あらすじ
<第1回> <第2回> <第3回>

<第1回> 「家族なんてウソの始まり!結婚が愛を殺した…」
 製菓会社の企画部に勤務する洋介(真田広之)は、きょうも電車に揺られ、2LDKの社宅に帰宅した。すでに長男の翔太(泉澤祐希)は寝て、妻・ひかる(米倉涼子)は、洋介が帰り夕食の支度を始めた。
 バツイチながら結婚八年。息子も順調に育ち、平凡な毎日に洋介は、ウンザリ感はあるものの、今の生活にまずまず満足していた。
 テレビを見ながら夕食をつつく洋介に、ひかるは、あれこれ話かけるが、洋介はまともに取り合わない。そんな関係に刺激を求めたのか、ふと、ひかるを見て、洋介はドキッ!。エプロンの下は全裸だった。そんなひかるに惰性もあって洋介は「したかったらしたいって言えよ!」とつい、言ってしまった。
 洋介はダイエット新製品の売り込みに取りかかっていた。影山部長(小倉智昭)から「お菓子屋がダイエットフードなんて所詮邪道。失敗したら責任を取らせる」と言われる洋介だが「ここで頑張らなければ・・・」と力む。洋介のプライドでもあった。
 翌日、広告代理店の紹介で女性誌で人気急上昇中の出版社に出かけた。スタイリッシュでカッコいいスタッフが動き回る明るいオフィス。その美しさに洋介は目移りしてしまう。洋介としては、雑誌に広告を出す代わりに、ダイエット新商品の記事を書いてもらおうという目算だった。
 現れた女性編集長を見て、洋介はポカン!。なんと一年結婚生活をして別れた知華子(鈴木京香)だった。より美しくなり、スカッとした知華子。代理店の人間もおり、改まった仕事トークで話を進める洋介だが、時折胸元からのぞく知華子のバストの膨らみにドキドキ。そんな洋介に知華子は「試食の上、記事化するかどうか決めます」と話すのだった。
 仕事の話が終わり、洋介と知華子、二人だけになると、知華子は打ち解けて洋介に話しかけてきた。ちょっと幸せを感じる洋介だが、美貌のため、整形までした知華子に驚くのだった。
 知華子との偶然の再会を喜ぶ気持ちをかくしながら、ひかると翔太とともに洋介は休日ショッピングセンターにでかけた。和気あいあいの三人家族。洋介がふと、気づくとひかるがいない。周囲を探すと、若者たちの輪に入り、ヒップポップ音楽に合わせ、ひかるは踊っていた。「よせよ!。社宅の人に見られたらどうするんだ」と、洋介はひかるの腕を取り、若者たちの輪から連れ出した。「なによ!」。ひかるは不満そう。
 翌日、会社に出ると洋介に知華子から急な電話が入り会いたいという。「まんざらでもないのか」と洋介がヤニ下がりつつ、出版社に向かうと、知華子は試食したが「甘すぎて、記事にはできない」と洋介に言い放つ。「広告を出したんだぞ」と洋介が迫っても「こちらも一回一回が勝負。今の女の子はシビアなの」と言われてしまう。憤懣やるかたない洋介だが、その通り、新製品は売れず、洋介は、年下の上司がいる営業に左遷されてしまうのだった。
 左遷の辞令が出た日、自宅に戻った洋介は、ひかるにグチを言おうとするが、ひかるは取り合わず、突然「別れたい。この結婚は間違いだった」と言い出す。なぜだ?全く洋介はわからない。
 知華子には、腐れ縁の愛人、カメラマンの根津(宇崎竜童)がいた。時間がおした香港女優(ケリー・チャン)をなだめ、この日も無事に撮影は終了。いつものように知華子は、なんとなく、根津と体の関係を続けてしまうのだった・・。

<第2回> 「愛も仕事も奪われたあげく」
「すいません。すぐプレゼン始めますから」。洋介(真田広之)が会議室に飛び込んできた。ひかる(米倉涼子)が出ていって一週間、洋介は、翔太(泉澤祐希)の世話や家事に追われ、約束の時間に遅れたり、早退せざるを得なかったり、仕事に支障が出始めていた。「的場さん。奥さん病気なんですって」という中川(戸田昌弘)に、しばしば注意され、まさか出ていかれたとは言えず「えっ、まぁ」と答えるのが精一杯だった。
 知華子(鈴木京香)は雑誌の企画会議の真っ最中。「結婚する女しない女」がテーマで、話が不倫に及んだとき「編集長電話です」と受話器を渡された。出ると不倫関係を続ける根津(宇崎竜童)の妻(夏木マリ)からだった。これから会いたいという妻に「会議中ですから」と断る知華子だが「それなら、そちらに押し掛ける。今、ロビーにいる」と言われ、知華子は近くの喫茶店で根津の妻に会った。根津が帰らず、知華子の所にいるのではと、妻は押し掛けてきたらしい。「夢を売る女性誌の編集長が家庭を壊すなんて」など、知華子は「別れた」と言うが、妻は言いたい放題。その上、知華子を平手打ちして帰っていった。
 数日後、洋介が会社に行くと、人間開発課へ異動を命じられた。一応、社史編纂という目的はあるが、三畳間ほどの部屋に一人しかいない課で、自主退職を促すセクションだった。
 仕事で、知華子は根津に会った。「ウチのが来たんだって」と親しげに話しかける根津だが、知華子は自己嫌悪もあって、彼とはキッパリ別れようと、引っ越しを決意するのだった。
 洋介はついに会社を辞めた。こんなときひかるがいてくれたらと、ひかるのことを考えながら自宅近くの駅でボーとしていると「洋ちゃん」の声。振り向くと知華子だった。知華子が根津と別れるため引っ越してきたのは、洋介の社宅の近くだったのだ。
 会社を辞めた以上社宅を出ていかねばならない。職も探さねばならない。しなければならないことがいっぱいの洋介。翌朝、洋介は、翔太がPHSを落としたことから時折、ひかるから電話があることを知る。そんな洋介に翔太は「パパが出ると切れちゃうよ」と言って学校へ出かけていった。それでも鳴ったら出ようと、PHSを持ってスーパーに行くと知華子にばったり。一つ残った牛乳を知華子と取り合い、洋介は、知華子と口論してしまう。
 仕事も引っ越し先も見つからない洋介。ひかるからの電話も気になる。そんな時、洋介の部屋の電話が鳴った。「ひかる?」と思い受話器を取ると知華子だった。詳しい説明をせず、知華子は「あした一緒に来て」と話すのだった・・。

<第3回> 「知りたくなかった、妻の顔」
 ひかる(米倉涼子)は新宿歌舞伎町のスナックに居候していた。居所を突き止め、洋介(真田広之)が会いに行くと、出てきたママの梨絵(大島さと子)に「会えないよ」と言われてしまい、洋介はすごすご帰るしかなかった。
 社宅を追われ、知華子(鈴木京香)に言われるまま、知華子のマンションに引っ越してきた洋介。翔太(泉澤祐希)を連れている洋介を見て、知華子は「聞いてない。なかったことに」と言い出すが、洋介父子に行くところがないこともわかっている。「しょうがないか」と知華子はあきらめ、洋介父子の荷物が運び込まれた。知華子は翔太に「キャサリンと呼びなさい」など、洋介父子に同居のルールを細細と申し渡す。「ママより恐そう」と翔太。
 引っ越しの後かたづけが一段落すると、チャイムが鳴った。根津(宇崎竜童)とピントきた知華子は、洋介を代わりに出させる。男の声に根津はドキッ!。「俺たちは番犬か」とふてくされぎみの洋介に知華子は「人間歳取ると、賢くなるのはウソ。バカになる」、「34の時、寂しくなって・・・」と漏らした。洋介の気持ちは複雑だ。その夜、三人で初めて夕食を囲んだ。洋介が作ったチャーハンに文句ばかりの知華子だが、洋介が翔太の口元についた食べかすを摘み、自然に口に入れるのを見て、寂しさを感じていた。
 翌日、知華子が出社すると、スタッフたちが、根津一家の写真が掲載された雑誌を見てワイワイやっていた。「根津さんて、酒とバイクと女かと思ったら意外」など話し声が聞こえ、そこへ知華子に根津から電話が入った。努めて事務的に会話し、知華子は冷たく電話を切るのだった。
 洋介は再び新宿のスナックを訪ねた。またママに追い返されそうになった時、買い物から戻ったひかるに出会った。近くの公園に誘うとひかるは「プロのタンゴダンサーになる」と洋介に言う。結婚し、子どももいるのに「なぜ?」と思う洋介に「夫の稼ぎで、顔色をうかがいながら生きるのはイヤ」、「子どもも生みたくなかった」、「結婚生活はウソ」など、洋介には信じられない言葉がひかるの口から次々でてきた。洋介は、何とも言葉が出ず、大きなショックを受けた。
 マンションに戻り、知華子に話すと「何も考えてないのは洋ちゃんの方」「自分を持っていない男に女はついてこない」と洋介はぴしゃりと言われてしまう。
 洋介が面接に失敗してマンションに帰ると、根津がロビーにいた。「あんた知華子の男だろ。ちょっとつきあえ」と言われ、洋介は言われるままついていき、二人は居酒屋で飲むことに。酒が入るほどに、洋介はひかるのことを話し、根津は知華子への思いを語った。ひかるの言葉にショックを受けていた洋介は悪酔いし、根津に送られる始末。「きちんと番犬して」と洋介は知華子になじられてしまう。
 知華子の仕事がうまくいった。上司に「美貌も才能のウチ」など褒められても知華子はうれしくなれない。お祝いに「いっぱい」と部下を誘うが、「子どもの誕生日で・・・」と部下は帰っていってしまった。ふと寂しくなり、根津の携帯に電話してしまう知華子だが出たのは、根津の娘だった。何も言えず切るだけの知華子は、一層寂しさを募らせるのだった。
 そのころ、洋介はひかるに再度会いに行っていた・・・。


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