<第7回> <第8回> <第9回>


<第7回>
 朝子(小泉今日子)に宇都宮(柏原崇)を好きだときっぱり言われ、耕三(柳葉敏郎)は、スッキリとした表情で朝子の家から帰って行った。だが耕三はその日結局、実(北村総一朗)の部屋に帰らず、実と理子(西田ひかる)を心配させていた。
 一方、営業部の花火大会の宴会副部長に無理矢理就任させられた朝子。そんな朝子を笑って眺める宇都宮は、喫茶店で遥(小雪)と会った時、「私より好きな人できた?」と聞かれ、びっくり。さらに「あんまり優し過ぎると、かえって痛いよ」と言われ、宇都宮は席を立った遥を追えないでいた。
 そして営業部をあげて屋上で行われた花火見物。ドーンと花火が鳴った時、宇都宮の手が朝子の手をギュッと握りしめた。動けない朝子…。
 ぼんやりとした足取りで家に帰った朝子。すると千明(小林聡美)がマリッジラインの身上書を朝子に見せた。神田弥生、24歳。耕三と今度お見合いする女性だといい、千明はそこに一緒に行こうというのだ。だが宇都宮との一件から覚めやらぬ朝子は、千明の話に聞く耳を持たない。だが千明のいつもの強引なやり口で、朝子はそのお見合いに行くことになってしまうのだった。
 その朝子は仕事が好調で、指導係の宇都宮はもう必要ないんじゃないか、と同僚に言われていた。が、朝子は半ば強引に宇都宮の仕事についていく。そんな朝子を悪くも思わない宇都宮は、仕事が入ったと言って遥に電話し、会う約束をキャンセルするのだった。
 そして訪れた得意先で、朝子は大活躍。宇都宮は朝子に契約祝いにでも行こうかと誘われる。しかし、朝子には耕三のお見合いに立ち会う約束があり、仕方なくその誘いを断るのだった。
 遅れて到着した耕三のお見合い場所。が、突然朝子の携帯が鳴った。宇都宮が車で事故ったという知らせだった。
 すぐに病院へ駆け付け、宇都宮が眠るベッドの横にそっと忍び寄る朝子。するとドアがガチャリと開き、遥が入ってきた。怪我は大したことないと言う遥を前に、朝子は退散しようとするが、遥に呼び止められた。宇都宮とのなれそめを語る遥。そして、無理をしている宇都宮を見るのは嫌なのだとも。何も言えない朝子…。
 翌日。耕三が突然朝子の部屋にやってきた。朝市だったからと言って、大量の野菜をダンボールに詰めて持ってきた耕三は、神田弥生と付き合ってみようかと思っていると宣言した。良かった良かったと言う朝子と千明。ついでに耕三は、今晩行う実と理子の結婚の前祝いに来ないかと二人を誘う。頷く二人。
 だが、耕三が帰ると、千明は突如態度が豹変したように言い出した。宇都宮を心配する朝子に元気になってもらいたくて、野菜を届けに来たのだと。「ホントにダメ? 浜崎耕三」
問いかける千明に、「……うん」と頷く朝子。ため息をつく二人。
 その晩、実と理子の結婚前祝いパーティーを訪れた千明親娘。耕三ははじめ助川(近藤芳正)や神山(八嶋智人)、三河屋店主(塩見三省)ら、皆が二人を祝っていたが、千明が理子の両親のことを尋ねると、実と理子の口は重くなってしまった。すると何を思ったのか、実がとんでもないことを言い出した。
「大家さん……やめませんか……明日の結婚式」
実は、たとえ時間がかかっても、ちゃんと両親にわかってもらってから結婚するほうがいいんじゃないかと言うのだ。そこに、遅れてきた朝子が実の部屋の前の廊下を歩いていると、理子の父親・芳夫(新克利)が立っているのに気づいた。朝子が声をかけようとすると、「しっ」と言って芳夫は朝子を制した。そうして中の様子の一部始終を聞いていた芳夫は…

<第8回>
 宇都宮(柏原崇)とキスをし、交際をし始めた様子の朝子(小泉今日子)。また耕三(柳葉敏郎)は弥生(遠山香織子)からその日の晩のデートの積極的なプッシュを受け戸惑っていた。
 そんな朝子は、離婚しようとしている千明(小林聡美)のことで相談に乗ってもらおうと、耕三に電話。耕三は弥生とのデートがあるというのに、朝子の誘いを受けてしまう。
 そうとは知らず出社した朝子は、誰かが社内でキスをしていたと大騒ぎしている皆を見てドキドキ。宇都宮と共に固まってしまう。警備の徳兵衛が目撃したというその噂だったが、徳兵衛は今日は休み。ホッとする朝子と宇都宮だった。
 いっぽう、弥生の家を訪れなんとか弥生にデートの断りを入れた耕三は、弥生の家のあまりの大きさに圧倒されていた。
 そして朝子は、東(小野武彦)に営業先から呼び出され、キスの件は自分と不倫相手のことだから、くれぐれも他言無用だと言われていた。ひとまず安心し、宇都宮に電話を入れる朝子。
 その宇都宮は、遥(小雪)に連絡をとろうと何度も電話をしていたが、連絡がとれず、とうとう遥の勤める店まで行っていた。すると遥は一週間前に結婚するからと店を辞めたという…。
 その晩、朝子と耕三は話し合いの結果、美季(大平奈津美)を使って千明を夫の元に戻すのがいいと考え、早速二人で家に向かう。だが、作戦はあえなく失敗。すると千明は、耕三は今日、デートをキャンセルしてきているのだと言い出した。驚き、謝る朝子。そんな朝子に耕三は宇都宮と上手くいってることを良かったと言い出した。微笑む朝子。
 そうして家に帰って耕三がゴロゴロしているところに、新婚旅行から実(北村総一朗)と理子(西田ひかる)が帰宅した。自分が邪魔者であることを感じ、助川(近藤芳正)の家に行く耕三。
 その頃、遥とようやく連絡がつき、やっと会えた宇都宮は、ついに遥に「スキな人ができた」と切り出した。「洋介はいっぱいいろんなものをくれたよね」「ありがとう」と言って去って行く遥。立ちつくす宇都宮…。
 翌日、出社した朝子は宇都宮に声をかけるが、宇都宮の顔色は冴えない。そんなところに、東が声をかけた。徳兵衛が見たというキスのカップルは「若いヤツら」だったというのだ。疑いが晴れ、喜び、今度はそのカップルをつきとめようと興奮する東を前に、「まずいよ、コレ」とつぶやく朝子。その後、すぐにキスの張本人は宇都宮じゃないかということになり、いたたまれなくなった朝子は営業に出る。
 と、朝子がロビーに出たところに、弥生が立っていた。「あたし、浜崎耕三さんがスキです」と言い、朝子に身を引くようお願いする弥生は、朝子を引き連れ、耕三の働くスーパーに車で疾走した。耕三の前でハッキリさせたいというのだ。
 だが、弥生の強引なやり方に多少の憤りを感じた朝子は、弥生に「失礼だと思うよ」と言い、さらに「つきあってる人がいるの。それで十分よね」と言って帰りかけようとした。途端、ごめんなさいと言って泣き崩れる弥生。
 公園で弥生を慰める朝子と耕三。すると朝子の携帯が鳴った。千明からだった。「えッ! 離婚?」
 弥生の運転で実のアパートにやってきた朝子と耕三。どうやら、実と理子が離婚すると言い出したらしいのだ…。

<第9回>
 夏祭りの担当をすることになった朝子(小泉今日子)。その指導係の宇都宮(柏原崇)との関係は、仕事場でも熱々ムード。かたや、前日の晩、弥生(遠山景織子)の家で酔いつぶれて寝てしまった耕三(柳葉敏郎)は、罪の意識に苛まれていた。
 そんな折り、耕三の働くスーパーに弥生がやってきた。明日の晩、改めて家に招待したいというのだ。その前にけじめの話をつけようとする耕三。朝子に未練のある耕三は、弥生と結婚するのは、弥生を傷つけることになると思っているのだ。いっぽう、宇都宮とその晩デートをしていた朝子は、料理が得意だと咄嗟に嘘をついてしまう。
 同じ頃、弥生に話をつけようと居酒屋に来ていた耕三。だが、話をつける前に今度は弥生が酔いつぶれ、タクシーで送っていくことに。その帰り道、耕三はコンビニで料理本を立ち読みしていた朝子と遇然遭遇。朝子は、耕三に、料理ができる女性のほうがいいとあっさり言われてしまう。
 翌日。千明(小林聡美)が歓迎していたと宇都宮に告げる朝子。そんな話をこそこそしているところに、三河屋店主(塩見三省)が夏祭りの実行委員長として登場。その雰囲気を怪しまれ、朝子と宇都宮は退散する。
 その頃、耕三の働くスーパーには再び弥生が現れ、その場に居合わせた実(北村総一朗)と理子(西田ひかる)ともども、家に招待されてしまう。神田家に行き、耕三が泊まった日の話を聞く3人。どうやら耕三は弥生に介抱されただけらしい。そしてその場の成りゆきで、弥生の父親に「娘なら差し上げます」と言われてしまう…。その足で助川(近藤芳正)の家に行き、神山(八嶋智人)や千明らと、戸惑いまくる耕三達。そんなことになっているとはつゆ知らず、宇都宮とデートをしていた朝子は、宇都宮から欲しかったピアスをプレゼントされ喜んでいた。が、お礼に、手料理を作って欲しいと言われてしまい…。
 翌朝。朝子の元には高校の同窓会のハガキが。それを見た千明は、実家にも同じものが届いているかもしれないと思い、シンガポールに電話される前に今晩のうち実家に顔を出そうかと考える。
「行ってきます」と家を出る朝子。「ってことは、今夜、私1人?」足を止める朝子…。
 その晩、宇都宮を家に招待し、料理を作ろうとした朝子。だが折悪く、そこに千明が帰って来てしまう。お邪魔な気配を察知し、立ち去ろうとする千明。が、今度はそこに耕三と助川までもが、実家からのおすそわけだと言って登場。結局、その場の流れで、みんなそろっての夕食会ということになってしまう。朝子の失敗作の料理をベースに、耕三の手でなんとかおいしい食事にありついた面々。そして宴も終わり、宇都宮を送りに出た朝子は、実は料理は苦手だったと正直に告白。笑いながら、今度一緒に挑戦しようと提案する宇都宮。
 家に戻った朝子は、千明に質問される。
「宇都宮洋介について、一つお伺いします。『ありがとう』って言えそう?」それは朝子の理想の結婚像だった。
「……うん」答える朝子。
 部屋に居た耕三に、宇都宮とお似合いだと言われ、ニコリと笑う朝子。そしてお返しに、弥生とお似合いだと言うのだった。
「お互い頑張りましょうね」
 再び友情という絆ばかりが深まる朝子と耕三…。


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