あらすじ
<第10回> <第11回> <第12回>

<第10回> 「新しい命が呼び覚す衝撃の過去」
 洋介(真田広之)は、根津(宇崎竜童)から「久木田(MAKOTO)が、知華子(鈴木京香)との交際宣言してきた」と聞かされ、ショックを隠せないまま、知華子のマンションに帰ると、怪我の治ったひかる(米倉涼子)と翔太(泉澤祐希)が引っ越しの準備をしていた。知華子も手伝い、さっそく洋介も仲間に入り引っ越しの準備をしだした。
 離婚は辛いが、洋介は、ひかるが翔太に「これはお別れじゃない」と言ってくれたことがうれしい。一方、知華子は翔太を抱きしめ最後のお別れ。「また一緒に遊ぼうキャサリン」と翔太が言ってくれたのがうれしい。
 洋介は根津の紹介でアパートが見つかり、知華子のもとを出ていった。引き留める知華子に洋介は「なんであんなことになるんだ。本気なのか」と久木田のことを追求する。「洋ちゃんには関係ないこと」と素っ気なく答える知華子だが、この半年、洋介と再び暮らし、まだ好きだった事に気づいた知華子はむなしさや寂しさを感じていた。
 心を引き締めて、介護の勉強を始めた洋介は、介護ヘルパーの教室で、いつぞやのキャバクラ譲・セリナ(黒谷友香)と再会する。「誰かのために何かができて、それで自分も幸せになれるなんて、最高じゃないか」。そう話す洋介にセリナは好感を持ったよう。
 一方、知華子は久木田を食事に誘い「なぜ、根津に交際宣言なんて」と問いつめると、久木田は「根津ではなく、的場さん(洋介)に知って欲しかった」と言い出す。そんな久木田に知華子は「あなたとつき合う気はない。誤解しないで」と、き然と宣言するのだった。
 時間はアッという間に過ぎ、それぞれ新しい生活に慣れていった。洋介は時々、翔太からかかるPHSがうれしい。それにしてもセリナに「あなたが好きになった」と言われても思い出すのは知華子のことだった。そんなある日、久木田が、知華子の顔色が悪いのに気づいた。「ちょっと風邪気味で」とごまかす知華子だが、体調の変化に気づいていた。診察してもらうと「五週目。間もなく、つわりは収まります」と言う医師の言葉に知華子は呆然とした。たった一度の交渉、それも、洋介の子を流産してから、子供はできない体になったと思いこんでいた知華子は大きなショックを受けた。
 洋介が出ていって五週間、一度も会っていない。妊娠のショックから、知華子は洋介のアパートを訪ねるが、洋介は留守。二人が新婚生活を送ったアパートを訪ねると、そこは更地になっており、洋介が立っていた。なぜか二人は、思い出の場所に誘われるように来てしまっていたのだった。
 「あのころはここに、玄関が、風呂場が・・・」と昔話をする二人だが、知華子が「気持ちが悪い」とうずくまった。「なんでもない」と言うが、激しいおう吐に洋介は妊娠?と気づく。「久木田君か」の洋介の問いかけに「私の問題だから」とだけ言う知華子だが、「洋ちゃんの子を流産してから妊娠できない体になったと思っていた。だから子供に代わるものとして、仕事に情熱を・・・」と女心を打ち明けるのだった。
 この知華子の言葉に、自分は知華子と離婚後、ひかると結婚、翔太ができ、と自分だけ幸せだったことに洋介は大きなショックを感じるのだった。

<第11回> 「交錯する愛が導く崩壊への終章」
 知華子(鈴木京香)と洋介(真田広之)が、マンションに戻ってくると、久木田(MAKOTO)が待っていた。長年温めていた国連のPKO取材の企画が幹部に認められたことを知華子に報告しようと、待っていたのだった。洋介の勧めもあり、知華子が子供ができたことを話すと、久木田は「ヤッター、結婚しましょう」と大喜び、乾杯しようとはしゃぎ出す。「あ〜あ」。知華子の嘆きが聞こえてきそうで、洋介は一人騒ぐ久木田を外に連れ出し、「子供は俺が面倒をみる」ときっぱり久木田に話すのだった。
 洋介がアパートに帰ると、ひかるからのPHSが鳴った。離婚後初めて、ひかると交わす会話。知華子のこともあり、どこか落ち着かない洋介に「絶対、見に来てね。洋介のために踊るから」と、ひかるは、ダンスの舞台のチケットを郵便受けに入れておいたことを、洋介に告げた。
 翌日、知華子が出勤すると、久木田が弁護士を連れてきた。「産休後の復職のため意見を聞いておいた方が良い」と勧める久木田を知華子は少し見直す。
 そのころ、洋介は老人病院でセリナ(黒谷友香)とともに介護実習の後かたづけをしていた。すると、事務長(草村礼子)が近づいてきて、「人事・総務担当の一般事務員として病院に残らないか」と洋介に言ってきた。このご時世、40歳男に職を勧めてくれ、うれしいとは思う洋介だが、リストラや二度の離婚などを経験し、洋介は今、本当に自分自身納得した職に就きたいと思っていた。そんな気持ちをセリナに伝えながら、自分には一緒にいると落ちつける人がいるのだと、洋介は優しく、今後もつき合いたいというセリナの告白を断った。
 しばらしくて、洋介が、根津(宇崎竜童)に、知華子が妊娠したこと、父親は久木田であること、自分が面倒をみていくという決意を話しているとき、知華子は出版社で、ひかるの訪問を受けていた。「クッキー喜んでいたよ。子供ができたこと」と話し始めたひかる。知華子はその真意を掴みかねた。
 ダンス公演を明日に控え、ひかるが忙しくなったため翔太(泉澤祐希)が知華子のマンションにやってきた。「元気だった?キャサリン」とあどけない翔太に会い、知華子はうれしい。そして当日、洋介と翔太が公演の開演を会場で待っているとき、知華子は久木田からPKOの取材はやめたという報告と、「だれよりも、何よりもあなたが一番だから」と真剣な告白を受けていた。子供ができたことを知って以降、責任感や他人への配慮といった久木田の別の面を感じ始めていた知華子は、その言葉に、初めて核心をつかれた思いがしハッとするのだった。
 ひかるのダンスが始まった。舞台センターでハツラツと踊るひかるは妖艶で、迫力いっぱい。ちょうとひかるの踊りが最高潮に達した時、知華子がやってきた。久木田の真剣な思いを聞いた直後だっただけに、じっとひかるの舞台を見つめる洋介に知華子は「距離」を感じた。その直後ひかるがバランスを崩し、舞台中央で転んでしまった。「アッ!」「ひかる!」と思わず立ち上がりそうになる洋介だが、ひかるは直ぐ立ち上がりダンスを続けた。
 舞台が終わり「センター下ろされたけど・・・」と、ひかるは転倒にもめげず、比較的元気そう。しかし、洋介はひかるの態度や言葉から何かを感じていた。三人で帰る道すがら、洋介は、知華子に「ちょっと忘れ物が」と言い、ひかるの元にとって返すのだった。

<第12回> 「愛することが生きる力だから」
 入院する知華子(鈴木京香)。おなかの子供の状態はかなり危険で、過去に自然流産しているだけに、流産の可能性は高く予断を許さない。
 そんな知華子を心配する洋介(真田広之)。しかし、知華子は、洋介の自分に対する感情が恋愛ではないのではと疑いをもっている。そこに、知華子のことが心配でたまらないない久木田(MAKOTO)が駆けつけた。彼の熱い想いに打たれる知華子。
 ひかる(米倉涼子)が、タンゴの公演の開始間際になっても会場に現れない。洋介が探しまわると、ひかるは会場近くの公園でひとりブランコに乗っていた。ひかるは、初日の失敗時に洋介をつい頼ってしまったことを後悔していたのだ。「俺達の結婚は終わったけど、カタチを越えてお互い支え合っていけばいいじゃないか」との洋介の言葉に、「いつのまに、こんなイイ男になったの」とひかる。

 洋介は、自分がこれからできることが何かを探していたのだが、過去の自分の全ての経験とこれからを考え、介護用品の企画開発の職につくことを決意し、就職活動を開始する。そこで再びセリナ(黒谷友香)と再会し、洋介の中に彼女に対する友情とも愛情ともつかない感情が芽生え始める・・。

 無事退院した知華子。洋介が一週間分の食料などを買い物して彼女のマンションを訪れていると、そこに久木田がやってきた。そして、「結婚してください!」と知華子にプロポーズしたのだった・・!


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