ふとした偶然から「龍の眠る丘」に広がる『龍村ファーム』で働くことになった弓月は、オーナーの圭以を見て驚く。森で出会った白いマントの女にそっくりだった。弓月は正体を探ろうとして圭以の観察を始める。
　屋敷には圭以の伯父・玄洋も暮らしていた。玄洋はほとんど部屋にこもりっきりの、変わり者だった。
　圭以とともに龍村邸に暮らす異父姉の晴香は、ダンサーだった弓月に憧れを抱いていて、弓月が身分を偽っていることに気づいたが、二人だけの秘密にすることを弓月に約束する。
　弓月は、姉妹に白いドレスの女のことを話し、彼女が十六年前に亡くなった二人の母親に会いたがっていた、と語る。しかし圭以は、白い女など、きっと夢でも見たのだ、と弓月をあざ笑う。
　翌日、手紙を手にした圭以が、弓月のもとに怒鳴り込んでくる。