あらすじ
<第10回> <第11回>

<第10回> 「最後の最後に・・・」
 あい(天海祐希)に「もう一度、やり直さないか?」と、自分の気持ちをぶちまけ、帰宅した詠一郎(本木雅弘)は、操(石田ひかり)の話しも上の空。頭の中は、あいのことでいっぱいだった。一方あいは「やり直そう」と詠一郎に言われ、今でも詠一郎を愛している自分に気づき、心の中はパニック状態。帰宅した晶午(北村一輝)に癒され、やっと眠ることができた。
 翌朝「いってらっしゃい」と操に見送られながらも詠一郎が向かったのは、川向こうのあいの家だった。あいは、どうしていたのだろう? 心配になってのことだったが、家はシンとしてだれもいない様子。しかし、詠一郎は中に、あいがいると確信し「もう一度区役所へ婚姻届けを出しに行こう」と、気持ちを語り出す。あいも一瞬、心がグラつくが、「そんなことできるわけないでしょ」とピシャリ。それでも、食い下がる詠一郎に、あいもついに「確かにあなたを待っていた」と、心の中を打ち明けた。しかし「私は操の親友なの。二人が詠一郎を奪い合う・・そんなのは耐えられない。現実は、恋愛小説みたいにはいかない」と気持ちを振り切るように言うのだった。
 詠一郎は賭けに出た。「初めてデートした場所で、明日の夜待っている」と詠一郎は言い出す。「覚えていない」というあいだが、「来なかったらあきらめる」と言って詠一郎は去って行った。詠一郎は、あいは絶対来ると確信していた。その場所は、詠一郎が、あいの「ぬくもり」を初めて知った場所だった。「どこ?」。あいは思い出せない。
 溝口(田村亮)から頼まれたアトリエ作りのため、溝口邸に出向いたあい。そこで、あいは、溝口と詠一郎のことを話題にするうち「愛はぬくもりと言い換えてもいい。人間はぬくもりを求めて生きていく」と溝口に言われ、ある決心をかためようとする。
 そのころ、耕作(原田泰造)は、操の店に新しい仕事場用のランプを買いに来ていた。話をするうち、詠一郎を失いたくない操、あいをものにしたい耕作は利害が一致。近いうち、二人は、絶対合うと確信する操は、耕作をけしかけ、現場に乗り込もうと提案する。ゾッとしつつ、耕作は承諾。そして二人して、詠一郎を付け始めた・・。

<第11回> 「結婚式の悲恋」
 詠一郎(本木雅弘)が、あい(天海祐希)の愛を確認、キスしようとしたまさにそのとき、突然、操(石田ひかり)が現れ、まるであいの存在が目に入らないかのように、詠一郎をその場から連れだし、自宅に連れ帰った。手早く料理を作った操。心中複雑だが「おいしい」と言って食べ始めた詠一郎。そんな詠一郎に、操は、「年老いた父を喜ばせてあげたいし・・・」と、結婚式を挙げようと言い出す。式には、あいも呼ぶとも言い、詠一郎は、あっけに取られるのだった。
 その夜、詠一郎が、「女の闘いを止めさせるのは、始めた俺しかいない」と考えながらベッドで寝付けないでいるとき、やはりあいと操の修羅場にいた耕作(原田泰造)は、ソルで荒れていた。その様子を由香子(伊東美咲)は「どうしたの?」といぶかるように見つめていた。
 操は式場を森の中の教会と決め、正式に結婚式の招待をしにあいを訪ねた。あいの家には、明洋(谷原章介)、ハコ(金子さやか)夫婦が遊びに来ていて、「結婚式に出て」という操に、ハコは「何考えているの?」と声を挙げた。
 翌日、あいが詠一郎の結婚式に出るつもりでいることを晶午(北村一輝)に言うと、晶午は、「別の決着の仕方が必要だと思う」と話す。それに「分かってる」と答えたあい。心の中で何かが動き出していた。
 詠一郎は、ソルで耕作に会い、式に出てくれるように頼む。快諾する耕作だが、あいも出ると聞き、耕作は、詠一郎につかみかかった。「どこまで、あいさんを苦めるんだ」と耕作は荒れ、志摩子(木村多江)らになだめられるのだった。
 結婚式当日がやってきた。耕作に、明洋夫婦、晶午、それに由香子に志摩子と全員顔をそろえた。あいもやってきた。「あなたにとっては結婚式、私にとっては、離婚式」。あいの明るさに詠一郎は、心のふれあいを久々に感じるが、その様子に気づいたのか操はあいに、バージンロードを父に代わってエスコートして欲しいと頼むのだった。
 あいに付き添われ、操が礼拝堂に入ってきた。祭壇には詠一郎。詠一郎は、あいから操を託され、操と二人、牧師の前に。
 式が始まった。賛美歌が流れ、聞くともなく聞いていると、あいの頭に、詠一郎との出会い、結婚、新婚生活、操の登場といった一連の出来事が蘇ってきた。必死でこみ上げてくるものを抑えるあいをよそに、式は厳かに、詠一郎と操の愛の宣誓に進んでいった。
 牧師に尋ねられ、操が「誓います・・・」と、言葉にしようとした瞬間だった。静まり返った礼拝堂に「待って下さい!」と席を立つ、あいの声が響いた・・。


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