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<第4回>
 ある日、ワイズ東京の支配人・宇佐美薫(伊武雅刀)あてに高校生の元宮真紀(前田亜季)が訪ねてきた。今度のオークションリストにでているのジュモーのビスクドールを売ってほしいと頼みにきたのだ。「オークションの品は、オークションで落札しないかぎりお売りできない」と宇佐美が真紀に説明していると横からビスクドールのオークション担当の坂崎歌子(大島さと子)が「300万ほどの値はするだろう」と話す。
予想価格を聞いて落胆した真紀だったがあきらめきれずワイズ東京の裏口をうろうろしていた。
 保管室では、そのビスクドールをチエックしている立花雅之(江口洋介)の姿があった。詳しく鑑定しようと坂崎には内証でビスクドールのケースをもってこっそりと立ち去ろうとした立花だったが折原千鶴(葉月里緒菜)にみつかりとがめられる。それを聞きつけた真紀はとっさに「宇佐美の娘」だと嘘をついて二人に近いづく。が、宇佐美に娘がいないことを知っている立花は真紀にワイズ東京を訪ねてきた本当の理由を問いただすとオークションにかけられようとしているビスクドールは母親の形見だと話す。「いつまでも死んだお母さんのことばかり考えていてもしょうがない」と真紀の父親が遺品を全て売り払ってしまったのだ。ビスクドールを探し求めていたのだ。立花らが目を話した隙にビスクドールを真紀が盗み出してしまった。立花は慌てて真紀を追いかけるのだが・・・。
 そしてオフィスでは、亀井喜春(石原純一)が配達されてきた油彩を受け取っていた。その絵は坂崎担当だったのが、彼女が不在のためかわりに預かり亀井は梱包もとかずにそのまま保管室に立てかけて出ていってしまった。
その後オフィスにもどった坂崎が油彩画の梱包をといてみると愕然とする。なんと額縁のガラスがわれ、破片がキャンバスにつきささっていたのだ・・・。
 立花はたまたま居合わせた岡島卓郎(岡田准一)と手分けしてようやく真紀をつかまえビスクドールを返すよう言う。「返したくない」という真紀だったが岡島の優しさにふれビスクドールを静かに二人にもどした。立花らがワイズ東京にもどり、ビスクドールを丹念に鑑定してみるとレプリカだと分かる。その旨がスタッフに説明されオークションリストの価格が300万から30万に修正されることに。それを聞いた千鶴と岡島は、本宮真紀に会いに行くことにする。落札価格予定が変更になったので、ビスクドールのオークションに来るように勧めるためだった。
 オークション当日、アンティークの鑑定家としてなかなかの目利きといわれる桜田(二瓶鮫一)が客としてあらわれた。そしてレプリカのビスクドールを品定めしならが「この子、実に面白いですな・・・」というのだった。
 オークションの開始時間は刻一刻と迫ってくる。真紀はあらわれるのか・・・。そして桜田の意味深な微笑みとは・・・。

<第5回>
 成田空港の保存倉庫では、ワイズ東京の支配人・宇佐美薫(伊武雅刀)が中国から到着したばかりの「粉彩 花鳥文大丸甕」を見ながら「まさしく『西太后の遺産だ』」と素晴らしい国宝を迎えて感無量の様子。
「西太后の遺産」は今からおよそ100年前、西太后の還暦を祝って、窯元である景徳慎で焼かれ、絵付けされて献上された磁器のことをいう。ワイズ東京が日中友好ミレニアム記念「西太后の遺産」展を開くことになり、門外不出だった国宝を中国政府から借りたのだった。そして「西太后の遺産」はスタッフに見守られながらワイズ東京に運ばれた。
 誰もいないワイズ東京の支配人では北京芙蓉美術館長のヤン(不破万作)が 木箱をもってそっと忍び込む姿があった。ヤンが木箱から磁器をとりだしたのだが、「西太后の遺産」と全く同じものがあらわれる。宇佐美のデスクに並ぶ二つの「粉彩 花鳥文大丸甕」。ヤンは自分のもってきたものとすりかえようとしようとしたのが、突然支配人室にスタッフが入ってきたので、自分がもってきた木箱をかかえてデスクの下に息を殺して隠れた。ヤンが隠れていることなどつゆとも知らない宇佐美はそのまま「西太后の遺産」をもって出ていってしまった。
スタッフが支配人室から出ていったのを見届けてヤンはデスクの下から部下のウー(温水洋一)に震えながら、携帯電話に「すりかえは失敗だ。計画は変更だ」とふきこんだ。が、ウーは北京から来た美術館スタッフ接待で二日酔いになってしまった立花雅之(江口洋介)を介抱している時、携帯電話をトイレで落としてしまっていたので、キムからの命令変更を聞くことができなかった。
 命令変更を知らないウーは「西太后の遺産」を抱える宇佐美にそっと近づき周囲に気づかれないようにを後ろから押した。その弾みで、宇佐美は持っていた「西太后の遺産」を落とし、壊してしまったのだ。
「国際問題だ!」と慌てる国会議員の猪原(中丸新将)らをよそに、その破片を拾った折原千鶴(葉月里緒菜)は「これは贋物。この絵付けは景徳鎮の職人技ではない。しかも北京で見たものとは明らかに違う。」と言い放つ。そしてそれには立花も同意。「それならあさっての記者発表まで本物を探してみろ」と猪原らが言いだす。
そのころ、ワイズ東京にテツ(坂本朗)と名乗る浮浪者が、「この磁器を買って欲しい」と訪れていた。身なりなどから、スタッフらは追い返してしまったのだが、テツが持ってきたのは、「粉彩 花鳥文大丸甕」だった。「西太后の遺産」にそっくりであることに気がついたのだが、テツがどこへ行ったのか分からない。唯一の手がかりはテツと一緒にいた少年のユウキが「隅田川の船の公園から来た」と千鶴に話していたのだ。
さっそく千鶴と宇佐美は隅田川へ。一方、立花はウーが落としたと思われる携帯電話を見つけ、「粉彩 花鳥文大丸甕」について調べ始める。
 はたして本物の「粉彩 花鳥文大丸甕」は見つかるのか!?
 そして中国美術館関係者が不審な行動をとる理由は何か!?

<第6回>
 ワイズ東京の支配人・宇佐美(伊武雅刀)や岡島(岡田准一)、 茂木(おかやまはじめ)らは、交通事故で急死した人気演歌歌手の邸でハウスオークションの準備に大わらわ。
 ハウスオークションとは、家一軒まるごと売り出すことをいう。この仕事を取ってきた岡島はやる気十分。
 ところが、オークショニアをすることになっていた茂木が腹痛を訴え、病院に運ばれる。急性盲腸ですぐにでも手術が必要になったので、代わりにオークショニアの経験がない岡島が自分でやると志願する。
 が、オークションが始まると岡島はすっかりあがってしまう。しかもリストを取り間違えるという失態をおかしてしまうが、その姿を客たちは楽しんだ様子。岡島のオークショニアは失敗かと思いきや、「ウチでもハウスオークションを」と二件依頼が来る。宇佐美は顧客の新規開拓と喜び、歌子(大島さと子)は「可愛いから」と満足げ。
 依頼者の一件は、急きょ閉鎖することになったというイオ共和国の大使館の秘書官。残務処理のため大使館内のものを売りたいとのこと。そしてもう一件は、移植手術を受けなければ命が危うい娘を抱える未亡人、辻朋子(中島朋子)からだった。朋子は亡夫が遺したレストランを娘の入院代のため処分したいとのこと。
 立花と一緒に朋子に会いに行くと「娘の手術代で2000万円必要だ」という朋子の依頼に、立花は「プロの不動産屋が二の足を踏んでいるようなものにオークションの客がとびつくとは思えない」とすげない。立花が求められたことに結果をだすのがプロだからこたえられないものは引き受けることができないというのに対して、岡島は「僕が指名された仕事だから、僕のやり方であの人の力になる」と言いはなつ。
 イオ大使館の依頼は新手の詐欺だった。大使館と言って信用させ、手付け金を受け取り逃げる手口。「パリで流行っているのに、気づかないなんて・・・」と、岡島に同行した宇佐美にぶ然と立花は話すのだった。
 一方、岡島は朋子の亡夫の天使の絵を買い上げ、そして亡夫が遺したという店の処分まで引き受ける。岡島の朋子に対する入れ込みように千鶴(葉月里緒菜)は心配そう。その予想通り、岡島がある日、朋子の店に行くと、店はがらんとして取り片付けられ、朋子の姿はない。代わりに本物の大家がいて「倉庫の鍵を前の店子から返してもらうのを忘れたので、彼女の連絡先を教えて欲しい」と反対に聞かれる岡島は、ただその場で立ちすくむのだった・・・。
 ワイズ東京のスタッフたちは、まんまとだまされてしまった岡島を励ますのだが、岡島は宇佐美に「明日のオークションでオークショニアをやらせてほしい。あの天使の絵を自分でオークションにかけ、それを彼女の子供のために遣いたい」と頼み込むのだった。


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