<第7回> <第8回> <第9回>


<第7回>
 真也(鳥羽潤)に突然キスされた深美(深津絵里)は、今度は自分から真也を呼び出し、「わざと変な行動したり、変なこと言ってみせたりする奴嫌いなの。ただ子供だってだけの話しじゃないの」と言い放ち、そのまま真也を残して立ち去った。
 そんなある日、深美宛にお客から「あなたが担当して処理してくれたおかげで助かりました。本当に有り難う」とお礼の電話が入る。「どんなにつまらない仕事と思っていても、それなりに喜びがないわけではないんだ。……日常って多分そういうものなんだ」と思う深美だった。
 千津(水野美紀)は、音楽に夢中になるわけでもなく仕事をしようともしない美紀夫(加藤晴彦)にウンザリしているが、口に出せないでいる。しかし、レストランで、自分が運んだ料理を子供達がおいしそうに食べる姿に、小さな幸せを感じるのだった。
 啓介(椎名桔平)は、義父の亮介(山本圭)の口利きもあったが、契約を取ったことが自信になったのか、セールスのアポイントも取れるようになる。また次子(中山忍)は取引先にやる気を理解され、仕事を任されるようになる。 
 深美は姉の直美(奥貫薫)から中野誠二(笠兼三)を紹介され、お見合することになる。実際に会って、深美は中野のことを「いい人そうだな」と思う。しかし中野から、「深美さんはどんな女性なんですか?」と聞かれるが、「あ、どんな人なんだろう?私って」と深美は答えられない。
 仕事が順調に回りだした啓介は携帯電話で次子に報告する。次子も仕事がうまくいったので啓介に伝えようと思っていた矢先の電話だったので、何か不思議な気持ちになる。啓介は「浅井さんだとなんでも気楽にしゃべれる」と言う。次子も「私は人と距離を置いてしまうところがあるけれども、佐伯さんだとそんなことなくて…」。
 ある日のステップカルチャーセンター。ゴスペル教室が終わり深美と千津は次子と合流する。明日はお盆休みだからゆっくりしようと皆で次子の部屋に行くことにした。千津は美紀夫との生活の中で、何かはっきりしない気持ちを感じていることを、そして深美はお見合い相手のことを語る。次子は自分の気持ちを素直に言える男性のことを話し出し、「好きなのかも知れない」と告白する。その相手が義兄の啓介と知らない深美は、「好きになる気持ちはしょうがない。その気持ちは別に正しいとか間違っているとか関係ないと思う」と言うのだった。そのまま三人はいつまにか眠ってしまって朝を迎えるのだった。
そして、翌朝深美の提案で三人は海に行くことにする・・・。

<第8回>
 深美(深津絵里)、千津(水野美紀)、次子(中山忍)の三人は思いつきで海に行くことにしたのだが、その際に荷物を準備するために自宅に立ち寄った千津は、美紀夫(加藤晴彦)が生活態度を改めるきっかけになればと『私、ニンシンしました。千津』という嘘のメモを残してきた。それを見た美紀夫は「…産めよ。頑張らなくちゃな、俺」というのだった。そんな美紀夫に千津は良心を痛める。
 やっと仕事が順調に進みだした啓介(椎名桔平)は上司の片山(平泉成)から「明日から本社に戻れ」と言われる。八島不動産販売が倒産してしまうからだ。そして本社に挨拶に行った啓介は、配属先が決まらないので総務課で待機してほしいといわれる。総務課では周りが忙しそうな中、啓介は何もすることがなく座っているだけだった。
 ある日、3人で行った海での写真ができたからと深美の声かけで千津と次子は集まることにした。千津は美紀夫が自分の嘘を真にうけてしまったことを相談すると、きっかけさえあればちゃんと出来る人だ、ということがわかったことはよかったことだけれども嘘はよくないから謝るようにと深美と次子からアドバイスを受ける。だが、なかなか本当のことをいいだせない千津だった。
 深美はこの前お見合いをした中野誠二(笠兼三)と会うことにした。そして「そんなに素敵なのに、なんで私なんかって言う。そういうところが好きです」と結婚を前提に交際して欲しいといわれる。そしてその際に中野から啓介が本社に戻ったことを聞く。中野は本社での啓介の後輩にあたるからだ。
 次子は啓介と話したいと思いつつも啓介を意識してしまって自分から電話をできないでいた。そんなおり、啓介から電話がかかり本社にもどることになったことや、今までいた会社が倒産することを聞かされる。啓介は倒産後かつての同僚がどうなるのか心配だと次子にいいつつも愚痴ばかりでごめんなさいと謝るのだった。
そして啓介は倒産してしまった八島不動産販売を訪れる。そこには片山が一人いるだけだった。啓介が「部長に認められたかった。それができたらが何でもやれる自信になるような気がしてました」というと、片山もよくやったよというのだった。そして片山は「サラリーマンって何なんだろうね。」「俺はこんな会社でも愛していたよ」と続けるのだった。
 ある日の公園の前を歩いていた深美はため息をつく真也(鳥羽潤)を見かける。模試の結果が悪かったかららしい。それを見た深美は自分から真也にキスをする。目をまるくする真也に「そういう気分だったから」といいつつも男のくせにウジウジするんじゃないわよという深美だった。
 千津はファミリーレストランの上司から美紀夫が千津を無理させないよう言いにも来た事を聞かされる。これ以上嘘をつくことはできないと思った千津は「妊娠というのは嘘だった」と勇気をだして打ち明けると「人の人生何だと思っているんだよ」と涙ぐみながらいう美紀夫だった。千津からその話を聞いた深美は「美紀夫君分かってくれるよ」と千津を励ますのだが、千津が部屋に戻ると、美紀夫は見知らぬ女性と寝ていた…。

<第9回>
 千津(水野美紀)は、美紀夫(加藤晴彦)が、見知らぬ女性をアパートの部屋に連れ込んだのにショックを受け、たまらず実家がある三重行きの長距離バスに飛び乗った。千津は深美(深津絵里)の携帯電話に「私はもうダメ…田舎に帰る」「頑張るって約束したのに…ごめんね」と一方的に話すばかりだった。
蜜柑畑を営む両親や弟のいる三重の実家に戻った千津はなにか退屈で「つまんない」と周りに八つ当たりする。千津の両親は千津が東京でなにかあって帰ってきたことには気がついていて、千津に地元での仕事を勧めたりする。 
 啓介(椎名桔平)は、新たな配属先として人間開発室勤務を命じられていた。そこは独房のようなところで、そこには勤務時間は9時から5時そして昼休み以外の外出と私物の持ち込み禁止という就業心得が張られていた。啓介はただただ座っているだけだった。「新しい仕事のはじまりでしょう」と嬉しそうな妻の直美(奥貫薫)にとても話せなかった。
 深美は結婚を前提につきあいたいといわれている中野(笠兼三)と食事に行くことにする。中野が一生懸命話す姿を見ながら「いい人なんだ…でも」と思う深美だった。そして会社を出るときに待ち伏せしていた真也(鳥羽潤)に対して、「今日は約束があるからだめ」と断りつつも深美はちょっと心に引っかかるものを感じていた。 
 ある夜、深美が自分の部屋でくつろいでいると千津から泣きそうな声で電話があった。「ニンシン……しちゃったの、私」「ホントなんだってば、どうしよう…」という千津だった。深美はいてもたってもいられなくなって次子といっしょに美紀夫(加藤晴彦)がいるはずのアパートへむかう。やっと出てきた美紀夫に千津の妊娠を告げると「どうしろっていうわけ?千津に頼まれてきたわけ?」と返事をする美紀夫。が、千津からは美紀夫には妊娠のことを言うなと口止めされているし、どうすべきだというのはないけれど話したほうがいいと思ったから来たという深美らの真剣さから美紀夫は深美らを部屋に入れる。そこで美紀夫は「妊娠が嘘だと知ったときは力が抜けた。でも、心のどっかではホッとしてたんだ」と本心を語るだった。そんな美紀夫に次子は「千津を迎えに行って」と涙ぐみながらいうのだった。その言葉に我にかえったように美紀夫は千津を迎えに三重に向かった。
 次子は啓介から会いたいと言われる。次子は、深美に「彼の様子がちょっと変で、すごく弱い感じで。でもなんだか怖くて…軽蔑しない?」と電話しつつもタクシーで待ち合わせ場所に向かうのだった…。 


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