霧に棲む悪魔
圭以と弓月は、白い女の幽霊が出たという廃校の教室で、夜通し白い女を待つ。埃が積もった教室には圭以の母が寄付したというピアノが残こされていて、それだけが磨きたてのように黒光りしていた。
翌日も、翌々日も、圭以と弓月は白い女を待ち続けた。昼間は龍村家の後継者と貧しい使用人という立場を守りながら、夜は廃校に忍びこんで白い女を待つ、二人だけの秘密の時間─。反発しあっていた二つの心がいつしか寄り添って…。
夜、こっそり部屋を抜け出す圭以に、晴香が気づく。圭以と弓月の間に何かあるのでは、と晴香の心はざわめく。
そして、もう一人、圭以と弓月の行動を見張っている人物がいた…。
霧の深い夜、弓月が廃校へ向かうと、霧の向こうから微かにピアノの音が…。
翌日も、翌々日も、圭以と弓月は白い女を待ち続けた。昼間は龍村家の後継者と貧しい使用人という立場を守りながら、夜は廃校に忍びこんで白い女を待つ、二人だけの秘密の時間─。反発しあっていた二つの心がいつしか寄り添って…。
夜、こっそり部屋を抜け出す圭以に、晴香が気づく。圭以と弓月の間に何かあるのでは、と晴香の心はざわめく。
そして、もう一人、圭以と弓月の行動を見張っている人物がいた…。
霧の深い夜、弓月が廃校へ向かうと、霧の向こうから微かにピアノの音が…。