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<第1回>
 咲は商社マンの夫・洋平と結婚して三年、幸せな毎日に何の疑いも抱いていなかった。
 二人の結婚記念日の夜、咲は洋平が忘れていった携帯電話から、夫の浮気を疑う。
 意味ありげなメールを送ってきた竹子という女性について質問するが、洋平は親友の姉だとしらばくれる。
 そこへ、咲の姉で、スポーツ紙の記者をしている薫子が現れる。独身の薫子は夫婦喧嘩
の行方を面白そうに見守る。
 そんなところへ、竹子が突然、押しかけてくる。自分は洋平の愛人だ、と言って憚らない竹子に、咲は逆上。洋平ら三人をマンションから追い出して、一人で泣き明かす。

<第2回>
 マンションを追い出された洋平はカプセルホテルに泊まり、翌朝、咲と話し合うために家へ戻る。
 が、咲はとりつく島もなく、別居を宣言。実家に帰った洋平に離婚届を送りつける。
 薫子の必死の説得にもかかわらず、咲の離婚の決意は変わらなかった。薫子は洋平に、「二度と会わない」という竹子の誓約書をもらい、ひたすら咲に謝るしかない、と忠告する。
 数日後、洋平が竹子の誓約書を持って咲に会いにくる。頑なだった咲の態度が軟化しかけるが、その誓約書がにせものだとわかり、二人の破局は決定的になる。
 まもなく、咲のもとに洋平の署名捺印した離婚届が届く。

<第3回>
 夫の愛人発覚で、咲は離婚。仕事探しを始める。
 数日後、咲はひょんなことから結婚相談所「アシスト二子玉川」の所長・雅江と知り合う。雅江は咲のマンションの隣人・譲治と知り合いで、相談所は譲治がマスターをしているバー「シオン」と同じビルにあった。
 咲が仕事を探しているのを知った雅江は、咲に自分の相談所で働くことを勧める。咲は二の足を踏むが、雅江に押しきられ、カウンセラーの見習いとして働き始める。
 第一日目、咲は先輩相談員・克子とともに、相談所を訪れた広子と対面する。生命保険会社に勤める美人の広子を、克子は成婚率が低いと言って敬遠する。

<第4回>
 ある日、結婚相談所主催のお見合いパーティが開かれる。咲は会員・広子の希望で、広告代理店に勤める杉本を紹介する。
 が、克子は成婚料を取れそうにない広子を冷遇。別の女性に杉本を紹介するよう、咲に指示する。咲は克子に抗議するが、パーティの最中に会員をほったらかしにしたということで、クレームが殺到する。
 自信喪失の咲に、さらに会員とのトラブルが次つぎと発生する。
 相談所で働き始めて一ヵ月、咲はついに、雅江に辞表を提出する。
 そこへ、杉本が切羽詰まった顔で、咲に会いにくる。パーティで意気投合、交際中の広子が、一方的に交際を断ってきたという。

<第5回>
 咲は杉本との交際を一方的に断った広子に会いにいく。ブランド指向の広子は杉本が大手の代理店勤務だから交際を始めたのだが、杉本の夢が将来、ラーメン屋を開くことだとわかり、失望したという。
 咲はもう一度、広子と杉本に話し合ってもらう。杉本は改めて広子にプロポーズするが、広子は承諾できない。
 その夜、咲は広子のアパートを訪ねる。杉本のことを気にする広子に、咲はにっこり。実は杉本も一緒で、自分の作ったラーメンを持参していた。嬉しそうな広子を見て、咲は一安心。
 辞表を撤回、咲は正式に相談所の一員になる。そんな折、元夫・洋平が突然、相談所に訪ねてくる。

<第6回>
 咲が結婚相談所で働き始めて一ヵ月。ある日、別れた夫・洋平が客としてやってくる。咲は追い返そうとするが、洋平はあくまでも会員になると主張。咲はしぶしぶ入会の手続きをする。
 二人の関係を知らない克子は、洋平に好感を持ち、自分の会員に紹介したい、と張り切る。経理担当の美穂も、一目で洋平を気に入る。
 その夜、咲の姉・薫子がマンションに居候させてほしい、とやってくる。ギャンブルで全財産失くしたという。
 数日後、咲は相談所に来た洋平に、女性会員の資料を見せる。あまり興味のなさそうな洋平の態度に、咲は憮然。洋平の目的を問い詰める。

<第7回>
 結婚相談所の会員になった洋平が、咲に復縁を申し出る。二度と浮気はしない、酒も煙草もやめる、と土下座までするが、咲はとりつく島もない。
 その二人のやりとりを、相談所の上の階にあるイベント企画会社の社長・窪塚が聞いていた。仕事上のつき合いがある窪塚に、咲は洋平のことを口止めする。
 その夜、窪塚から咲に食事の誘いの電話がかかってくる。咲は断ろうとするが、そばにいた薫子が無理矢理承諾の返事をする。憮然とする咲に、薫子は窪塚とのデートを利用して洋平を遠ざける秘策を教える。
 翌日、咲は雅江に洋平のことを打ち明けようとするが、邪魔が入って言いそびれる。

<第8回>
 克子担当の会員・由美が洋平のことを気に入り、咲は克子から二人の仲介を頼まれる。由美本人に会ってみると、素直で感じのいい女性だったので、咲は気が重い。
 その夜、咲は薫子の筋書き通り、窪塚とデートする。薫子は洋平にその二人の姿を見せつけ、二人が深い関係であるかのように作り話をする。洋平はショックを受けて、その場を立ち去る。
 深夜、洋平が咲のマンションに押しかけてくる。薫子の話を嘘だと見抜き、咲を絶対にあきらめない、と宣言する。会員も辞めないというので、咲は由美との見合い話をきりだす。
 洋平は半ばヤケになって見合いを承知。その場で日時も決まる。

<第9回>
 咲と克子の立ちあいのもと、洋平と由美の初顔合わせが行われる。咲ははらはらして見守るが、洋平はそつなく好人物を演じ、由美が気にいったからまた会いたい、と申し出る。
 咲は由美のような純真な人を裏切ったら天罰が下る、と洋平に忠告する。
 翌日、相談所に、洋平を中傷するファックスが送られてくる。由美の家にも同じものが送りつけられてきたというので、咲らはファックスを書いた人物を詮索する。
 それからまもなく、変声機で変えた声で、相談所に電話がかかってくる。ファックスを送ってきた人物で、悪意をこめて、咲が洋平の別れた妻であることを暴露する。

<第10回>
 謎の人物からの電話で、咲と洋平がもと夫婦であることが暴露される。雅江は言い出せなかった咲の事情を察し、憮然とする克子と美穂をなだめる。
 窪塚の情報により、ファックスを送りつけたのが竹子の仕業だとわかる。咲は竹子を呼び出し、洋平もまじえて話し合う。
 洋平に執着する竹子に対して、洋平は竹子を愛したことは一度もない、と残酷な言葉を投げつける。それで吹っ切れた竹子は、さばさばとした様子で洋平に別れを告げる。
 洋平は咲に、自分が愛したのは咲一人だ、と言って、再び復縁を迫る。咲はその気持ちがないことをはっきりと伝えるが、洋平は会員を辞めないという。


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