あらすじ
<第1回> <第2回> <第3回>

<第1回> 「32歳ガケップチ!!・・・これが女の生きる道」
 明菜(財前直見)のようなホステスになりたい・・・。「クラブパラダイス」を1人の女の子、菜々子(矢沢心)が訪ねて来た。だが、応対したボーイの加藤(伊藤俊人)とマネージャーの清野(佐藤B作)は、菜々子に「明菜は2年前に辞めた」と言う。そして、2人は新しくなったパラダイスを菜々子に紹介。今やパラダイスは、六本木で1、2を争う高級クラブと化していた。高級な酒を高級な客が飲み、ホステスは高級な接待をする。明菜が居た頃の温かく陽気な雰囲気とは変わったと清野は菜々子に説明する。店のナンバーワンは亜弓(真中瞳)。明菜を慕っていた麻弥(原沙知絵)は、まだ働いていたが相変わらずドジばかり繰り返していた。
 そのパラダイスに危機が訪れる。十七周年の記念パーティーを前に、亜弓を始めとした人気ホステスが他店に引き抜かれてしまったのだ。麻弥は「パラダイスに愛はないんですか?」と引き止めようとするが、亜弓たちは出ていってしまう。麻弥は、意気消沈した加藤と清野とともにバー「g」へ。「奇跡でも起こらない限り、パラダイスはつぶれる」と言う清野に麻弥が「私、捜してきます」と反応する。「誰を?」とバーのマスター、五郎(長島一茂)が訪ねると当然のように「明菜さん」と麻弥は答えた。
 風の便りに麻弥が行ったのは、田園風景ものどかな美里村。明菜を捜す麻弥は、農作業をしている女に声をかける。「おばさん!」と呼ぶ麻弥に、「このあたしがおばさんと呼ばれるのには十年早い!」と振り返ったのは、明菜本人だった。麻弥はパラダイスの危機を必死に説明するが、明菜は「どうなってもいい」と冷たい。お水を辞めた人間だから力になれないと言うのだ。麻弥は「大切な場所がなくなると悲しいですよね」と淋しく帰って行った。その夜、明菜はパラダイスオーナー・石崎(上川隆也)の夢を見た。夢の中で石崎は「例え別れても、同じ大切な場所を目指して走っていればいつか必ずまた出会う」と、明菜に告げる。「大切な場所・・・」。明菜にとって”大切な場所”とは?
 記念パーティーの前夜。肝心のホステスがいないパラダイス店内で頭を抱える清野。そこに麻弥が10人ほどの女の子を連れて入ってきた。街でスカウトしてきたと言う麻弥に清野の顔は明るくなるが、それも一瞬。なぜなら、接客を指導できるホステスがいないからだ。失敗ばかりの麻弥には、とても任せられない。
 その時、店の前に一人の女性の姿が・・・。明菜がやってきたのだ。そして、彼女に付き添うようにもう一人・・・ベテランホステスで明菜とは腐れ縁のよおこ(戸田恵子)だった。「ネオンが恋しいならあたしに一言、言ってくれなきゃ」と言うよおこに、「違うわよ!一晩だけのヘルプよ」と明菜は言い張って、店内に消えて行った。

<第2回> 「燃えるNo.1!!女の意地」
「あなたが戻ってくるのをずっと待っていました」。2年ぶりに再会した石崎(上川隆也)に告げられ、ホステス復帰を決意した明菜(財前直見)。ホステス明菜と言えば、隣には・・親友のよおこ(戸田恵子)ももちろん一緒に復帰を遂げる。
 だが、店には2年前とは違うシステムが出来上がっていた。マネージャーの清野(佐藤B作)は、ホステスを甘やかしてしまうような”ナンバー・ワン待遇”を作っていたのだ。現在、その恩恵を受けているのは亜弓(真中瞳)。ハイヤーでの送迎だけでなく、麻弥(原沙知絵)曰く「すごくいっぱいあるみたいです」の厚遇を許している。明菜は当然、石崎が反対すると思ったが「今まで通りでお願いします」と容認してしまう。
 五郎(長島一茂)の店で、よおこや麻弥を相手に愚痴いっぱいの明菜は「あの女の好きなようにはさせないわ!」と対決宣言はしたものの・・。
 先月の指名賞、同伴賞ともに獲得している亜弓の前にタメイキの明菜。亜弓のナンバー・ワンは伊達じゃない。すると亜弓は清野に「私のヘルプは?」と聞き出した。これもナンバー・ワン待遇のため、亜弓のヘルプについた娘は自分の指名客が来ても席を立てない制度になっている。だが、以前のヘルプが止めてしまったため、誰がつくのかを清野に尋ねたのだ。やりとりを聞いていた石崎は、なんと相変わらずのドジ娘、麻弥をつけると言いだした。亜弓は反対するが、石崎は「最も指名が少ないホステスをつける」と冷静に言い放つ。そんな石崎のやり方に、明菜は失望を隠せない。
 ロッカールームでは、亜弓が麻弥に自分の得意客の名刺を渡す。酒の好みまで記憶して欲しいと言う亜弓に明菜は、少しずつ覚えればいいと口を出すが・・。これも、ナンバー・ワン待遇のため亜弓は客の酒を作らないのだ。灰皿の交換まで全てがヘルプの仕事、ナンバー・ワンは客を楽しませる会話をすればいいのだと亜弓は言う。
 早速、麻弥が亜弓のヘルプについたが、うまく運ぶはずもない。数少ない指名客が来ても、麻弥は亜弓の席を離れられずにいる。それでも、一生懸命ヘルプを勤める麻弥を明菜とよおこは不安げに見守っていた。その不安が的中し、緊張で一杯になっていた麻弥はついに客の前で大失態を演じてしまう。
 亜弓は、麻弥がヘルプでは接客に集中できないと直訴。さらに、あんなに仕事が出来ないホステスはパラダイスに必要ないとまで・・。明菜は「それは違う!」と割り込むが、亜弓に「私と麻弥のどちらを選ぶ」と問われた石崎は、亜弓だと答えるのだった。非情を責める明菜に「変わってしまったのは、あなたの方です」と石崎。「以前のあなただったら、麻弥さんをかばうだけでなく、亜弓さんのためにも何か出来ることを考えようとしたはず」と諭す石崎。明菜はオーナールームを飛び出した。「亜弓のため・・」と言う、石崎の言葉を混乱した頭の中に響かせながら・・。

<第3回> 「コギャルホステス登場」
 「お水」明菜(財前直見)の東京生活が始まった。だが、マンションには麻弥(原沙知絵)が同居を決め込み、隣室には悪友、よおこ(戸田恵子)、朝から五郎(長嶋一茂)がやってくるわで、落ち着いた生活は出来そうもない。
 明菜、麻弥、よおこがそろってクラブ・パラダイスに出勤すると、マネージャーの清野(佐藤B作)が新人ホステスの菜々子(矢沢心)を紹介。明菜を慕って入店したという菜々子だが、ナンバーワンの亜弓(真中瞳)にも如才なく接し、働き始める。
 さっそく、みずき(伊東美咲)のテーブルについた菜々子は、テキパキと仕事をこなし麻弥が追い越されるのも時間の問題と感心する明菜とよおこ。だが、菜々子には弱点があった。ホステスを目指したのに、酒が飲めないらしいのだ。
 閉店後、菜々子の歓迎会が始まると、明菜はさりげなく彼女のグラスをソフトドリンクに交換。そんな菜々子に、みずきとゆうか(黒坂真美)は「ホステスなら、お酒ぐらい飲めないと」とイジワル。ガンバル菜々子は酒を飲むが、一口飲んだだけでダウン。明菜の腕に倒れ込んでしまった。ロッカーで介抱する明菜は「飲めないなら気にすることはない。働いていて楽しいのがいちばん大切」と菜々子に告げて、帰らせた。
 しかし、菜々子は定期入れを落として行ってしまう。さりげなく拾って中を見た明菜は絶句。なんと菜々子は、17歳だったのだ。バー「g」で、麻弥とよおこにその事実を話す明菜。五郎によると、18歳未満は深夜にホステスをやってはいけないだけでなく、発覚すれば店側にも責任が追求されると言う。「石崎(上川隆也)さんが、牢屋に‥」。考えただけでも恐ろしい事態に身をふるわせる明菜。また、一生懸命に仕事をする菜々子も放っておけない。
 翌日、明菜は菜々子に法律のことを話す。だが、菜々子は「バレなければ大丈夫」と、全然気にしていない。仕方なく明菜は、その夜から菜々子のテーブルにつきっきり。菜々子の年齢がバレないようにと気を使う明菜は、ヘロヘロ。だが、いつも側にいるわけにはいかない。数日後、ついにその時が来た。亜弓が自分の客とのアフターに、菜々子を連れていってしまったのだ。
 こうなっては隠しておけないと、明菜は石崎に菜々子の年齢をうち明ける。石崎は、優秀なホステスだが、店のためには菜々子に辞めてもらうしかないと言う。だが、その決断は明菜に任せると言う。パラダイスを辞めても、菜々子は他店で年齢をごまかして働くかもしれない。「それが本当に彼女を救うことになるのか?」と、石崎は明菜に問う。そして、明菜ならその答えを見つけられるのでは? と。石崎に新たな命題を出された明菜。この難問にどう立ち向かうのか?


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