放送内容詳細

 タケシ(オダギリジョー)の葬儀が営まれた。参列者の中に刑事の姿もあった。友也(坂口憲二)が食ってかかったが、捜査のためと言われては引き下がざるを得なかった。
 タケシの父親が有里(小西真奈美)に頭を下げた。「あなたはまだ若い。別の人生を歩んでも誰も責めない。世間的には犯罪者の子供です」「そんな風に言わないで下さい」。有里はそう答えるのがやっとだった。
 「あの夜タケシは何をしようとしてたんだろう」。パズルの最後の一片が見つからない。
 「探せばいいんだ、あきらめずに」。恭一(伊藤英明)は自分に言い聞かした。
 恭一は松原(松重豊)を訪ねた。「タケシは利用されただけで、別に首謀者がいた可能性もあります」。ズバリ核心にきりこんだが、松原にかわされてしまった。
 美冬(小雪)は北海道から上京してきた向坂夫妻と、その娘みゆに会っていた。心をとざすみゆは美冬の“ココロの絵本”には強い関心を示していた。「ユウキって何?」。みゆの開いたページには“ただ信じる。それが一番の勇気”と書かれていた。答えられない美冬に、みゆは絵本を返した。自分には心を開いてくれるのではないかという美冬の期待はあっさりと打ち砕かれた。
 七重(長谷川京子)は自分を変えようと演劇セラピーに取り組んでいた。しかし稽古中、ふいにセリフが言えなくなった。「あなたはちゃんとやれると信じてますよ」。演出家は励ましてくれたが、思わず七重は言い返していた。「信じるって、もっと・・・もっと哀しいことだと思います」。
 聡美(田畑智子)は、夫の山瀬(田中哲司)と会い、前橋の介護センターに仕事が決まり、離れ離れになる事を告げていた。「知り合って始めての頃、私介護センターの洗濯当番で手が荒れてました。でもそんな手をきれいだって言ってくれました。そういう手の女性が好きだって言ってくれました。その一言が嬉しくって。つらいとき、いつもその言葉を思い出していました。」
 健太(山崎樹範)も苛立っていた。心臓に持病のある妹の琴美(岡田めぐみ)が遠方への転院を拒んだからだ。「離れ離れに暮らすんじゃ、家族なんて言えない」。健太は珍しく声を荒らげた。「お兄ちゃんの友達が死んだのに、お前は!」。
 タケシの初七日、ジュピターに仲間たちが顔をそろえた。「みんなで騒いで、送りだしてやりたかっただけなんだけど」。健太の声は沈んでいた。集まったのは美冬、聡美、七重だけ。
 その頃、友也はようやく仕上げた絵を法子(秋本奈緒美)に手渡していた。「自分を責めてはダメよ」。友也は苦しい胸の内を打ち明けた。「タケシのこと、100%信じれない。99%しか信じられない・・・」。「素敵ね。99%信じられる友情なんて、なかなかあるもんじゃない」友也はジュピターの仲間たちと合流すると、有里の部屋に押しかけた。重い空気をふっきるように、遺品から出てきたビデオを見ることになった。タケシの大好きだったアクション映画だ。
 ところが流れてきたものを観て、全員が息をのんだ———。
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出演者

狭山恭一 (25)・・・・・伊藤英明
川村友也 (25)・・・・・坂口憲二
木崎タケシ(25)・・・・・オダギリジョー
沢村美冬 (25)・・・・・小雪
宮部聡美 (25)・・・・・田畑智子
井田有里 (25)・・・・・小西真奈美
長谷川健太(25)・・・・・山崎樹範
          ・
有坂七重 (25)・・・・・長谷川京子
          ・
狭山てるみ(50)・・・・・大谷直子

ほか

スタッフ

脚本
  秦建日子
脚本協力
  渡辺千穂
プロデューサー
  笠置高弘(関西テレビ)
  森谷雄(共同テレビ)
  渡辺真沙子(関西テレビ)
演出
  西谷弘(共同テレビ)
制作
  関西テレビ
  共同テレビ