<第10回> <第11回> <第12回>


<第10回>
 天晴学園のレベルアップを望んでいるのに、不祥事ばかり起こるのはなぜか、という理事長の尾崎(加藤雅也)の問いに、教頭の永井(石田太郎)らは、天晴学園のガンは2年H組の生徒たちと担任の藤堂直海(藤原紀香)にあると指摘する。それを聞いた尾崎は、天晴学園を守るためなら手段を選ばない、と2年H組の分割転校も辞さない考えを示す。
そのころ、家庭科室で直海が蒸し器を探している。一緒に探していた2年H組の中根保(一条俊)の上に、「危ない」という皆の声とともにガタガタと棚から鍋や釜などが落ちてくるが、保はすばやい動きでそれらを避ける。それを見て直海は「すごい瞬発力」と内心感心する。そこへ現れた矢代尚美(佐藤藍子)が、次の模試で平均55点以上を取らなければ2年H組は分割転校させられることを知らせる。それを聞いた直海は、「やってやろうじゃない。私の辞書には不可能って文字はないのよ」と反抗の姿勢を示す。
2年H組の分割転校の噂で不安げな仲間の姿をよそに、保は「好きだ」と思いを伝えたクラスメートの風見章子(小高早紀)から、「何とも思ってない」と言われたりしている。それをたまたま聞いていた直海は「きつい子ね」と言うが、保は「根は優しい人」とかばう。
 1週間後、2年H組の分割転校をかけた模試が行われる。皆の心配をよそに英語で平均75点を取り、職員たちを驚かす。が、直海が小型無線を使って正解を教えていたのだ。しかも、次の国語の試験で保がドジを踏み、それがバレてしまう。
尾崎は「2年H組の分割転校は決定」と言うが、甲斐奈緒実(りょう)の発言で、一芸に秀でた生徒を残すことに。「成績最下位の中根保は無理だ」と言う尾崎に、直海は「中根保ができるってことを証明して見せるわ」と断言する。保の瞬発力を買う直海は、全国高校ボクシング大会関東地区予選に保を出場させる考えだ。ビビる保を説得し、トレーニングを開始する。だが、保は小学生相手の練習試合でもノックアウトを食らうありさまだ。
そんな保に、章子が「あんたバカよ」とやめることを勧める。奈緒実も「やめさせないと悪い結果になる。やりすぎは危険だ。」と忠告するが、直海は「今やらなかったらあいつは一生、逃げ腰のままになる」と言う。
予選会当日。保の対戦相手は、優勝候補。ビビッた保は姿を消す。直海は保を探し出し、ハッパを掛ける。一方、奈緒実は章子を説得して応援に行かせる。そしていよいよ試合時間になってしまったが・・・。

<第11回>
 理事長の尾崎一馬(加藤雅也)が提案している「2年H組分割転校」を阻止するために、成績最下位でクラスメイトの使いっ走りでも才能があることを証明するために中根保(一条俊)をボクシング大会に出場させた藤堂直海(藤原紀香)。保は相手の反則で判定勝ちをしたのだが試合終了後意識を失ったまま病院に収容された。学校側はそれを問題化し、「故意に生徒を危険な目にあわせた責任をとって解任すべきだ」という甲斐奈緒実(りょう)の発言で直海の教師解任が決まる。そして直海は「保が身体をはって人間やればできるっていうことを証明したのだから」といって2年H組の分割転校中止を認めてもらうかわりに自分は潔く天晴学園の教師をやめることにした。
矢代尚美(佐藤藍子)は、解任動議を出した奈緒実を非難するが、奈緒実は直海の教員免許剥奪を避けるためだったと諭す。一方、理事長の尾崎は、教頭の永井(石田太郎)に2年H組の分割転校手続きを引き続きするように命令する。それを知った尚美は理不尽な結果に腹をたて校長の広岡治(森本レオ)に、直海に対する約束違反を善処するように要求。そして体育教師の久保光一(中村俊介)らとともに、学校を去った直海を探し当て学校に復帰するように訴える。しかし、直海は「私はもう教師じゃない。だから、関係ない。たまには自分自身で解決するように」と断る。
 そのころ直海と学校側の約束が反故にされていることを聞かされた生徒たちは、手分けして教頭の永井と学年主任の加山(大河内浩)とともにPTA会長である安達薫(黒坂真美)の父親も呼び出していっしょに拉致する。これが警察沙汰になり、かけつけた尾崎に薫が直談判する。直海は2年H組の騒ぎを知らされて駆けつけるが、そこで奈緒実から理事長のもう一つの陰謀を聞かされたのだった。

<第12回>
 天晴学園の理事長尾崎(加藤雅也)が、少子化時代に生き残るために天晴学園と他校との合併を発表する。反対する藤堂直海(藤原紀香)は「学園を守る」と尾崎に宣言する。
他の職員たちは就職探しを始める。尚美(佐藤藍子)は直海に秘策があるとにらむが、実際のところは直海には何も無い。奈緒実(りょう)は「明後日の理事会までに手を打たないと」と言う。そこで考えた末に直海は、2年H組が学校を守るためだったらなんでもするという気持ちをまとめ「学校をかけた勝負よ」といって30人縄跳びで世界記録に挑戦し、世界一の記録を持つことで学園を存続させようとする。
 天晴学園の理事会当日、2年H組の世界記録をかけた縄跳びがスタート。新聞社の記者やカメラマンたちもやってくる。縄跳びは299回を跳んだところで縄が切れ、世界記録は達成できない。尾崎は「すでに結果は出た」と背を向ける。が、直海は「私たちの勝ち」と言う。学園の歴史の最後を飾って記録されるからだ。 「学校に愛など必要ない。学校は人生の成功の道具にすぎない」と言い張る尾崎。彼には小学校を8回も転校したという過去があるため、母校を思う気持ちがないことが直海たちにわかる。天晴学園はどうなるのか。


戻る


[第1-3回] [第4-6回] [第7-9回] [第10-12回]