<第1回> <第2回> <第3回>


<第1回>
 救急医研修生として勤務することになった楓(松嶋菜々子)は、初出勤の途中でとんでもない事故に出くわす。前のトラックに積み込まれた鉄パイプが滑り落ち、作業員の胸を貫通してしまったのだ。
 運び込まれた病院の救急医として救急車に乗り込んだものの、何の役にも立たない。幸い、外科医、進藤(江口洋介)の適切な処置で患者は一命を取りとめるが、楓は進藤から怒鳴られどおし。その進藤が楓の指導医になる。
 仕事が一段落したところへ、次の患者、青山(長江英和)が送られてくる。X線を見た医師、堺(杉本哲太)は、「コンドームに薬物を詰め、飲み込んだってとこだろう」と言う。
 進藤の説明に反発して病院を出ていった青山は、痛みが再発して病院へ。治療台に載せられた青山は、コンドームに詰めたヘロインを飲み込んだことを明かす。
 医師たちとしては手の施しようがなく、自然排泄を待つしかない。医師や看護婦たちが見守る中、青山の排泄作業が始まり、飲み込んでいた数十個すべてを排泄する。
 医師の落合(沢村一樹)と昼食を摂っていた楓は、進藤が病院内で患者とデートしていることを聞かされる。そんな時、手首を切った女性が運び込まれてきた。自殺未遂の常連ということだった。
 担当する進藤について手術室に入った楓は、その女性が高校時代の同級生、良子( 鈴木砂羽)と知って驚く。良子は楓に「友達づらしないで」と言うが、彼女は心臓も悪いのだった。
 手術が終わったところへ、一家心中を図った父と幼い娘が運ばれてくる。父親は間もなく死亡する。楓は父親とのアミューズメントパーク行きを楽しんでいる娘、彩花(工藤千尋)に言うべき言葉がない。
 彩花の部屋から泣きながら出てきた楓を見た進藤は、楓のことを救急医に向いてないと言った後、「帰った方がいい」と言う。たまりかねた楓は、「勤務中に患者とデートしてもいいのか」と反発する。
 当直明けの楓は,進藤にあいさつもせずに帰るが、良子のことを思い出してアパートを尋ねる。良子の姿はなく、水の流れる風呂場を覗くと、湯船の中に切った手首をつけた良子を見つける。
 連絡を受けた進藤は、蘇生作業を続けるように命じるとともに救急車を手配し、良子は救われる。婦長のルリ子(大島蓉子)は楓の処置を誉め、進藤も良子を楓の担当患者第1号にしてくれる。
 新米の看護婦、ゆき(須藤理彩)は、楓が誉められたことを喜ぶが、楓もまた、救急医として認められたことがうれしい。廊下を歩く楓が足を止めた。そこはICU。その個室から流れてくる音楽に誘われ、楓が覗くとそこには進藤の姿が──

<第2回>
 心肺停止状態の男性が運び込まれた。進藤(江口洋介)を中心としたスタッフは整然と動き始めるが、不慣れな楓(松嶋菜々子)は治療室から追い出されてしまう。
 連絡を受けた患者の男性の弟は「死んだら連絡をくれ」と冷たい。進藤も早めに死亡を確認する。朝の会議で、楓の先輩研修医、辻(八嶋智人)は、進藤の処置を非難するが、進藤に軽くあしらわれる。
 楓は指導医、進藤の人間性を疑問視するが、逆に辻は楓の未熟さを指摘する。そこへ、辻の発言を聞き込んだ患者の弟が現れ、進藤の不手際を問題化して金を脅し取ろうとする。しかし、逆に医局長の多田(清水章吾)に脅されてしまう。
 楓は、彼らの会話から、進藤が訪れる患者の早紀(高田美佐)が進藤の妻で、交通事故で植物状態になったことを知る。そこへ、睡眠薬で自殺を図った龍村( 泉谷しげる )が、さらにステージから落ちたモデルが運び込まれる。
 進藤は龍村の処置を楓に任せる。楓は感激するが、それも下手な治療で二度と死のうと考えさせまいとすることと知って怒る。治療に疲れた楓は、病院内を探検中の子供、将太(三觜要介 )を捕まえる。進藤の患者、美奈子(宮崎淑子)の子供だった。
 進藤は「病院は遊ぶところじゃない」と将太を叱る。楓は進藤のような感情のない医者にはなりたくないと思うが、意識を取り戻した龍村との間で「なぜ生き返らせた」「医者の務め」とケンカになる。
 その龍村が屋上の手すりを乗り越え、飛び降りようとする。楓は必死に謝るが、やってきた進藤は「死ぬのを止めないよ」と言い、龍村に近づいて「死ぬには低すぎる」とからかい、自殺を思い止まらせる。
 美奈子は不安定狭心症。将太が「いつ帰れるの?」と聞くのに対して楓は、「明後日にも」と言ってしまう。それを聞いた進藤は「いいかげんなことを言うな」と叱る。その夜、美奈子が辻のミスで呼吸が止まってしまう。
 治療室に進藤をはじめ、医師たちが集合、楓も駆けつける。美奈子の家族も呼ばれる。ミスした辻は治療室の前で呆然としている。懸命な治療のかいあって美奈子の心拍が復活する。
 楓と新米看護婦のゆき(須藤理彩)は喜ぶが、進藤はまだ「助かったわけじゃない」と言う。心臓が止まっていた60分の間に、脳の一部に深刻なダメージを与えた可能性があるからだ。進藤の妻、早紀の状態がそれだった。
 だが、その翌朝、美奈子が意識を回復し、手を差し出した将太の手を握り返す。楓もゆきも涙ぐむが、それを見た進藤は早紀の病室に入り、「お前も早く目を覚ませ」と呼びかけるのだった。

<第3回>
 ピストルで撃たれた中野(阿藤海)が送られてきたが、続いて食中毒にかかった草野球チームのメンバーが運び込まれて救命救急センターは目の回るような忙しさだ。
 そんなところへ、治療ミスを冒して故郷へ帰ろうとした辻(八嶋智人)と、辻の忘れ物を届けた楓(松嶋菜々子)とが、腹痛で倒れた道子(角田よしこ)を羽田から運び込んだ。
 道子は46歳。高齢妊娠に加え、高血圧と糖尿病の持ち主。進藤(江口洋介)は道子の夫、佐竹(斎藤暁)に帝王切開をすすめている。
 仕事が一段落したころ、楓は医局長の多田(清水章吾)に、病院をやめようとした辻のことを弁護するが、それがかえって辻にいたたまれない思いをさせる。さらに、妊娠と分かった女子高生に早期堕胎をすすめて怒らせる。
 おまけに、学会に発表する論文を打ち込んでいた堺(杉本哲太)のパソコンのコードを蹴飛ばし、データを消してしまう。落ち込む楓は、自分を尊敬してくれるゆき(須藤理彩)に「医師に向いていないのかも」ともらす。
 朝の回診で楓は、道子の異常に気づく。道子は「陣痛が始まったみたい」と言う。合併症を持つ高齢出産。産婦人科病棟に移すヒマもなく、救命救急センターの初療室で出産が行われることに。
 必死でいきむ道子。かん子分娩を試みる楓。進藤と代わろうとするが、進藤に「逃げると逃げぐせがつく」と叱られる。夫の佐竹が目をつぶった一瞬後、赤ん坊の泣き声が響きわたる。
 みんなが拍手をしているのを聞いた女子高生は母親に「生みたい」と言っているが、その騒ぎの中で中野が姿を消して大騒ぎに────


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