしんみりとすすりあげた。「もしあんたが息子だったら、兄さんは市長の座を譲って安心して天国へいけたんでしょうに」。ちはるの脳裏にさまざまなシーンがよみがえった。孝太郎の選挙活動を支えた母親・由紀子の姿。その母親の臨終に間に合わなかった父親を少女だったちはるは憎んだ。だから高校卒業と同時に家を飛びだした時、ちはるは父親に向かって吐きすてた。「家族を幸せにできなくて、何が市民のための政治よ」。遺影を前にしてもちはるは父親を許す気にはなれなかった。
 翌日の本葬は滞りなく終わった。「お焼香させていただけませんか」。その夜、1人の中年男が訪ねてきた。手を合わせる姿がどの弔問客よりも心がこもっているように見えて、ついちはるは声をかけた。館浜署の八潮俊作(柳葉敏郎)。「市長の身辺警護にあたっておりました。お父様は市民から尊敬される立派な市長でした」。ちはるは思わずつぶやいた。「みんな、同じこと言うのね」。八潮は一瞬言葉につまったが、一礼すると帰っていった。
 翌朝、2人の助役の友枝慎一郎(小野武彦)と小日向益夫(高橋克実)が市民葬の打ち合わせにやって来た。「もうひとつお嬢様に大切なお話があります。ぜひとも次期市長選に立候補していただきたい」「あたしが!」。あまりに突拍子もない提案に言葉も出なかったちはるだったが、はっと我に返ると一気にまくしたてた。「父を尊敬なんかしてないし、この館浜市がどうなろうとかまいません。それに政治家は一番嫌いな職業。とにかく市長になんかなる気ありません!」。ちはるの剣幕のすごさに2人はたじろいだ。
 ちはるはまた自由気ままな生活に戻れるつもりでいた。しかし友枝と小日向はちはるが1人暮らしする都内のマンションにも姿を現わした。「お嬢様にぜひ、お見せしたいものがあります」。有無を言わせず車に乗せられて、連れてこられたのは海辺の一戸建て。室内を一目見てちはるは思わず歓声をあげた。女の子なら誰でも憧れるおシャレな部屋だ。館浜市の公舎だという。「市長になっていただけるなら、ぜひここにお住みください」。しかも年収は1500万円。昨日とはうって変わってちはるの気持ちは揺らいだ。
「でも、市長なんてあたしにできるわけないですよね?」。すると友枝があわてて首を振った。「ご安心ください。むずかしい実務はすべて我々が行います」。ちはるが心動かされたと見るや、小日向もおいしい話をもちかけた。「市の顔としてきれいな服を着て、いろんな人に会って、おいしい食事をしてもらうだけです。芸能人がよくやる1日市長みたいなものですよ」。2人はせめて亡父の残りの任期2年だけでも引き受けてほしいと懇願した。その間に後任候補を決めるという。「あなたの2年間を我々に下さい!」。
 実家に戻ってちはるが父親の遺品を整理していると、日記が出てきた。毎日の公務スケジュールの最後に“今日もちはるから連絡なし”の文字があった。さらに幼いちはるや家族3人の写真もはさまれていた。ちはるは父親の意外な一面にショックを受けた。
 ちはるが帰ろうとしていると、八潮が姿を現わした。「市長がどんな人だったか、ご自分の目でご覧になって下さい」。八潮が案内してくれたのはかつてちはるが通っていた小学校。「こんな歩道橋なかったわ」「市長の強い意志でつけられました」。おかげで毎年何人もの児童が犠牲になっていた交通事故がなくなった。総合病院も老人ホームも市長が市民の切実な願いに応えて、さまざまな障害や反対意見をのりこえて実現させたものだった。父親の仕事を一つずつたどっていくうちに、ちはるの胸の中のわだかまりが次第にほぐれていった。
 最後に八潮は市長が一番好きだった高台の公園に案内してくれた。市長は毎朝登庁前にここから市内をながめていたという。「ほんの短い間でしたが楽しかった」。八潮の穏やかな横顔を見て、ちはるはぽつりともらした。「親孝行したい時に親はなしって本当ね」。すると八潮が静かな口調ながら、きっぱりと言った。「まっすぐ胸を張って生きていくこと。それが親孝行だと思っています」。
 数日後、ちはるは市役所の秘書課を訪れた。職員たちは3日後に迫った市民葬の準備であわただしかった。ちはるは次期市長選立候補の意思を表明した。「あたしが2年間、市長のイスに座っている間に、父のやり残したこと、全部やって下さい」「ありがとうございます」。友枝と小日向は小躍りした。しかし、ちはるは自分がとんでもない世界に飛び込んだことにまったく気づいてなかった──。

<第2回> 「涙の決戦投票日!」
 「あんた、市長になるんだって!」。実家の居間で寝ていた織原ちはる(中谷美紀)は、バイト仲間のマリ(山口紗弥加)の電話で起こされた。新聞記事で市長選に立候補を表明したことを知ったらしい。「まだなるって決まったわけじゃないの」。ちはるがもう一眠りしようとしたら、チャイムが鳴った。「お嬢様、おはようございます!」。助役の友枝慎一郎(小野武彦)と小日向益夫(高橋克実)が玄関に立っていた。「さあ、参りましょう」。ちはるが連れて来られたのは昔バイトをしていたレストラン。「お久しぶりです」。マスターの藤田浩二(松崎しげる)に挨拶しようとしたら、ちはるは2階の部屋へ引っ張っていかれた。室内では叔母の織原すみ子(鷲尾真知子)がそろいのTシャツ姿の男女にテキパキと指示している。選挙事務所らしい。「もう戦いは始まっています」。片目を入れたダルマの陰から見知らぬ男が現れた。「これはこれは大田垣さん」。友枝が頭を下げた。
 大田垣政志(北見敏之)はこれまで国政に数多くの議員を送りこんできた名うての選挙屋。表立って選挙活動のできない友枝たちに代わって、ちはる陣営の選挙参謀に抜てきされたのだ。早速ポスター撮り。ちはるの身辺はにわかに慌ただしくなってきた。選挙ボランティアの小林雅弘(河相我聞)も嬉しそうに走りまわっている。
 告示日がきた。ちはるはコートにジーンズで立候補の受付を終えた。すみ子は顔をしかめたが、大田垣の「ふだん着の選挙でいこう」の一言で、有無を言わせず選挙カーに押しこめられた。「手を振るのは斜め45度。笑顔はしぜんに」。ちはるは大田垣に言われた通りにやったものだから、夜事務所に帰ってきた時には「ダメ。もう一生分しゃべった」と青息吐息。室内に重いムードが漂っている。友枝と小日向、すみ子まで一様に沈みこんでいる。予想外の若手弁護士が出馬、おかげでちはる陣営の無党派層の票がかなり流れることになりそうだという。旗色は一気に悪くなった。「勝つっていうから恥ずかしいこと、我慢してるのにィ」。ちはるが階下のレストランで藤田にボヤいていると、奥のテーブルで八潮俊作(柳葉敏郎)が1人で食事しているのに気づいた。奥さんに逃げられたらしいと、藤田がそっと耳打ちしてくれた。「市民はあなたが思っているより、ずっと多くのものを見てますよ」「それって、あたしが落選するって言いたいの!」。ちはるは気色ばんだが、八潮はさっさと店を出ていった。
 入れ違いでやって来たのは地元ケーブルテレビのキャスター近藤優子(奥菜恵)とディレクターの風間祐介(吉沢悠)。風間はちはるを心憎からず思っているようだが、優子は辛らつだった。「早くも白旗あげてヤケ酒?」。ちはるはカウンターにドンと手をついて立ち上がった。「絶対当選してやる!」。
 翌日からちはるは目の色を変えて選挙活動に取り組みだした。そんな矢先、ちはるの私生活をバラした怪文書が市内に出回った。“前市長の娘はお気楽プータロー。失業保険で合コンざんまい”。「事実だけに始末が悪い」。友枝は頭を抱えこんだ。仕掛人は対立候補のバックについている二世市会議員の小早川亮(高知東生)に間違いない。噂をしていると厚かましくも当の本人が現れた。「まったく汚いことをするヤツがいるもんですなあ」と白々しい。
 カメラを携えた風間と優子も駆けつけた。「弁明したほうがいいんじゃないですか?」。ちはるは頭にきた。「プータローの、どこが悪いのよ。やりたいことがあったら市長なんてなろうと思わないわよ!」。友枝と小日向は頭をかかえた。  ちはるの発言がケーブルテレビで流れると、選挙事務所には抗議の電話が殺到した。大田垣はこの劣勢を挽回するために、大物国会議員の廣川康祐(大河内浩)を応援演説にかつぎだした。「大丈夫だ、私に任せなさい」。廣川は自信たっぷりにちはると握手したが、なかなかその手を離さない。ちはるはイヤな予感がした。
 その予感は的中した。選挙カーの中で2人きりになると、やたらとちはるの体にタッチしてくる。「知ってたんでしょ、セクハラ親父だってことを」「さあ。応援、断りますか?」。大田垣はトボけた。「今さら、落ちるわけにいかないでしょ」。ちはるは当選するためなら我慢するつもりでいたのだが。
 駅前広場での応援演説。さすが廣川のおかげで、すごい人だかり。テレビ各局をはじめマスコミ報道陣の姿も多い。「私はこういう女性こそ、市長にふさわしいと思うのです。織原チアキをよろしく」。名前を間違えられたのは我慢できた。しかしセクハラを泣き寝入りする気はなかった。「この手はなんなの?」。ちはるは廣川の腕をつかんで高々と上げた。「馴れ馴れしくお尻、触ってんじゃないわよ!」。ついでにちはるは廣川の顔をパチンと叩いてしまった。「こんな屈辱は初めてだ!」。廣川は激怒して帰ってしまった。しかも対立候補への支持を吐き捨てて。「万事休すか」「決定的ですね」。友枝と小日向はガックリ肩を落とした。さすがの大田垣も声なし。「落ちたって元の暮らしに戻るだけ。あたしには関係ないわ」。ちはるが藤田の店でヤケ酒をあおっていると、八潮が声をかけてきた。「もうあなただけの問題じゃない。あなたには責任があります」「もうウンザリよ」。
 ちはるは店を飛び出した。ふと選挙事務所を見上げると、深夜ちかいのにまだ明かりがついている。ちはるはドアの隙間からそっとのぞいた。そこでは意外な光景が繰り広げられていた──。

<第3回> 「守ってあげたい!」
 ジーンズにブーツ姿のちはる(中谷美紀)が八潮(柳葉敏郎)にガードされて、助役の友枝(小野武彦)と小日向(高橋克実)を従えて、館浜市役所に初登庁した。一番後ろには秘書課の面々、高井(長野里美)、山田(正名僕蔵)、ユミ(松丘小椰)も続いている。「どうぞお座り下さい」。しかし市長の椅子を温めるひまもなく記者会見。全国最年少の市長誕生とあって、多数のマスコミがつめかけた。もちろんその中には地元ケーブルテレビのキャスター優子(奥菜恵)とディレクター風間(吉沢悠)の姿もあった。「市長の椅子はいかがですか?」「結構ふかふかでイイ感じです。イタリア製かな」。優子と記者たちは思わず失笑。友枝はあわてて会見を打ち切った。
 ちはるは臨時議会の所信表明でもとんだ恥をかいてしまった。壇上で友枝の用意してくれた原稿を広げた途端、携帯電話の着メロが鳴った。「引っ越し、今日だよね」「あんた、タイミング悪すぎ」。ちはるはぼう然としている市議たちに愛想笑いした。
 その着メロの相手、マリ(山口紗弥加)が早速ちはるの公舎にやって来た。公舎のジャグジーで大騒ぎするちはるとマリ。「すっごーい。時々泊まりに来てもいい?」「いいわよ」。2人は男友達も呼んでドンチャン騒ぎ。だから翌朝、八潮が迎えに来てみると、酔いつぶれたちはるはリビングで爆睡中。かたやマリはご機嫌。「すぐお茶いれますか」。八潮を一目で気に入ったらしい。八潮はといえば、ちはるの寝顔を見てため息をついていた。
 カメラを向けられるたびに笑顔。手を振る市民にも笑顔。そして友枝の差し出す書類には、内容も読まずにハンコ。「は〜、疲れた」。ちはるが夕食をとろうと藤田(松崎しげる)の店を訪れると、優子と風間に出くわした。「期待していますから」。風間は励ましてくれたが、優子は辛らつだった。「私にはお嬢様が高価なおもちゃをもらって喜んでるようにしか見えないわ」。ちはるは思わずムッ。それでも風間の妹で、藤田の店でバイトしているめぐみ(上原美佐)から記念写真をねだられると、機嫌は直った。かたやシャッターを押さされた八潮は不機嫌そうだった。
 つまづきは週刊誌の取材で訪れた、地元の子供動物園でおきた。「市長さん、この動物園なくさないでよ」。一緒に写真を撮影した幼稚園児から頼まれたちはるは、よく考えずに「わかった。なくさない」と答えてしまった。市長室に帰ると、早速友枝に叱られた。市の財政難でこれ以上動物園を維持するのは無理。来週の市議会で3月末をもって閉園する手続きが正式に完了するという。「二度と安請け合いはしないで下さいよ」「そっか、なくなるんだ」。少し寂しい気持ちにもなったが、ちはるは仕方ないと諦めた。
 ところが翌日の地元新聞にちはるの動物園の存続発言が記事になってしまった。
「記者会見で発言の白紙撤回をして下さい」。友枝に指示されて、ちはるは沈んだ気分で会見にのぞんだ。記事を手にした優子がきつい口調で追求した。「まさか子供たちにできもしない約束をしたわけじゃありませんよね?」。次の瞬間、ちはるはきっぱりと言い切った。「動物園は廃止しません」。
 市長室は大混乱。「勝手な発言は対応に困ります」。友枝は吐き捨てるように言った。市会議員の小早川(高知東生)が血相を変えて飛び込んできた。「議会で承認されなければ、それまでですよ」「嘘、あたしが何でも決めていいんじゃないの?」。
 動物園を存続させるためには来週の議会で、過半数以上の議員の賛成がいる。「説得してみせるわよ」。ちはるは大見得をきった。しかし頼ろうとした助役や秘書課の面々は「知りませんよ」とそっぽを向いてしまった。
 孤立無援のちはるに八潮が追い打ちをかけた。「あなたは市長の一言の重さがわかっていない」。ところがこれでちはるが燃えた。ちはるは真夜中の市長室に戻ると、動物園の費用を捻出するために予算案の書類の山と格闘しはじめた。しかし徹夜して作成した修正案を友枝と小日向は一笑に付した。「市長、私達の給料カットしてどうするんですか。」「道路整備の工事、半分カットしてるじゃないですか」「とにかく、これじゃ話になりませんね」。ちはるはガックリと肩を落とした。「デスクも椅子も売っちゃおう!私の給料もカットしていい!」その頃、優子と風間は小早川の周辺を探っていた。半年前に動物園の閉園を真っ先に言いだしたのは小早川だった。そして小早川は地元の建設会社の重役に急接近していた。その会社では動物園周辺の土地を買い占めていた。マンション建設がウワサされていた。「もしかして動物園の跡地もその会社に売却されるんでしょうか」「それは私の決めることじゃないよ」。とぼける小早川を優子は挑戦的ににらみつけた。
「ひょっとしてお前も動物園を残したいわけ?」。風間がからかうように聞くと、優子は怒るようにつぶやいた。「私はずるい連中が許せないだけ」。
 万事休す。打つ手のなくなったちはるは公用車の後部座席で沈んでいた。ハンドルを握る八潮は何も言わない。「子供たちに悪いことしちゃったな。謝らなきゃ」。ちはるは園内をゆっくりと歩いた。実は幼い頃のちはるも両親に連れられて、ここを訪れたことがあった。それは幸せな思い出だった。その思い出を八潮も、前市長でちはるの父親である孝太郎(平泉成)から聞かされていた。
「本当に申し訳ありませんでした。今日の議会で正式に閉園が決まるはずです」。ちはるは園長の中島(中山克己)に詫びた。「仕方ありませんよ」。中島は古びたノートを持ってきた。動物園に遊びに来た子供たちの思い出がつづられていた。「あった、これ!」。少女の頃の自分が書いた文字を見つけて、ちはるは思わず歓声をあげた。その姿を見て八潮も穏やかな笑みを浮かべた。ノートを読みふけっていたちはるはあるページに意外な人物の名前を見つけた。
「!」。ちはるにある考えがひらめいた──。


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