<第1回> <第2回> <第3回>


<第1回>
 1999年、春。  新学期を迎えた私立天晴(てんせい)学園の職員室では恒例の教頭の訓示が響いていた。
「少子化時代に向けて学園のイメージアップをはかりたい。ついては偏差値アップを心がけることと警察沙汰になるような不祥事は避けること!」
 しかし、学園には2年H組という“問題クラス”がありそれが一番のガンだった。尾崎一馬・新理事長(加藤雅也)の方針に従うべく学園には今学期から“管理教育の鬼”と呼ばれる男性教師が赴任して来ることになっていた。が、広岡浩・校長(森本レオ)の手違いでやってきたのは藤堂直海(藤原紀香)という同姓同名の女教師だった!
 過去5年間で26回もの解雇歴をもつ彼女は、“管理教育の鬼”などとはまるでよべない“問題教師”だった。
 結局、校長の決済で2年H組を担任することになった直海は親切に“問題クラス”の資料を渡そうとする矢代尚美(佐藤藍子)に、「私は私の見た目で判断するわ」と、いきなり資料をゴミ箱に捨ててしまう有様。思い切り反感を買うが、「頑張って下さい、期待しています」と意味ありげに去って行った生活指導の甲斐奈緒実(りょう)に対しては一目をおいたようだった。
 最初の授業で奈緒美は2年H組は安達薫(黒坂真美)を中心とする女子が裏で仕切っていると察知する。やがてその中の一人、田宮今日子(内藤陽子)が援助交際とカード窃盗の問題を起こす。教師たちはこのことが理事長に知られては一大事だと彼女の処分を急ぐ。「規則上、退学に」という甲斐に対して、「もっと深く調べるべきだ」と新米熱血ぶりを発揮する矢代。しかし、担任の直海は、「本人が認めているんじゃしょうがないじゃない?」と冷めたそぶり。
 が、今日子の事件には3年A組の超エリート・今井省吾という男子生徒が絡んでいた。今日子はつきあっていると思っていた彼にだまされ、高価な腕時計を手に入れようとしたために事件を起こしたのだ。
 矢代の抵抗もむなしく、今日子には“退学処分”が言い渡された。
 やがて、今日子の前に現れる直海。
「あんたが愛を貫いた日よ。パッと退学祝いといきましょう」。
そして授業中の教室から今井を連れ出す直海。「課外授業よ」。
 久保光一(中村俊介)の車でダブルデートを装い一同は遊園地に向かう。そして世界一高いと言われる大観覧車に乗るが、4人を乗せたゴンドラが頂上付近に来たときに突然ストップしてしまう。知らせを受けた教頭以下、学園側は大パニック。
 さて、命をかけた直海の課外授業はどうなる?!

<第2回>
 天晴学園の職員室のファクスに生徒の自殺予告を送付されてきた。案の定、学校側は該当者探しに躍起になる。
その昼、自殺予告第2弾が送られてくる。女教師"N"へのラブレターの形をとっているが、Nのつく女教師はナオミら3人しかいない。
矢代尚美(佐藤藍子)は、その生徒を救おうとする。
 折りから学校では、生徒の進路相談が行われている。2年H組の佐伯あすか(仲根かすみ)との面談を終えた甲斐奈緒実(りょう)は、直海に「進路どころか卒業もあぶない」と告げる。
あすかは、トップの成績で入学しながら、その後の試験をすべて白紙で提出している。音楽家同士の両親は外国に、あすかはひとりホテル住まいだった。
そのあすかは、2年E組の岡田真治(永井正人)が好きらしい。あすかの気持ちに気がつかない真治を見た直海は「鈍感な男」と軽蔑する。
その後、調べで自殺予告は2年H組の仕業と分かった。
あすかに退学勧告が示される。だが、直海は自分担当の家庭科だけは白紙を許さないと言い、真治に愛を告白しろと迫る。その上、体育の授業中の真治を引っ張り出し、見本と称してキスしてみせる。
職員の間でも話題になるが、喜んだのが、直海に敵対心をみせる2年H組の安達薫(黒坂真美)たちだ。「生徒に淫乱行為を強要!」のチラシを作り、直海を教職に戻れないようにするといきまいている。
あすかの両親が離婚することに。どちらも自分を引きとりたがっていないことを知ったあすかは、学園の屋上から飛び降り自殺を図かろうとする。

<第3回>
 生徒会の顧問になっ藤堂直海(藤原紀香)の提案で、天晴学園のクィーンコンテストが開催され、女生徒が8人ノミネートされる。高校生に人気のある雑誌も協賛して盛大なものに。
しかし、ノミネートされた8人のうち、モデルをしている2年H組の相田夏美(北川弘美)が、開票途中でトップに立った同級生、安達薫(黒坂真美)の票を破り捨てたことが分かってしまう。
トップ当選したものの、破り捨てたことがばれて夏美は生徒たちから冷たい目で見られる。思い余った夏美は、自分をひいきにしてくれるもうひとりの生徒会顧問、矢代尚美(佐藤藍子)に「学校をやめたい」と訴える。
それを聞いた直海は、「逃げる気?」と言い、「もう一度、コンテストに出てもらう」と言う。「見世物にする気?」と抗議する夏美に、直海は「やめたら逃げ回る人生よ」と説得する。
夏美はモデル稼業をしているだけに、誰にでも愛想をよくしているが、その夏美の本当の姿を見抜いているのは、いつもワープロに向かっている同級生の文学少女、阿久津サチ(濱松咲)だった・・・。


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