あらすじ
<第7回> <第8回> <第9回>

<第7回> 「客に恋したホステス!!」
 明菜(財前直見)マンションは、いつものように、よおこ(戸田恵子)、麻弥(原沙知絵)、五郎(長嶋一茂)のたまり場と化している。石崎(上川隆也)への想いをつのらせる明菜が、TVで見たお肌の美容を試すと、五郎までがマネしだす始末。そんな日に限って「パラダイス」で明菜がついたテーブルの客たちの話題は”エステ”。明菜とよおこは、ただひたすらこの話題が過ぎ去るのを待つ。だが、亜弓(真中瞳)は「私はエステに興味はありません。まだ、お肌は全然曲がってません」と明菜たちにイヤミを一発。ゆうか(黒坂真美)は、恋がピチピチ肌の秘訣と言ってのけた。つきない”お肌”の話題にいたたまれず席を外した明菜は、清野(佐藤B作)からエステのタダ券をもらう。
 翌日、明菜はこっそりとエステに。よおこや麻弥にはあげず、タダ券を独り占めしたハズの明菜だったが‥。受付で「5歳若返る美肌コース」を注文した明菜の背後から、よおこと麻弥が声をかけた。2人も、タダ券を手に入れていたのだ。とにかく、エステがスタートすると、明菜は担当のエステティシャン・真理子(木村多江)に「少し手を入れれば肌はきれいになる」と言われ、すっかりエステの虜になってしまう。明菜たちがコースを終えてラウンジに戻ると、なんと亜弓がいた。亜弓も密かにエステ通いをしていたのだ。自分は今の肌を維持しているだけと亜弓に言われた明菜は、美肌を手に入れる決意をますます固める。
 その夜、パラダイスに珍しく若い客が来るが、いつも騒ぎ立てるゆうかがいないことによおこが気づき、明菜も疑問を持つ。その疑問に「ゆうかならきっと今日も同伴」とみずき(伊東美咲)が答えた。「お客様も恋愛対象」と言ってはばからないゆうかが、ここ最近はひとりの男に絞っていると言う。案の定”最近の男”同伴で現れたゆうか。客からあまり惚れ込まれるのもどうかと、明菜はゆうかを心配する。だが、ゆうかの答えは「私が惚れ込んでいる」だった。さらに”最近の男”=淳(伊藤高史)とは「ちゃんと付き合ってる」と、言い切る。本気で恋をしているらしいゆうかに明菜は不安を募らせる。
 淳は、翌日もパラダイスにやってきた。ゆうかの本気は認めても、相手がどうなのかは、わからないとハラハラする明菜。そんな時、ゆうかに他の指名が入った。ゆうかは他のホステスでは心配と、明菜とよおこに淳の席に着いて欲しいと頼む。明菜は、席につくなり「ゆうかとは、どういうおつきあいを」と淳に切り出した。だが、淳の誠実な答えに「ゆうかをよろしくお願いします」と明菜は胸をなでおろす。閉店後、明菜は石崎にホステスの恋を相談。石崎は、仕事に支障が無い限り恋愛は自由だと言う。ならば、ホステスと客ではなく、ホステスと経営者の恋も・・。
 勝手に解釈した明菜は「人の恋より自分の恋」と、勢い込んでエステへ。真理子から、肌の調子が良くなったとほめられ上機嫌だったのだが・・。そこで、明菜は秋に結婚をするという真理子の婚約者が、あの淳だということを知ってしまった。パラダイスに戻って、ゆうかに話すと彼女は知っていると言う。淳は、ゆうかに婚約の解消も約束しているというのだ。「それでも本気の恋と言えるの?」と問う明菜に、ゆうかは「出会えて良かったと、心から思える恋」と真剣そのもの。ゆうかのひたむきさに、明菜もそれ以上口を挟めなかった。
 淳への、そして彼からの恋にウソはないと信じるゆうか。だが、彼女を思う明菜の言葉は強烈に心に刺さっていた。ゆうかは、自分の心をためすため真理子のエステへと向かい・・。

<第8回> 「元No.1復活!!」
  出勤前の明菜(財前直見)のマンション。明菜とよおこ(戸田恵子)が、いつもより念入りに化粧しているのを不思議に思う麻弥(原沙知絵)。それもそのハズ、今日はパラダイスに雑誌の取材が入るのだ。「六本木売れっ子ホステス密着取材」で雑誌に載り、あわよくばナンバーワン返り咲きをも夢みる明菜。その”野望”を聞いた五郎(長嶋一茂)は、ナンバーワンになった明菜を想像して勝手な妄想にふけっていた。
 ところが、明菜の”野望”はみごとに砕かれる。やはり、密着されたのは現役ナンバーワンの亜弓(真中瞳)だった。しかし、転んでもただでは起きないのが明菜。亜弓を囲んだ集合写真に、頼まれもしないのによおこと乱入。見事に写真に納まることに成功する。
 数日後、パラダイスを取材した雑誌が発売された。例の写真のキャプションは「亜弓さんとお仲間たち」。
 ”お仲間たち”にされた明菜は、不服そう。その時、雑誌の他のページをめくっていた麻弥が五月(一色紗英)の写真を発見。パラダイスを辞めてOLになった五月のサクセスストーリーが載っていたのだ。五月のナンバーワンぶりを懐かしく語るよおこ。聞かされる現役ナンバーワンの亜弓は面白くない。明菜は、別世界で成功している元戦友の五月に触発され、ナンバーワン返り咲きを宣言する。
 雑誌の発売で、亜弓目当ての客がパラダイスに溢れかえった。それに比べて、相変わらず指名の低迷する明菜、麻弥、よおこは客の整理を清野(佐藤B作)に命令される。明菜がしぶしぶ、整理券を配りに行こうと店の入り口に向かうと、4人連れの客が入ってきた。その中に、女性が一人・・。明菜は自分の目を疑う。その女性は、五月だったのだ。しばらく見つめ合った後、明菜が五月の名を口にしようとすると「はじめまして」。五月が機先を制するように切り出す。その時、明菜は理解した。五月は”元お水”であることを隠したいのだと。五月の態度に不満を抱く麻弥とよおこに「五月が隠したいと思っている以上、最後まで隠し通してあげるのが私たちの勤めじゃない?」と明菜。少し淋しげに2人に告げる明菜の姿を、石崎(上川隆也)が静かに見守っていた<。
 五月が座ったテーブルには亜弓が指名されていた。ヘルプで明菜もついたため、期せずしてパラダイス新、旧、もっと旧ナンバーワン3人が揃う。悪いことに”元お水”を隠したい五月だが、元ナンバーワンのプライドはまるっきり失ってなく、ひねくれた性格も当時のまま。現役ナンバーワンの亜弓に、ケンカを売るような態度にでる五月に明菜はハラハラ。亜弓もプライドでは負けていないので、ものすごい舌戦が展開。最初は、たしなめようとしていた明菜も、五月から自分の年でチクチクやられて、爆発寸前。逆に亜弓になだめられる始末。そんな争いを懐かしく、楽しそうに見ているのは麻弥とよおこだった。
 五月と上司たちが仕事の話に入ると、明菜と亜弓はチンプンカンプン。わかるのは、どうやら重要なプロジェクトを五月が進めているらしく、そのために相手会社の接待をしなくてはいけないらしいことぐらい。やっと送り出した明菜は精根尽き果てバー「g」で疲れを癒す。
 翌日、明菜は清野からの電話で起こされた。五月と一緒に来た客が忘れ物をしたらしい。明菜はその忘れ物を五月のオフィスに届ける。それを受け取った社員から、明菜は五月の完璧主義が社内で疎まれていることを知る。帰ろうとした明菜は、五月と出くわした。五月と2人きりになった明菜は、昨日の驚きと喜びを素直に口にする。だが五月は、過去をきっぱりと否定。「生きる世界が変わったら、あなた自身も変わるの?」と聞く明菜に「私はもう、パラダイスの五月じゃない」と言い放ち、五月は去っていった。そんな五月を、さびしく見送る明菜。強がってみたものの、五月にも動揺があった。
 その夜、明菜は開店前に五月が思ったより遠くへ行ってしまったと、麻弥とよおこにこぼしていた。しかし、菜々子(矢沢心)たち若手ホステスは、自分の仕事を親や友人には言いにくいと、五月の気持ちに理解を示している。と、明菜に客が来た。やってきたのは五月の上司、三沢部長。三沢は昼の礼に伺ったと言いつつ、意外なことを口にする。あの時話してた接待を、パラダイスでやると言うのだ。それも石崎が勧め、明菜と亜弓をつけると約束したと言う。明菜は、石崎にその真意を尋ねるのだが・・。

<第9回> 「ホステス温泉大騒動!!」
 いつものように清野(佐藤B作)が「パラダイス」の指名賞、同伴賞を発表。いつものように亜弓(真中瞳)がW受賞するが、今回はおまけの賞があった。何と、亜弓はパラダイスだけでなく、六本木飲食店連合会主催のコンテストで「六本木ナンバーワン」に選出されたのだ。 「この女が六本木ナンバーワン?」と、あきれる明菜(財前直見)をよそに、清野は賞金と副賞を渡そうとする。
 この副賞に明菜の目が輝く。何と温泉旅行なのだ。目録を読む加藤(伊藤俊人)によると「ペア」で行く豪華旅行と、ホステス親睦バスツアーから選べるらしい。当然のようにペアの目録を受け取ろうとする亜弓を、明菜が鋭く制した。「自分一人の力でナンバーワンになれたとでも・・・」と責める明菜に、よおこ(戸田恵子)が加勢し、亜弓はしぶしぶバスツアーを受け取ることになる。
 店の控え席では、温泉旅行の話に花が咲く。そして「いつ行くか?」が問題に。そこに石崎(上川隆也)がやってきた。石崎が清野に、今週末に群馬に出かけると告げるのを聞いた明菜は、亜弓の意向を聞きもせず、旅行の日程を今週末に、場所まで群馬に決めてしまう。「温泉地で石崎としっぽり・・・」が、明菜のもくろみなのだが・・・。
 閉店後、麻弥(原沙知絵)、よおこと五郎(長嶋一茂)のバーに行っても、明菜は石崎と温泉で出会う妄想で頭が一杯。麻弥から話を聞いた五郎は、嫉妬の炎でメラメラ。
 温泉旅行の出発日がやってきた。集合場所には、明菜、麻弥、よおこ、亜弓のほかにはみずき(伊東美咲)、ゆうか(黒坂真美)、菜々子(矢沢心)だけ。他のホステスは、何かと都合をつけて来なかった。ホステス同士で温泉に行くのはイヤなのだ。追い打ちをかけるように亜弓は、明菜に石崎が来られなくなったと告げる。
 石崎不在に、がっくりしながら温泉地に到着した明菜だが、良い雰囲気の旅館に気分も上向き。いつもとは逆に、勢揃いした仲居さんたちに迎えられて、ますます気持ちが良くなる。そこに、旅館の女将・貴美子(菊池麻衣子)が挨拶にきた。少しおっちょこちょいな貴美子は、ホステスたちには内緒にしてある本当のツアー名「激安団体パック」の名まで思わず暴露してしまう始末。明菜とよおこは「あんな女将で大丈夫?」と少し不安に・・・。
 荷を降ろした明菜と麻弥、よおこが出かけようとすると、ロビーで明菜を呼ぶ男の声が・・・。「もしや石崎さんが」と振り返った明菜の目に飛び込んできたのは、五郎と祐也(加賀健治)、清野と加藤だった。五郎は明菜と石崎の関係が心配で、店を休んできてしまったのだ。
 観光地を巡る明菜たちは、とあるみやげもの店で、宿泊中の旅館の噂を聞いた。それによると、女将の貴美子は母である先代の後を継いだが、うまくいくかどうかと仲居たちにも心配されているらしい。
 その夜、温泉から上がった明菜たちが部屋に戻ると、豪華な料理が並んでいた。一同ため息混じりで、料理にありつこうとすると・・・。仲居頭から待ったの声がかかる。どうやら、料理の配膳が変わったことを貴美子が仲居たちに言い忘れたらしい。代わりの料理は、どう考えても見劣りするもの。それでも「タダ」と、明菜たちは盛り上がる。
 トイレに立った明菜は、誰もいないロビーで貴美子の声を聞く。貴美子は、先代の遺影に「女将なんて辞めたい」と愚痴っていた。  


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