<第4回> <第5回> <第6回>


<第4回>
 羽村深美(深津絵里)、太田千津(水野美紀)、浅井次子(中山忍)の三人は、佐伯啓介(椎名桔平)の上司とも知らず「OLのくせに」といちゃもんをつけてきた片山(平泉成)にビールをかけてそのまま走って逃げてきた。そこではじめて3人は自己紹介などをする。仕事があるからと次子はそのまま帰っていったが、深美は千津に誘われて千津のアパートへ。二人で話していると千津の同棲相手の米村美紀夫(加藤晴彦)が帰ってきた。「おじゃましてます」と挨拶する深美をそっちのけで美紀夫に悪態をつく千津。
 啓介(椎名桔平)は上司から後輩の営業マンに外回りについていくよう命じられる。外回りから帰ると片山から「おまえにはこの仕事が向いてないのがわかったろ。うちは無能な人間を雇っているほど余裕がないからやめてくれ。もうこれ以上いわせるな」といわれ、返す言葉もない啓介だった。 
 深美は千津から突然「もう少しで仕事が終わるから飲みにいこう」と誘われる。深美が千津の働くファミレスの前で待っていると美紀夫にあう。美紀夫が「千津のことをよろしく」といって立ち去っていったのを不思議に思っていると、実は千津が「バンドはやめたんじゃなくてやめさせられたくせに」と言って家を飛び出していたのだ。それを聞いて深美は「千津はポンポンいいすぎるところがあるんだから」と注意すると、千津は反省しつつもこのまま美紀夫といっしょにいていいのか悩んでいる旨を話す。それに対して深美は「悩みの内容もハッキリしてりるのがうらやましい。私なんてそういうのすら何にもないから。私ってつまらない人間だよね」という。そういう深美に対して千津は「今のままじゃいけないって悩んでるんじゃない」「仕事も育ちもなにもかも違うけれど、この人と私は同じだと思ったんだよ。屋上で二人で叫んだとき感動したのよ、私は」という。そして千津は美紀夫ののろけ話しを続けるのだった。      
 次子は「女の子だから無理とか仕方がないとかいわれたくない。男の人ができることは女の私でもできることを実証したい」といいながら、外まわりをする。そして初めて新規契約を取ることができ、部長にも褒められ、やった!と思うのだが、男性社員とともに接待すると、「おたくもうまいね。若い女性を営業に使い。これじゃ契約してしまう」といわれる。女の子扱いされたことにがっかりする次子。会社で嫌味を言われて力を落とした次子がポツンと駅にのいベンチに座っているところを、啓介が見つけた。つらいセミナーをともにしたときの次子の表情を思い出すのだす啓介。そして啓介は…。
 深美と別れて家に戻る途中で美紀夫のギターが捨てられているのに気がつく。あわてて家に戻ると美紀夫の姿はなかった。深美に電話をするが「どうしよう…美紀夫がでていっちゃった」とおろおろするばかりの千津。それを聞いて深美は千津のもとにむかった。

<第5回>
 深美(深津絵里)は、美紀夫(加藤晴彦)が何も言わずいなくなったという悲痛な千津(水野美紀)の電話を受け、千津のアパートに急いでいた。深美は、ただ話しを聞いてやることしかできなかったが、千津は「深美ちゃんがいてくれてよかった」と何度も言うのだった。
そのころ啓介(椎名桔平)は、先日の営業セミナーでともに惨めな思いをした浅井次子(中山忍)を駅のホームでみつけ声をかけていた。啓介はセミナーでの惨めな思いや自分がおかれている状況を次子に話すのだった。
 深美は新規会員獲得のノルマを言い渡されている。が、なかなかノルマを達成できない深美のために姉の直美(奥貫薫)は新会員申込書を深美の会社に持っていった。その帰りに啓介の会社を見に行くことにした直美だったが、ちょうど、啓介と上司の片山(平泉成)が出てくるところでを見かける。啓介の上司に叱られている姿を初めてみる直美だったが、それを啓介にみつかってしまう。啓介は直美に気づき不快そうな表情を露わにするのだった。
 深美は昼食時、千津に呼び出された。千津は美紀夫のことで、心配をかけ、そのお礼にごちそうするという。楽しくしゃべり始めた二人の前に、突然西田真也(鳥羽潤)が現れる。そして真也が深美のノルマのことを口にすると千津は、急に怒ったようになり席を立つ。深美を友達だと思っている千津にとって、真也の存在や深美のノルマのことをきかされていなかったのでむくれたのだ。「水臭いよ、私は深美ちゃんのこと友達だと思っていたのに」という千津に対して「結構面倒臭いやつだよね」と微笑む深美だった。
 次子は、新規契約の最後の手続きを男性社員にやらせたと部長から聞かされていた。男性社員をよこして欲しいという先方の担当者からの依頼だったのだが「信用ないんじゃないか」とも言われ、男性と対等でいたい次子にとっては大きなショックだった。落ち込む次子は自分のことを心配してくれていた啓介に電話をしてみる。そして留守番電話に自分の身の上を啓介の留守番電話に吹き込んだ。優秀だった兄が事故で死んだこと、兄をかわいがった両親を見返すつもりで頑張ってきたこと、などなど誰にも話したことのない心の内を切々と語るのだった。
 深美の家では、娘とのコミュニケーションを取ろうと深美の父・亮介(山本圭)が、ゴスペルのCDを買うなど、頑張っていた。妻みどり(真屋順子)は亮介の気持ちをわかってあげるよう深美にいう。
 そんなある日、行方をくらませた美紀夫をカルチャーセンターの帰り道の深美と次子が街で見つけ、追跡を始める。そして千津も呼び寄せ、3人で美紀夫のあとをおいかけるのだが・・・。

<第6回>
 家出した美紀夫(加藤晴彦)が見つかり、深美(深津絵里)と次子(中山忍)はホッとしながら家路につくが、その途中次子の携帯が鳴った。「男!」と直感した深美は、次子をからかうが、深美はその電話の相手が自分の義兄の啓介(椎名桔平)であることは知らない。
 啓介は上司の片山(今泉成)から「1週間以内に契約が取れなければクビだ」と通告された。啓介は自分なりに一層必死になってセールスに奔走するが、契約は一向に取れず苦悩する。
 ある日深美がゴスペル教室に行くと、千津も次子も来ていない。千津の欠席は美紀夫に夕食を作るためだった。その帰り道、深美の携帯が鳴った。「回れ右!」の声にその通りにすると、視線の先には手を上げる真也(鳥羽潤)がいた。「近くにうまいラーメン屋があるから」と真也に引っ張られていくと、そこで次の日曜日、遊園地に行こうと誘われる。
 日曜日、深美は妹の好美(赤坂七恵)の服を着て出かけた。深美が待ち合わせ場所の駅前に着くと、自分を殴った睦美(緒沢凛)と一緒の真也を見つける。深美はなんだか情けなくなり、真也に声をかけられずそのまま帰ってしまう。勝手についてきた睦美に「帰れよ」と追い払らった真也は、帰ろうとする深美の姿をみつけ、必死に後を追ったが見失ってしまう。その後、真也からかかってきた電話に、深美は「冗談かと思ってたから行かなかった」と言うのだった・・・。
 契約が取れず苦しむ啓介のため、直美(奥貫薫)は父の亮介(山本圭)に相談。亮介はマンションを欲しがっている同僚をみつけ、啓介に紹介する。啓介は直美の気遣いに気づき「…頼んだのか」と尋ねるが、結局亮介の紹介を受けることにした。その契約は亮介の信用もあって話はトントン拍子に進む。妻の家に助けられたという複雑な思いの啓介は、妻の直美に表情もなく「ありがとう、助かったよ」と言うのだった。
 弁当屋のアルバイトに精出す美紀夫だったが、前のバンド仲間からオーディションに通ったと聞かれされたとたん、「こんなのやってられない」とアルバイトを辞めてしまった。それを聞かされた千津は前のように怒らずに、反対に「また探せばいいじゃん」と気遣うのだった。 
 ある日、千津が声をかけ、深美と次子の3人が集まる。美紀夫を追いかけてくれた次子に千津がお礼を言ったあと、3人は近況報告で盛り上がる。千津は「美紀夫がいなくて死ぬほど淋しかったから、幸せにならなくてもいいから美紀夫がいてくれるだけでいい」と言うのだった。次子は啓介のことを「携帯で話すだけだけど、その人だと何でも話せる。好き嫌いとかではなくて、いろんなことを話せる相手だ」と皆に打ち明ける。深美はどうなのかと聞かれ「私は……はどうなのかな。恋愛だけになりたくない。それだけになると傷ついたとき立ち直れないから」と言うと、次子からは「男は男、自分は自分です」と言われる。さらに千津は「傷つくのをおそれていたら恋愛なんて出来ない」。
 初契約が取れると片山らに祝福される啓介。内心、自分の力ではないのにと思う啓介だが、次子には早速報告する。「おめでとうございます、一度、実際に契約してみて、そのコツとかがわかるじゃないですか」と、携帯で励まされ素直に喜べるようになる啓介だった。
 その頃、深美は真也に突然キスされ、ドギマギしていた…。


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