<第10回> <第11回> <第12回>


<第10回>
 病理学者・宮下(黒木瞳)は、学内で続く不審事件を突き止めようと、新種細胞と称してわなを仕掛けていたが、それが、研究員・大垣の部屋から見つかった。大垣は、宮下の担当教授・長尾(山本圭)と学長選で敵対する桧山教授の弟子であった。この一件で、桧山教授は学長選を断念する。これで、学内の騒ぎは収まり、長尾教授の思うがままになるはずであった。
 一方、「呪いのビデオの謎」を追う新聞記者・浅川(柳葉敏郎)は、文化人類学者・高山(長瀬智也)が言った「ほかにも貞子を探している人間がいる」という言葉が気に懸かり、宮下の病院を訪ねる。そこには、高山の妹・舞(矢田亜希子)が入院し、浅川の後輩・明子(京野ことみ)もいた。そこに、柏田刑事殺しを捜査する刑事が聞き込みにやってきた。高山を追っていると言う。
 そのころ、宮下は舞の部屋にいた。舞は、しきりに兄・高山のもとへ帰りたがるが、宮下は許可しない。宮下が自室に戻ると、そこへ高山が現れる。高山は、宮下を襲うが、宮下は警報機を鳴らしその場を逃げ出す。その音を聞いた浅川や刑事は高山を追う。また、なぜか、舞も高山の方へ引き寄せられるように走り出す。
 高山と舞は、抱き合い再会を喜ぶが、高山は「もう少し待ってくれ」と懇願する。その時、刑事がやって来た。高山は逃げ出し、舞は暴れる。舞を取り押さえる間に、高山は逃げてしまうが、浅川だけには、居場所が分かるように合図をしていた。近づく浅川に高山は「私はこれから悪魔になる。妹は関係ない」と言い残し姿を消す。

<第11回>
 「俺達は何かとんでもない勘違いをしていたのかも知れない」。浅川(柳葉敏郎)と明子(京野ことみ)は、長尾教授(山本圭)の証言から、肩に傷のある男の正体は長尾教授本人であることも分かり、呪いのビデオに隠されたメッセージの全てを理解したはずだが、もう一度「呪いのビデオテープ」の分析を行う。
 ビデオに残されたメッセージは全て貞子の目線によるものであった。ならば、映し出された赤ん坊は貞子ではなく貞子の子ではないのか、「うぬはだーせん」の音声も貞子が聞いたものに違いない。とすれば、貞子の子供がいて、何かカギを握っているにちがいない。そう考えると貞子が長尾に言った「大切なものは残したから・・・」という最後の言葉にも納得がいくのだった。
 二人は、宮下(黒木瞳)と高山(長瀬智也)の妹・舞(矢田亜希子)のいる大学へ向かう。宮下に「赤ん坊」の真相を告げ、舞の記憶をたどれば何か判るとのでは、と相談を持ちかけようとする二人。その途中、呪いの期限まであと一日と迫った浅川は明子に「テープを誰かに見せるよう」にと勧める。「弱気になるな」とむなしく元気付ける明子だった。
 宮下は、まだ舞に抑圧された記憶が眠っていると感じており、二人の考えに同調、舞の催眠面接療法を始めようとしたその時、浅川の携帯に高山から「私を止めてくれ」という、奇妙な電話が入る。宮下はここにいればリング・ウィルスの治療法は見つかると、浅川を止めるが、浅川は振り切って高山を探しに出かける。
 舞に再び催眠をかけた宮下は、両親が惨殺された時、死体の側にいた男の名前を聞き出そうとする。舞の口から出てきた言葉は「イ・・・ク・・・マ・・・」というものだった。

<第12回>
 明子(京野ことみ)は浅川(柳葉敏郎)と高山(長瀬智也)が飛び込んだ結核療養所跡の学校にある古井戸をのぞき込んだ。なんの返事もない。救急隊が詰めかけて救出作業が行われる。ロープに体を繋がれて引き上げられてきた浅川(柳葉敏郎)は意識が無く、担架に乗せられる。そのまま宮下(黒木瞳)の大学病院に運ばれたが原因不明の高熱を出し、依然、意識がはっきりしない状態が続いていた。一方、浅川と同じく井戸に飛び込んだはずの高山竜司(長瀬智也)は、救急隊員が救出に当たった時点でその行方を消していた。
 古井戸のある学校では明子(京野ことみ)も出席して、二度と事故が起こらないように井戸を封印する御祓いの儀式が開かれていたが、突如として暗雲が立ちこめ雷が落ち、御祓いは中断する。ちょうどその頃、自らのプロモーションビデオに「呪い」をかけられた形になっている松崎ナオ(松崎ナオ)のマネージャー八木(高杢禎彦)から明子の携帯に電話が入る。
 八木の話によると、「呪いのビデオ」はあちこちに広まっていて、ビデオを見て死んだという女子高生の友人らから松崎ナオのラジオ番組に電話が殺到しているという。高校生達の間ではパニック状態になっているという事実を宮下に告げる明子。宮下は「呪い」を科学的に解明するために、遂に自ら「呪いのビデオ」とメッセージが解読されたパソコン画像を見る。
 宮下はそれを見て「最初から人間のDNAの中に潜んだウィルスがビデオの刺激によって活性化したのだ」と理解する。また、浅川のベッドの横で看病する明子は、浅川の腕にアルファベット文字が浮きあがっているのを発見するのだった・・・。


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