<第1回> <第2回> <第3回>


<第1回>
 ある夜、女子高生・智子(岡本綾)は、不安を抱きながら友人に電話をする。この晩は何かの「期限」であった。電話を切ると、智子の周囲に恐ろしい異変が起こり始める。
 そのころ、新聞記者の浅川(柳葉敏郎)は息子の陽一(深川雄太)を保育園に迎えに行き帰宅途中であった。信号待ちのバイクの男が、突然、苦しみ出し死んでしまう。
 帰宅すると、テレビで超常現象の番組をやっている。新進学者・高山(長瀬智也)が相手の金田教授に呪いを掛け、金田を殺すと約束する。
 翌日、週刊誌編集部に異動した後輩記者・明子(京野ことみ)が、アイドル歌手・松崎ナオにまつわる「呪いの噂」を前夜の学者・高山を使い記事にしたいと言って来る。噂はナオの歌を聴くと死ぬとまで言われているという。浅川は相手にしないが、その時、姪の智子が急死したという電話が入る。死亡時間は、バイクの男が死んだのと全く同じ8時55分。浅川は、不自然な因縁を感じ、明子に調査を依頼する。すると、もう一件、男女の不審死が発覚した。こちらも死亡時間は8時55分。浅川は亡くなった妻の親友で病理学研究者・宮下(黒木瞳)に4人の死因などを調査依頼する。
 智子の通夜。浅川は智子の部屋からリゾートクラブの会員権を見つける。明子の協力で、4人は、死ぬ2週間前にクラブの山荘へ出かけたことが分かる。浅川は、危険を感じ、陽一の世話を明子に頼み、一人で山荘に向かう。4人が泊まった部屋に入り、調べていくと一緒にビデオを見たことが分かり、管理人にそのビデオを借りる。管理人は別に面白いものは映ってなかった、と言う。ビデオは砂嵐に始まり、アイドル歌手のライブが映る。それだけのものであったが、その歌手は、明子がネタにしようとしていた松崎ナオであった。ビデオを返そうと管理人室に行くと、つけっぱなしのテレビでは、高山の呪いを検証しようと、金田教授の実況放送が始まっていた。浅川は管理人を探す。管理人室で見つけたものは、白目をむいて醜く顔を歪めて息絶えた管理人だった。

<第2回>
 姪の智子を含む4人の若者の不審死を調べていた新聞記者の浅川(柳葉敏郎)は、管理人まで死んだことで、山荘に残された謎のビデオテープを見たことが、自らの命の危機であることを悟る。
 そのころ、文化人類学者の高山(長瀬智也)が学者・金田(小日向文世)に掛けた「呪い」騒ぎに関し、テレビで、金田の「実況番組」が始まっていた。衆人環視の中、突然切れた電源が回復すると、金田は死んでいた。
 浅川の留守番と息子陽一(深川雄太)のお守りを頼まれていた浅川の後輩記者・明子(京野ことみ)は、帰宅しても何も言わぬ浅川を不思議に思いながら、「呪い殺人」の話をする。浅川は、もう一度ビデオをチェックするが何も分からない。
 翌日、中央新聞に警察が訪れ、「なぜ、管理人の死因が心臓麻痺と分かったのか」と、浅川を詰問するが、浅川も答えようがない。また、高山も警察の訪問を受ける。金田の首には絞めた跡があったのだと言う。高山は何も答えない。
 浅川は社内でまたビデオを見直すが、出演している松崎ナオの「呪いの噂」を思い出し、明子の週刊誌企画に乗じて、さらに調査を進めようと考える。その時、高山の資料に目を留めると、「呪術師殺人の死因は心臓麻痺」の文字が飛び込む。浅川は、高山に頼むしかない、と明子を捕まえ、高山にアポを取るように指示する。容疑者だから無理だと明子はしり込みするが、高山はあっけなく了承する。浅川は、明子を松崎ナオの事務所にやり、自分で高山のもとへ参じる。高山は、浅川に透視術のような遊びを見せて度肝を抜き、「あなたの隠し事はお見通し」と言う。浅川は観念し、ビデオを渡しながら成り行きを説明する。高山は面白がって、ビデオを見ると言う。
 一方、浅川が、若者の死因の調査を頼んだ病理学者・宮下(黒木瞳)は、研究の過程で、重い感染症に罹っているらしいことが分かる。
 その夜、高山は早速、浅川に連絡してきた。「あのビデオは本物だ。あなたは13日で死ぬ」と言う。浅川は、陽一が寝てから、高山の研究室を訪れる。高山は、金田教授の死について、自分の関係する仕掛けを少し語った後、コンピューターのハードディスクに落としたビデオの解析を説明する。そこには、プロモーションビデオの部分のほか、赤ん坊の姿、男の顔などが映り、意味の分からぬ老婆の声が入っていた。さらに、「呪いはかけた。お前は死ぬ」という文言が書かれていたのだ。その後に「助かる方法は・・・」とあったが、ビデオはそこで終わっていた。

<第3回>
 文化人類学者・高山(長瀬智也)に解読してもらった「呪いのビデオテープ」を見た新聞記者の浅川(柳葉敏郎)は、不安を募らせながら、謎解きを急ぐ。まず、友人の病理学者・宮下(黒木瞳)に身体検査を頼む。宮下の病院では、マウスが心臓麻痺で大量死を遂げたと言う。宮下は、ビデオテープを見て死んだと考えられる山荘の管理人の解剖も予定していると告げる。
 浅川に頼まれ、テープに映っていた歌手・松崎ナオの周辺を調査している元部下の明子(京野ことみ)は、ナオの「呪いの噂」が関東を中心に広がっていることを突き止める。浅川は、明子にナオの事務所の場所を聞き、ナオのテレビ放送を録画したビデオを見せてもらう。その中に、「呪いのテープ」と同じ画像があり、浅川は、その放送に電波ジャックが紛れ込んだ、と推測する。
 そのころ、少し様子がおかしかった浅川の息子・陽一(深川雄太)が、保育園を抜け出し、街をさまよう。浅川の会社に電話をかけてきた時、偶然、明子が電話を受けたおかげで、電話ボックスに倒れている陽一が助け出されたが、何か、相当不安を抱えている様子である。うわ言のように「パパを助けて」と懇願する陽一。明子は、浅川にただならぬ異変が起こっているのではないか、と察する。だが、浅川は、「危険過ぎる」と口を開こうとしない。
 そんな折、宮下は、担当教授の長尾(山本圭)から、高山がからむ「呪い殺人」事件の謎解きを相談される。事件現場で強い光に照れされる被害者のビデオを見て、宮下は、光に反応するアフリカ産の植物毒に思い至る。すぐに長尾に電話を入れ、警察も動き出す。
 浅川は、フロッピーに落とされた「呪いのビデオ」画像をパソコンで調べるうち、まばたきのような瞬間が繰り返されることに気付く。何かつかんだ気がして、浅川は、明子に留守番と陽一の世話を頼み、高山の研究室へ向う。
 高山は、電波ジャック論を否定し、浅川が自ら説明する通り、「人間が見た通り、まばたきもある」ということは「念写」である、と喝破する。しかも「だからこそ、生き残る方法はみつかったも同然」と言う。が、その時、宮下の推論で捜査した警察が高山を逮捕に来てしまう。


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