あらすじ
<第7回> <第8回> <第9回>

<第7回> 「友人と恋人の境界線はどこ」
 倫子(辺見えみり)はあかね(ともさかりえ)に節約術のレクチャー中。「これからいろいろ教えて下さい」。あかねはすっかり倫子を師匠扱い。宗太(押尾学)は思わずボヤいた。「ケンカのたびにウチに来るなよ」。倫子は丈二(北村一輝)とケンカして転がりこんできたというわけ。翌朝ちょっとした事件があった。宗太は倫子とぶつかった拍子にキスしてしまったのだ。偶然とはいえ宗太はなんとなく後ろめたい。出社するなり貫介(宮迫博之)に相談した。「オレも王様ゲームで倫子とキスしたことあるで。つまんないのう」。貫介は笑いとばした。
 それでもモヤモヤした気分のまま宗太が帰宅してみると、あかねと倫子は節約術の真っ最中。宗太が思わず吹き出すと、2人は口をそろえて「節約のためよ!」とにらみつけた。宗太は恐る恐る今朝のキスのことを話題にした。「気にしてないわよ。いやね、動揺しちゃって」。倫子も笑い飛ばした。どうやら宗太の取り越し苦労だったようだ。
 ところがあかねと倫子の内緒話を耳にして、宗太はまた悩んでしまった。「あたし、このウチに住んじゃおうかな」「じゃあ、宗太を追い出そうか」「そうそう、宗太は丈二と暮らせばいいのよ」。宗太は丈二に倫子を連れ戻してもらうように頼むが、丈二がこれから行く面接のためにスーツを貸すハメに。それでも丈二は面接帰りにマンションに寄ると約束してくれた。
 あかねはショップで高額のソファーを売り、大喜び。しかも買ってくれた客、宮本(細川茂樹)はあかねの目指すインテリアコーディネーターで、アシスタントを探しているという。あかねは突然転がりこんできたチャンスにうれしさをじっとかみしめた。
 その夜、丈二はマンションにやって来たが、倫子と仲直りするどころか、たちまち険悪なムードに。「どうして劇団辞めたの?あたしとの人生どう考えてるのよ!」「生活のために働こうとしてんじゃないか」。丈二が玄関を出ていくと、倫子の目からこらえていた涙があふれた。
 宗太が帰宅すると倫子が1人で酔っていた。「あたしってダメな女かな。宗太はどう思 う?」。宗太が励ますと、倫子は宗太の頬に手を伸ばし、キスをした。宗太もつい倫子を抱きしめた。その現場を帰宅したあかねが偶然にも目撃。「ただいま〜」。あかねは動揺を隠して、わざと大声をあげた。気づいたら、倫子のヤケ酒に付き合わされるハメに。倫子と宗太の親密さにあかねは落ちつかない。あかねが貫介に相談をもちかけると、「おもろくなってきたやないか」。他人のモメ事なら大歓迎の貫介は喜々としてあかねの話に聞き入った。
 あかねが元気ないものだからショップの同僚たちが、居酒屋で激励会を開いてくれた。ところがここにも貫介が飛び入りしたものだから、あかねのことなどそっちのけで宗太と倫子の話題でもちきり。「丈二さんゲットのチャンスですよ」。ほのか(志村知香)はくるみ(西尾まり)をけしかけた。実はくるみは丈二に一目ボレしていたのだ。「おもろすぎるやないか」。貫介はますます楽しくなってきた。
 倫子が自分のマンションに帰ってくれる気配はまったくなし。それどころか宗太との仲はいっそう深まるばかり。「オレ、倫子さんとシェアリングしたかったな」「宗太、あたしとつきあう?」。そんな会話がリビングから聞こえてくるものだから、あかねは自分の部屋にいてもおちおちしてられない。「あたし、ジャマ者?」。自問自答してなんともいえない寂しい気持ちになった―。

<第8回> 「男と女のホンネとタテマエ」
 あかね(ともさかりえ)は家賃の値引きを条件に、宗太(押尾学)と部屋を交換することにした。深夜にも関わらず2人は荷物を運びはじめた。あかねは宗太の部屋の模様替えをしてやった。「すげえなあ」「ホメてくれたの?うれしい!」。あかねは素直に喜んだが、終わってみれば一夜明けて、もう出社時間。「今夜はあたしの部屋を手伝ってよ」「わかってるよ」。着替えた2人はあわてて飛びだした。
 あかねがショップに着くと、オーナー夫人、つまり茂雄(小林且弥)のママ(田島令子)の姿があった。新しい支店のチーフを今のメンバーから選ぶという。「あかね、あなたよ」。真之介(山咲トオル)の声にあかねは自分の耳を疑った。「おめでとうございます」。祝福の拍手に包まれて、あかねは涙があふれるぐらいうれしかった。
 かたや宗太は出社すると、貫介(宮迫博之)が元気ないのに気づいた。「たまチャンにフラれてしもた」「え!」。たまき(池田真紀)からは藤井(青木堅治)という新しい恋人まで紹介されてしまった。その夜宗太は貫介を励まそうと、丈二(北村一輝)にも声をかけて飲みに誘った。「修復不可能な話になってね」。なんと丈二も倫子(辺見えみり)と別れてしまったのだ。倫子は結婚を望んでいた。「いまのオレには無理だよ」。丈二は消え入るようにつぶやいた。
 貫介のケータイが鳴った。たまきからだ。「えっ、会いたい?」。早くもヨリを戻したいのか。しかし貫介の予想はぬか喜びだった。たまきは藤井を連れて現れた。しかも藤井から転職の相談をもちかけられた。なんと貫介は藤井にたまきの従兄弟だと偽っていたのだ。宗太と丈二は呆れて、そして切なくなった。
 3人は気分転換に銭湯へ。「ウチに来る?」。丈二が案内してくれたのは劇団の稽古場。「オレの幸せは役者として大成することだ!」。一升瓶を回し飲みながら、宴はいつ果てるともなく続いた。
 翌朝宗太が二日酔いの頭を抱えながら帰宅すると、あかねが泣き顔で出迎えた。「ウソつき」。部屋の模様替えを手伝うことをすっかり忘れていた。「ごめん」。宗太は素直に謝ると、貫介と丈二の破局を打ち明けた。「えええ!」。あかねも驚くと同時にショックに打ちのめされた。
 貫介がまたマンションに転がりこんできた。朝帰りして奥さんとケンカしたらしい。「この部屋でたまチャンとHしてたんだよね」。貫介が物思いにふけっていると、倫子がやって来た。「丈二さんならいませんよ」。宗太がそう伝えると、倫子はあわただしく帰っていった。こちらは未練たっぷりらしい。「このままバラバラになっちゃうのかな?」。最初はうるさいと思っていたのに、あかねはたまらなく寂しくなってきた。「みんな大人なんだから大丈夫だよ」。宗太の言葉もあかねには気休めにしか聞こえない。しかし職場ではボンヤリしていられなかった。支店の責任者として仕事が山積み。店舗のレイアウト、商品の選択。本当なら喜々として進められる仕事なのに、あかねはみんなのことが気になって集中できない。このモヤモヤをふっ切るためには、もう一度6人で集まるしかない。
 「お前もお節介だね」。宗太は呆れながらもあかねの計画にノッてくれた。翌日の夜、まず貫介が現れた。「タマちゃんと会うなんて、なんや緊張するわ」。チャイムが鳴った。丈二だ。その後ろからたまきが顔をのぞかせた。「ごめん。残業してて」。最後に倫子もやって来た。
 最初こそぎこちない空気が流れたが、いつしか6人は盛り上がっていた。「新しい支店のチーフって、すごいじゃない」。みんなから祝福されて、あかねはうれしかった。やがて6人はそれぞれの胸の内にわだかまっていた思いを打ち明けはじめた―。

<第9回> 「告白するタイミングはいつ」
  宗太(押尾学)のことが気になって仕方ないあかね(ともさかりえ)の気持ちは、ショップの同僚たちにも見抜かれていた。宗太の方は「オレに惚れた?」とあかね本人にぬけぬけと言うぐらいだから、あくまでもシェアリングの相手としか見ていないようだ。
 宗太にいま恋人はいない。そこで貫介(宮迫博之)は同僚のいずみ(山口あゆみ)を宗太 にすすめた。「お前のこと好きらしいぞ。マジでええコなんよ」。たしかによく気がつくし、誰に対しても愛敬がいい。「なるほどね、灯台下暗しか」。宗太もいずみを意識するようになった。
 丈二(北村一輝)を狙って、マンションにくるみ(西尾まり)がやって来た。倫子(辺見えみり)と別れたウワサを聞きつけ、早速動きだしたというわけ。あかねにしてみれば、倫子も丈二も友達。素直にくるみを応援する気にはなれない。結局丈二は来ず、くるみは帰っていった。「じゃあ今夜は2人きりだ」。宗太の何気ないつぶやきに、あかねは妙に緊張した。シェアリングを始めてから毎夜のように誰かが来ていたから、2人きりの夜は久しぶりだ。なかなか寝つかれなかったあかねだったが、翌朝目覚めると宗太の顔がすぐそばにあった。「うあああ!」。夜中に寝ぼけて宗太が部屋を間違えたらしい。
 丈二会いたさにくるみがまたやって来た。今度は真之介(山咲トオル)も一緒だ。「こんな生活してて、あんたたち何も起こらないの?」。真之介に聞かれた宗太は否定すると同時 に、いずみのことを明かした。「まあ悪くないかなって」。あかねは平静を装ったが、内心穏やかではない。結局この夜も丈二は姿を見せなかった。
 翌日宗太が出社すると、貫介が頭を抱えていた。倫子の誘導尋問にひっかかって、丈二が宗太たちのマンションで浮気していたことをバラしてしまった。もう過去のことだからと言ってたのに、倫子は激怒。「女は信じたらアカンで」。宗太にもショックな出来事があった。いずみが寿退職するのだ。相手はバス運転手の谷川(蛍原徹)。「オレは何だったんですかね?」「女はほんまわからん」。宗太と貫介は顔を見合わせた。
 「本当に好きなのね、宗太のこと。何とかしてあげましょう」。真之介があかねの恋のキューピット役をかってでた。2人は宗太が添乗員をするバスツアーの客となった。「なんで乗ってきてんの?」「あのね、実は話があるの」。しかしあかねは告白できなかったし、宗太もあかねの恋心など思いもよらなかった。2人の様子をこっそりうかがっていた真之介はため息まじりにつぶやいた。「全然女心がわかってない」。
 宗太が帰宅すると、倫子が貫介を追及していた。丈二の浮気の一件だ。「つまりこの部屋 で丈二は女と会ってたってことなのね。宗太、そうなんでしょ!」「知りません」。怒りのほこ先が自分に向けられて、宗太はうろたえた。どんなことがあっても部屋を又貸ししていたなんて言えない。そこへあかねが帰ってきた。宗太は貫介にソッと耳打ちした。「あいつを巻きこんで雰囲気を変えましょう」。しかし宗太の目論見は外れた。丈二が一緒だったのだ。「こんばんわ」。たまき(池田真紀)と新しい恋人の藤井(青木堅治)も現れて―。


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